- Amazon.co.jp ・本 (454ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798144252
作品紹介・あらすじ
IOT、インダストリー4.0を徹底解説&デジタル時代の日本企業の戦略を大胆に提言&最新論考と図版を大幅に追加!
「ものづくり」や「匠の技」だけでは、もはや勝てない。市場撤退を繰り返し、長らく停滞してきた日本の製造業をはじめとする産業の再生の方途はあるのか?
アップル、サムスン、インテル、クアルコム。これらの企業は利益を生み出す自社のコア領域をクローズに独占し、市場との境界にオープン領域を設定し、多くの企業を巻き込みビジネスエコシステムを築き上げている。
本書は欧米企業が生み出した周到な知財マネジメントとビジネスモデルの構造を分析し、実証研究に基づき、日本企業の本質的な課題を克服し、再び活力を与え再成長のための戦略を大胆に提起する。
また進行しつつある「IoT/インダストリー4.0」が日本に及ぼす影響、日本企業のとるべき方策についても新たな考察を踏まえ、最新の論稿を追加した。
【推薦のことば】
「重厚な実証と洞察!この金字塔的労作は次世代ビジネスの共通言語だ」――妹尾堅一郎(特定非営利法人 産学連携推進機構理事長)
感想・レビュー・書評
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産業レベルの競争戦略の名著だと思う。
見えざる手ではなく、”伸びゆく手”をどう形成していくか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
特許をどうビジネスに活かしていくのか、何故日本企業が市場撤退していったのか、その理由がよく分かる書であった。ソフトウェアリッチ、知財マネジメントの再構築、技術だけでは市場競争力に直結しない、伸び行く手、ビジネスエコシステム、オープンによる標準化、クローズによるコア領域を守る等知財の重要性が余すところなく記されていた。
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企業における技術開発のスピードは、守る技術と複数の企業と協調して開発する技術領域とを区分けして行うことが大事。一流企業の事例を沢山紹介してオープン・クローズ戦略の重要性を説いている。
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昨今の面白い技術戦略事例が述べられていて、勉強になった。産業政策を学んだ留学時の内容を知財の視点を加えた学び直せる良い機会になった。先進国の知財マネジメントと伸びる手を活用した新興国企業との協業のビジネスモデル(先進国企業のvertical integrationと新興国企業部品サプライヤーorOEMメーカーのhorizontal integration)、先進国企業のmarket-orientedな製品開発など。この内容から考察するに、IoTやSociety 5.0が進んだら、より多くの産業がソフトウェアが核となる事業モデルとなり、既存の産業構造により大きな変化をもたらしうるため、中年職員の職業訓練と再雇用の仕組みが必須に思われる。とりわけ中小企業において。
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伸びゆく手
特許をたくさん出せばいいということではない。
それをどう活用するかなんだなーと思った。
知識も活用してはじめて意味があるものになると思う。 -
実際にオープン&クローズ戦略を成功させることは簡単でない。
本書では、なるほどそうだったのか、という気づきが幾つもあり、勉強になった。 -
ある意味「イノベーションのジレンマ」にも通じる話。どんなに技術を秘匿しようとも、公開特許を出した時点でその技術はパクられる。あるいはハードウェアはどんなにブラックボックス化しても、分析技術の方が優れていれば、すぐに丸裸にされる。論じるまでもなく日本は半導体、液晶、家電で自ら痛い目を見て実証してきた。
思うに、その運命は日本が電子立国の地位を確立したバブル期に既に決まっていたのかもしれない。当時日本では「日本は米国にハードで勝ってソフトで負けた」発言がステレオタイプ化していたが、明らかに本質を見誤っていた。ソフトで負けたのではない。クローズすべきコア技術の選択で負けたのだ。だからマイクロソフトもアップルも単にソフトで強くなったわけではなく、ハードをオープン技術にして新興国を取り込んだことで、ハード依存企業を蹴散らした。ハード依存とはまさに日本のことで、企業単位ではなく国家単位であるがゆえに凋落度合もハンパなかった。
当然復興の鍵はオープン&クローズ戦略。著者が提唱する「ビジンエスエコシステム」や「伸びゆく手」もうなずける。しかしオープン技術とはいえ、キャッチアップ企業を協業者として取り込んでいくのであれば、一つだけ声を大にして言いたい。日本の企業は情報セキュリティにもっと真剣に取り組むべきである、と。 -
アップル,インテルの戦略の解説が面白かった。特許の数だけで競う時代は終わったというのもなるほどなーというかんじ。しかし,内容が結構難しくてななめ読みで終わってしまった。またがんばって再読したい。
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日本の製造業が衰退した理由とアップルなどうまく言っている例を紹介している。
特許をたくさんとることは、技術を公開することになり、得策ではない。
少数の特許でも核となるものであればしっかりしたビジネスを構築することができる。
ビジネス構築の際に、いかにそのような戦略を立てるかが大切。