夕闇の時代──大戦間期のイギリスの逆説──

  • 九州大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798503141

作品紹介・あらすじ

第一次大戦をヨーロッパ文明の衰亡の過程として受け止めた大部分のイギリス人は、戦争を勝利で終えたにも関わらず、不安と恐怖と黙示録的幻想をもちつづけ、危機の言説を形成した。終戦は新しい時代のはじまりというよりも、むしろもっと恐ろしい災禍へ向かう通過点として捉えられたのだった。

災禍を未然に防ごうと、大規模な反戦運動が展開され、歴史学、経済学、心理学、生物学、遺伝学などの一連の科学者は戦争の原因を究明しようとした。トインビー、ホブソン、ケインズ、ウェブ夫妻、フロイト、ハクスリー兄弟、ウェルズら著名な知識人たちを本書はとり上げ、彼らは大戦間期の不安の文化のなかで同じ課題を共有したと論じる。
しかし、こうした努力にも関わらず、根本的な解決策を見出すことは叶わなかった。不況、人口危機、スペイン内戦といった一連の出来事を経て、ヒトラーのナチズムの脅威に直面したとき、イギリス国民は文明を救うためにヒトラーと戦うことを決意した。
イギリスの稀代の歴史家が、不安と恐怖と黙示録的幻想に彩られた戦間期を、膨大な一次資料の調査により解明した文化史研究の大著。

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    第一次大戦をヨーロッパ文明の衰亡の過程として受け止めた大部分のイギリス人は、戦争を勝利で終えたにも関わらず、不安と恐怖と黙示録的幻想をもちつづけ、危機の言説を形成した。終戦は新しい時代のはじまりというよりも、むしろもっと恐ろしい災禍へ向かう通過点として捉えられたのだった。
    災禍を未然に防ごうと、大規模な反戦運動が展開され、歴史学、経済学、心理学、生物学、遺伝学などの一連の科学者は戦争の原因を究明しようとした。トインビー、ホブソン、ケインズ、ウェブ夫妻、フロイト、ハクスリー兄弟、ウェルズら著名な知識人たちを本書はとり上げ、彼らは大戦間期の不安の文化のなかで同じ課題を共有したと論じる。
    しかし、こうした努力にも関わらず、根本的な解決策を見出すことは叶わなかった。不況、人口危機、スペイン内戦といった一連の出来事を経て、ヒトラーのナチズムの脅威に直面したとき、イギリス国民は文明を救うためにヒトラーと戦うことを決意した。
    イギリスの稀代の歴史家が、不安と恐怖と黙示録的幻想に彩られた戦間期を、膨大な一次資料の調査により解明した文化史研究の大著。
    (出版社HPより)

  • 東2法経図・6F開架:233.07A/O92y//K

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著者プロフィール

イギリスの歴史家。エクセター大学名誉研究教授。
第二次大戦とナチス・ドイツについて多数の著作をもつ。

主要著書
Why the Allies Won(Jonathan Cape, 1995)
The Battle of Britain : Myth and Reality(Penguin, 2004)
The Dictators : Hitler?s Germany, Stalin?s Russia(Allen Lane, 2004)
The Bombing War : Europe 1939-1945(Penguin,2014)
Blood and Ruins : The Great Imperial War 1931-1945(Penguin)を刊行予定

「2021年 『夕闇の時代 大戦間期のイギリスの逆説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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