世界でいちばん大切にしたい会社: コンシャス・カンパニー

  • 翔泳社
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  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798134543

作品紹介・あらすじ

「意識の高さ」を成長に変える、世界の超優良企業が実践する経営スタイルを紹介。イケア、スターバックス、パタゴニア、コストコ、サウスウエスト航空、ジェットブルー航空、タタ、トヨタ、トレーダー・ジョーズ、ポスコなど、数多くの事例を取り上げ、今後も生き抜いていく企業のあるべき姿を提案する。

感想・レビュー・書評

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  • Good read.

  • ◾️概要
    従来のビジネス上の評価基準で高い成果を上げるだけでなく、社会に好影響を与える方法を知るため、読みました。最も印象的だったのは、「まず存在目的と価値観がある。それがひいては株主還元につながる。逆はない。」です。「企業は利益を求める以外の目的があって初めて挑戦する。」というのも同義かもしれません。

    ◾️所感
    個人も法人も「コンシャス」を目指す重要性は共通すると感じました。その難しさは、「愛や自分らしさを貫く姿勢といった、文化を形づくる最も重要な要素には、具体的に測りにくいものが含まれているのも事実である。」という一文に集約されているように感じました。

  • 株主ファーストの資本主義ではなく、ステークホルダー全てがwin winとなる資本主義。困難だがそれを目指す。会社の存在意義、目的を常に考える。これを突き詰めて、このベクトルにあった社員ともにサステイナブルな企業体を目指す。

  • コンシャスカンパニーの理念はすべてのステークホルダーに対する価値を創造し高める事。面白いと思ったのはステークホルダーに競合企業が含まれるってところ。競合企業は同じ市場を開拓する同志であるとともに、自社の知的財産をオープンにし、同盟関係にするって事も可能だからね。
    日本企業でホールフードのように三方良しの経営ができている企業は少ないだろう。良いベンチマークをいただきました。

  • 大きく影響を受けました。

  • ”「第九章 コミュニティと共に栄える」が気になった。

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    コミュニティというステークホルダーは、コンシャス・カンパニーにとって中心的な構成要素だ。企業は地域、国、世界といった物理的なコミュニティに属しているが、同時に共通の利害で結ばれたバーチャルコミュニティの中にも存在している。(p.157)
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    コンシャス・カンパニーは、コミュニティの中で責任のある市民のように振る舞っている。つまり、地域、国、場合によっては世界的な規模でコミュニティが取り組んでいる問題に貢献しようとしているわけだ。(p.160)
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    タタは「企業とは、社会資本があってこそ栄える」という前提で経営されている。「私たちはまず、ある会社の一員ではなく、一人の市民であることを認識して行動しています。『自由企業にとって、コミュニティはビジネスにおける単なるステークホルダーの1つではない』これが社是なのです。コミュニティの発展こそが、私たちの存在目的にほかならないのです」(R.ゴパラクリシュナン、エグゼクティブ・ディレクター)
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    巻末解説で、野田稔さんが鎌倉投信の投資信託の話を紹介してたのが嬉しかった。

    <キーフレーズ>
    ・コンシャス・カンパニー(意識の高い会社)
    ・コンシャス・キャピタリズム(意識の高い資本主義)

    <きっかけ>
     田中伶さんが、ビジネス書キュレーションサロンで紹介していた一冊。”

  • ・営利企業の目的は、利益の最大化ではなく、私たちの生活を向上させ、ステークホルダーにとっての価値を創り出すこと―社会価値の創造
    ・自社の存在目的とコアバリューがコンシャスカンパニーの中核をなす
    ・目的、ミッション、ビジョンの三つを明確に区別する。目的とは自分が世界をどう良くしたいのかを語ること。使命とはその目的を実現するために実行されるべき中核的な戦略のこと。ビジョンとは、自分たちの目的があらかた実現した暁に世界がどのように見えているのか、という生き生きとした想像上の概念または光景
    ・幸福とは、追い求めるものではなく、意味と目的のある人生を送った結果として得られるものだ(フランクル『夜と霧』)−利益も同じ。利益とは、存在目的、素晴らしい商品やサービス、顧客満足、社員の幸福、社会や環境への貢献の副産物
    ・利益はビジネスの重要な目的であっても、唯一の目的ではない。長期的な利益を最大化する最もよい方法は、相互に依存するビジネスのシステム全体に価値を創り出すこと
    ・タタ「私たちはまず、ある会社に一員ではなく、一人の市民であることを認識して行動します。コミュニティの発展こそが、私たちの存在目的にほかならないのです」
    ・競合他社から学ぶ
    ・共有の目的を植えつける―成果を上げるリーダーは「私はだれか」「私たちはだれか」「私たちはどこに行くのか」という三種類の物語を語っている
    ・コンシャスリーダーになるには、とりわけ「共感力」、つまり他の人がどう感じるかを感じ取る能力を養う必要がある
    ・コンシャスカルチャーの七つの特徴『TACTILE』―信頼(Trust)、説明責任(Accoutability)、思いやり(Caring)、透明性(Transparency)、誠実さ(Integrity)、忠誠心(Loyalty)、平等主義(Egalitarianism)
    ・人員削減は段階的に行うのではなく一度にとどめ、さらなる人員削減はないことを明確にする
    ・ノードストロームのルールはただ一つ「あらゆる場面で的確に判断せよ」
    ・自分の会社は明確に定義されだれもが心から共感できる目的を持っているか?
    ・コンシャスカンパニーになるうえでの最大の試練は、企業文化の変革であることが多い
    ・私利私欲だけを考えない。全体最適を意識する

  • Have!

  • 自然食品販売大手のホールフーズマーケット社CEOが、短期的な自己利益のみを追求する"傲慢資本主義"に陥ることなく、しかも中長期的に高い成果を出し続ける「コンシャス(意識の高い)カンパニー」の経営手法を解説した指南書。

    著者は「経済合理 vs 社会合理」という二者択一の議論を超えた概念として、「コンシャス・キャピタリズム」を提唱し、それを体現する「コンシャス・カンパニー」は、高潔な「存在目的」を拠り所に、愛や思いやりなどの情緒的要素も備えた「コンシャス・リーダーシップ」や「コンシャス・カルチャー」により、すべてのステークホルダーとの間で相乗効果を生み出し、持続的に成功していると主張する。

    かつて二宮尊徳が「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である。」という言葉によって提起した課題は、今なお多くの企業にとって未解決であり、本書を単なる理想論として片付けるのも簡単だが、そこから目を背けることの代償は、個人や社会にとって、あまりに大きい。一経営者の自画自賛ではなく、実体験に裏打ちされた経営論として、学ぶべき示唆に溢れた読み応え十分な一冊。

  • 家族全員ホールフーズが好きだ。そこに実践が見られるコンシャスキャピタリズムも良い思想だと思う。経営者と従業員の間にどのような信頼関係とコミュニケーションがあるかが、最も実践に重要なポイントと感じる。

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