私は私。母は母。〜あなたを苦しめる母親から自由になる本

著者 :
  • すばる舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799101049

作品紹介・あらすじ

所詮、母はああいう人。母を変えようと苦悩するより、うまく距離をとることで、あなた自身の人生を幸せに生きていいのです。母にも苦悩する娘として生きた時代があったということを理解しても、あなたが同じように苦しむ必要はありません。実際によく見られる葛藤する母娘のエピソードを題材に、母から解放され、自分の幸せをつかむための具体的な方法を紹介します。

感想・レビュー・書評

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  • 「子どもが幸せな大人に育てば、それが自分が「よい母親」だったことの何よりの証明になる。子どもにとっての最大の幸福は、何の心配もなく、親を捨て自分の人生に向かえることである。」

    ここが毒親とそうでない親との大きな分岐点だと思った。

    子どもが自分たちから離れて、自分自身の人生を謳歌している姿を見て、良かったと満足できるかどうか。
    育ててやった恩を忘れてなんて薄情なんだ、お前だけが幸せになるなんて許せないとどこかで感じていやしないか?

    子どもの人生を自分のものだと勘違いしていると、幸せの分け前をもらえないことに怒りを感じるのではないか。

    親しき仲にも礼儀あり。
    ぐっと痩せ我慢してでも、ズカズカ踏み込むのをやめる。
    それだけで随分違ってくる気がする。

    色々考えさせられて、ずーんと気持ちが重くなる本だった。

  • 母親との関係に苦悩する娘に向けての本。いくつかの例を挙げながら、その母親とどう付き合っていくか、またどう距離を取ったかまでを記し、更にはその困った母親がいかにしてそうなったのかまで書かれている。特に参考になったのは、最終的に娘はどうすればいいかがパターン別に挙げられていて、実用性もある。この母子モデルは自分の世代より一つ上の世代だなというのが読んでいての感想なので、ピッタリ自分の欲しい案件はなかったのが少し残念である。
    けれど、「母の不幸の責任は娘にはない。娘に責任があるのは、娘自身の幸せに対してである」という言葉にはとても救われた。散々母のカウンセラーをやらされた私にとって、自分さえしっかりしていれば両親を幸せにしてあげられるのにと使命感を持っていた。母は私を尊重してくれないのにだ。私は私が幸せになるために生きている。母も父も自分の人生は自分で頑張ればいいと思ったらすごく楽になった。

  • 何組かの母娘の例を挙げて、母親への対応法が書いてありました。
    ですが、世代的に、少し上の世代の母娘が例であったため、個人的にはあまり参考になりませんでした。
    (この本の発行は2012年で、それほど古くはないはずなのですが。ちなみに、私自身が知りたかったのは、この本では「娘」世代である人の子供の世代である人の毒母に対する対応法です)
    相談者がいて、その対応をして経過を見守り「こうすればいいのでは?」・・を本に著す、、という時代の中で、世代が移り変わっていくものなのかもしれませんね。
    私も自分のクライアントさんと共に向き合いながら解決法を模索していこうと思います。

  • この手の本はたくさん読んできたのですっかりベテランの域に入った私。
    おかげでまあまあ巧くやっていると思っています。

    他の本と同様、母の状況、そしてその対策。
    でもこの本には今までにない内容がふたつ。
    ひとつは「母がなぜこういう母になったか。」

    もうひとつは「娘が母になったとき知っておきたいこと」です。

    >「母になった娘」は「自分は子育てで何か間違いをしてしまうのではないか」「子どもにとってよくないことをしてしまうのではないか」「その結果子どもに嫌われるのではないか」等々の不安を抱いている。そのほかにも「自分はいい親にはなれないのではないか」と考えて子どもをもつことをためらってしまう女性もいる。

    >「母になった娘」は母の自信が子どもにとって迷惑になるときがあることを知っている。また、自分と母親との関係を考えたときに、母が思っているほどには、いい関係だと思っていない自分自身に気づいている。自分はそういう親にはなりたくない。子どもに嫌われたくない。そう考える「母になった娘」は関係の維持には努力が必要だということを知っている。

    ここの部分はこれから母になるかたにぜひ読んでいただきたいです。
    全部大事ですが、私が特に気に入ったのはこちらです。

    >子どもが幸せなおとなに育てば、それが自分が「よい母親」だったことの何よりの証明になる。子どもにとっての最大の幸福は、何の心配もなく、親を捨て自分の人生に向かえることである。

  • 母は母自身の人生に、娘は娘自身の人生に、それぞれ責任を持つ必要があって、それを互いに押し付けてはいけない、というのは、当たり前のことのようでいて、なかなか気付けないと思います。読み終わって改めて、タイトルの『私は私。母は母。』を見ると、私と母は所詮は他人なのだと、自然と思えました。
    「母と息子」はあまり問題として取り上げられないのに、「母と娘」であるというだけで、どうしてこんなにも拗れてしまうのか?という疑問が、スッとほどけていくように感じました。この本を読んで、行き場のなかった苦しさが少し和らいだような気がします。

    ただ、やはり家庭環境の負の連鎖を断ち切るのは容易ではないのだなと、気が重くもなりました。結婚することにも、子どもを産み育てることにも、踏み出す勇気は持てないなと、ちょっと寂しくなりました。

  • 母娘関係を、タイプ別に丁寧に描きながら解説している本。娘側からだけでなく、母親の立場についても社会心理学的観点から描いていて、説得力がある。

    特に良かったのは、タイプ別の母親たちと、どのように付き合っていったら良いかということがきちんと描かれているところ。また、自分が実際に母親になった時に、どのようにしたら毒親にならないかということも指南している。

    特に下記の箇所は、自分自身が、思い出しながら生きていこうと思えるフレーズだ。

    「この世に産んでもらったことの、そして育ててもらったことの最大の恩返しは「よりよく生きる」ことである。よりよく生きるために、母の存在が枷となるなら、枷をはずして前に進むしかない。母という枷をはずすことで、「恩知らず」「親不孝者」と言われるかもしれないが、この世に生を受けた者の最大の義務は、自分自身の人生をまっとうすることである。そのために恩知らずになることが必要なら、堂々と恩知らずになればいい。自分自身の幸福への責任、それが最大の責任である」(p.285)

  • 自分が母から受けたこと、私から娘へ与えたこと、考えながら読みました。
    葛藤の連鎖を断ち切るためのヒントは為になりました。

  • なかなかいいぞ、この本。
    特に、母になった娘、のあたりが、娘を持った自分にはまった。

  • ヒントはあるけど答えは自分で見つけるしかない。

  • 367.3カ
    2015.9.16

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