デジタルネイティブが世界を変える

  • 翔泳社
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  • Amazon.co.jp ・本 (491ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798118864

作品紹介・あらすじ

本書はネット世代が与えうる、企業、社会、学校、家庭、政治などへの影響とインパクトを、詳細なデータに基づいて分析している。なぜ、オバマが大統領選で勝利をおさめられたのか?なぜ、今までのやり方では物が売れなくなったのか?彼らは何を考えているのか?何を欲しがっているのか?彼らが望む働き方はどんなものか?教育の現場では何が起きているのか?家族との関係性はどのように変わってきているのか?また彼らへの有効なアプローチの方法は何か?-この世代をどう扱うかが重要な課題となっている。日本を含む12カ国、1万人のインタビューを敢行し、デジタルネイティブのリアルがいま解き明かされる。

感想・レビュー・書評

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  • 思いのほか、教育的な内容だった。タプスコット パパの二人の子供に対する愛情が溢れている。

    ボリューム多すぎなのが難点(★減点)。読むのに時間がかかった。

    また後で追記します。

  • ノンネイティブ向けの話だった。
    デジタルネイティブが世界を変えるというより、人が変わっていくからみんなアプローチ変えよう用意しようみたいな感じだった。多くの調査と結論としてアドバイスもあってよかったと思う。

  • いわゆるネット世代が今後世界の中心を担うわけで、これから世界はどうなるんだろう?と考えるのにはいい本かもしれない。
    インターネットの弊害もたくさんあるが、やはり知識は教師が持っているのではなく、インターネットが持っているのである。

  • 読了

  • おすすめ資料 第118回 世代について考える(2010.12.3)
     
    アメリカでは1977年1月から1997年12月までに生まれた世代をネット世代、またはジェネレーションYと称します。
    皆さんの多くが属するこの世代は、幼い頃からあるいは物心付いた時からコンピュータに触れ、インターネットに親しみ、あらゆるデジタルテクノロジーに囲まれて育った世代として、デジタルネイティブとも呼ばれます。
    彼らは、日進月歩のデジタルテクノロジーの世界で、あたかもペンや紙を扱うように新たな技術やデバイスを使いこなすことから、様々な分野で注目されています。
    しかし一方では、自己中心的、読書離れ、政治への無関心、コミュニケーション能力の低下など、悲観的な意見も存在します。

    皆さんは、世代という尺度で自身を見つめたことがあるでしょうか。
    本書は、ネット世代より年長の世代を対象に書かれたものであり、彼らがネット世代への理解を深める手助けとなる良書ですが、一方でネット世代にとっても、自分たちが年長の世代からどのように理解されているのか、また他の世代とどのように異なるのかについて考えるきっかけになると思います。
    それは結果的に、個人あるいは世代としての存在意義を確立し、異世代間コミュニケーションの円滑化に繋がるのではないでしょうか。

    本書は、総額400万ドルをかけて12か国、一万人にインタビューを行ったリサーチプロジェクト「The Net Generation: a Strategic Investigation」の調査結果を元に纏められたものです。

  • 本書でいう「デジタルネイティブ」の定義は11歳から31歳だそうです。辛うじて私も入っていました。PCに対する知識なら10代にも劣らないと思いますが、携帯電話になると足元にも及ばないでしょう。「せめて情報端末としてWSVGA (1024×600)くらい欲しい」と思っているようでは、そのうち置き去りにされてしまうかもしれません。Nintendo-DSの各画面がVGA(640×480)なら端末として理想なのですが、Apple辺りが作ってくれないものでしょうか。

    「ネット世代にとってTVはBGMでしかない。ゴールデンタイムは自分で決める。」という意見には賛成です。PCでHDDに録画してTVを見るようになってから、すっかりCMは見なくなりました。一時は時間節約のため、HDDレコーダに録画して1.4倍速で視聴していました。ニュース番組等は情報さえ享受できれば十分なので。メディア側からすれば甚だ迷惑な視聴者でしょうが、HDDに録画した方が便利なので仕方ありません。

    「生徒を教師にする」という考え方は新鮮でした。確かに、ネットに関する知識は大人よりも圧倒的に子供の方が深いことは間違いありません。かつては、生徒は先生から情報を得ていましたが、今はWikipedia先生がいます。「教師はもはや知識の源泉ではない」のはもっともです。ネットについては、大人は謙虚になって子供から学びましょう。きっと仕事に役立ちます。
     
    ネット世代は「好きな場所で好きなものを買いたい」傾向があるそうです。ネットショッピングではワンクリックでお金を見ることなく買えるわけですから、お金に対するブレーキがかかりにくいのかもしれません。しかし、だからこそ、商品購入の際は「この商品は本当に自分にとって必要なものだろうか」と心で唱えながらクリックする必要があると思います。そうでなければ、不必要に物(特に、有象無象のデジタルコンテンツ)を買ってしまうことにもなりかねません。ネットショッピングの利点は、「二酸化炭素撒き散らしながら物を買いに行かなくても済む」くらいだと思っています。

  • 世代論の一種か。
    ネット世代と呼ぶ30代前半までの若者世代の行動様式にフォーカスを当てた本。

    正直、言われずともという感想。本書のターゲットは上の年代の人かな。

  •  デジタル世代の行動様式について。ごく普通のことしか書いていないようですが、これが驚きなんでしょうか。

  • デジタルネイティブ。現代世代をネット世代と呼び、その世代的特徴とネットを用いた可能性について述べられていた。
    前衛的な記述もあったが、世代的な特徴として同意できるものが多い。
    ぜひ、企業でこの世代を管理する立場の人にも読んでいただきたい。

    最後の、リーダーシップ2.0 新生代のための7つのガイドラインはよかった。

    『デジタルネイティブが世界を変える』
    p457
    リーダーシップ2.0
    1、大学へ行こう
     知識経済の中で、成功していくためは学歴が必要
     一生を通じて勉強は必要

    2、職場では忍耐強くしよう
     すぐに辞めてしまうのではなく、しばらくは会社に留まり、変化のために行動しよう

    3、悪い製品を買ってはいけない

    4、家族で夕食をとろう

    5、経験を無視してはいけない
     何か重要なことの権威者であっても、すべてのことで権威であることはない
     年長世代に教えることも数多くある一方で、彼らから学ぶことも数多くある。

    6、かけがえのない人生の原則に従って生きよう
     人生は一度きりだ

    7、最後まであきらめていけない
     この世代ならば世界をより良くしていくことができるはずだ。
     他者に手を差し伸べ、辛抱強く、理想を実現していこう

  • インターネットが登場した時、「世界が変わる」と予感した方は多
    かったと思います。過去20年で確かに世界は変わってきました。し
    かし、本当の意味で世界が変わるのは実はこれからではないかと思
    います。それは、物心ついた頃からインターネットに親しみ、デジ
    タルなテクノロジーを使いこなしてきた「デジタルネイティブ」達
    がいよいよ社会の中で力を持ち始める時期を迎えているからです。

    その「デジタルネイティブ」達がつくる未来について語ったのが、
    今週おすすめする『デジタルネイティブが世界を変える』です。著
    者は話題の図書『ウィキノミクス』の共著者の一人で、調査会社を
    経営するドン・タプスコット氏です。

    原著のタイトルは"Grown Up Digital"。「デジタルネイティブ」と
    いう言葉は邦題のみの使用で、本文中でもほとんと使われていませ
    ん。替わりに用いられるのが「ネット世代」という言葉。これは、
    米国において1946年から1964年の間に生まれたベビーブーム世代の
    子供の世代で、具体的には1977年から1997年生まれ、今年、15~35
    歳になる若者達のことを指しています。本書は、そのネット世代1
    万人を対象にした大規模調査の結果を踏まえて書かれたものです。

    では、ネット世代とは、どんな特徴を持った人々なのか。本書はネ
    ット世代の行動基準として、1自由、2カスタム化、3調査能力、
    4誠実性、5コラボレーション、6エンターテイメント、7スピー
    ド、8イノベーションの8つを挙げます。

    平たく言えば、ネット世代とは、「自由、特に選択の自由を尊重す
    る。ものをカスタマイズすることを好み、自分だけのものにしたが
    る。生まれながらにして協業が得意であり、一方的な講義よりも対
    話を好む。他人や企業を綿密に調査し、誠実さを何よりも重視する。
    学校でも職場でもおもしろさを求める。スピードが大前提であり、
    イノベーションは生活の一部である」ような人々なのです。

    このような特徴を持つネット世代がFacebookのようなソーシャル
    メディアを通じてつながり合うことで強大な力を持ち、世界に大き
    な影響を及ぼし始めています。既存の企業や家族や学校や国家は、
    これに伴い、好むと好まざるに関わらず、変わらざるを得ません。

    それは、大人達にとっては脅威かもしれません。しかし、ネット世
    代の価値観を受け入れることで、世界はよりオープンに、より善い
    ものになるはずです。だから、ネット世代を批判的に見る前に、彼
    らと対話し、彼らに学ぼう、というのが本書のメッセージです。

    米国では2001年の9.11(同時多発テロ)をきっかけに社会と政治に
    目覚めたネット世代が、オバマ政権の誕生を支えたと言います。そ
    の10年後の日本でも、3.11をきっかけに若者達が社会と政治に目覚
    めています。東北で活動する若者達は、皆当然にデジタルネイティ
    ブで、志を同じくするもの同士がFacebookやSkypeでつながり合い、
    抜群の行動力と社交センスで大人達も巻き込みながら、小さな、で
    も、着実な一歩を踏み出し始めています。

    この若者達の感性や思考や行動をこれからの組織や社会にどう生か
    していけばいいのか。それを受け入れ、適応し、進化させるための
    基盤を作るのが、私達デジタルネイティブになれない大人達の使命
    なのでしょう。本書を読んで改めてその思いを強くしました。

    若者観をいい意味で覆しながら、組織や社会の未来について考えさ
    せてくれる好著です。500ページ近くあり読み応えがありますが、
    親として、上司として、教師として、深く考えさせられる一冊です
    ので、是非、読んでみて下さい。

    =====================================================

    ▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)

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    ネット世代は、インターネットを主に情報を見つける場から、情報
    を共用し、互いの利益のために協業し、困難な問題を解決するため
    の新しい方法を作り出す場へと変革しているのである。

    コンピュータを使う最終目標はパーソナルなものではない。コンピ
    ュータを使うということは個人的な活動ではなく、世界とつながり、
    コラボレーションするということだ。

    今世紀で成功するためには、他者とより強くつながることが必要に
    なる。そして、他者のことを理解し、我々はみなつながっているの
    だという感覚を持つことが必要になる(マーク・ザッカーバーグ)

    ネット世代は、正直であり、思いやりを持ち、透明性を維持し、約
    束を守ることを高く評価する。また、ネット世代は深い許容力を持
    っている。

    ネット世代の頭脳は信じられないほど柔軟であり、適合性が高く、
    マルチメディア向きになっている。

    何を知っているかはもはや重要ではない。重要なのは何を学ぶこと
    ができるかだ。これは、ネット世代がベビーブーム世代と異なる教
    育を必要としていることを意味する。

    企業は、人間関係を作り出し、積極的な参画を奨励し、コラボレー
    ションを行い、共に成長するという新しいモデルを採用すべきだ。

    ネット世代の行動基準を適切かつ効果的に採用した企業は、そうで
    ない企業よりも優れた業績を上げている。

    子供時代から双方向のコミュニケーションに慣れてきたネット世代
    は一方向型のアプローチを受け入れない。ネット世代はマーケティ
    ングと広告に囲まれて育ってきたため、誇大広告を瞬時に見抜くこ
    とができる。

    成功した企業は、これらのソーシャルネットワークにおいて顧客と
    友人になることを目指している。

    今日の若者は、世界を消費の場ではなく、創作の場であると考えて
    いる。

    ソーシャルネットワーキングはソーシャルプロダクションになりつ
    つある。

    私たちは変わらなければならない。ネット世代の対話性、コラボレ
    ーション、他者支援のモデルは正しい方向を示している。

    ネット世代の信頼を得るためには政府は透明でなければならない。

    私はこの世代が世界をより良い場所にしてくれると楽観的にとらえ
    ている。理由は単純だ。彼らは社会問題への関心が高いだけでなく、
    私たちの時代であれば絶対にありえなかったレベルで根本的変化を
    もたらすことができる強力なツールと共に育ってきた最初の世代だ
    からだ。今までにないツールの力を使えば、同世代に情報を提供し、
    参加を促し、力を合わせることができる。

    最も重要な結論は、若者たちは間違っていないというだけでなく、
    ひとつの世代として社会のあらゆる制度を良い方向へと変革してい
    く可能性が高いということだ。

    この事実は、ネット世代が今までで最も社交的な世代であることを
    示している。そして、私が見る限り、彼らはみな大人として成功す
    るために必要な社会的スキルを身につけている。

    人は理解できないものを恐れる。ある意味、大人たちは常に若者を
    信頼してこなかった。(…)
    後からデジタルの世界に移住した「デジタルイミグラント」は、最
    初からデジタルの世界で育っている「デジタルネイティブ」の言う
    ことが理解できない。恐怖を生み出すに十分な材料がそろっている。

    新しい時代に入れば、未来が自動的に来るわけではない。未来は作
    り出すものだ。そして、未来は主にネット世代により作られる。

    私たちベビーブーム世代は、ネット世代、その文化、そして、その
    メディアを受け入れる知恵と勇気を持っているのだろうか。自分た
    ちの経験を生かして、ネット世代がインターネットの暗黒面に落ち
    ないように手助けできるのだろうか。ネット世代にその運命を実現
    する機会を提供できるのだろうか。もし、私たちにこれらのことが
    できれば、私は世界がもっと良い場所になると思う。

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    ●[2]編集後記

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    昨夜、一週間のメキシコ出張から戻ったところです。トランジット
    含めて17時間の旅。やはり地球の裏側は遠い…。でも、裏側に行か
    ないと見えない風景もあります。ここ2年間、断続的にメキシコと
    関わってきましたが、今回は、今まで見えていなかったことが見え
    るようになったという意味で、気付かされることの多い旅でした。

    メキシコは矛盾に満ちた国です。世界一の大富豪がいる一方で、不
    法占拠した路上のバラックの中で最底辺の暮しをしている人達もい
    っぱいいます。4000年以上前から存在した先住民達の豊かな文明は
    白人達によって破壊し尽くされ、その残滓を観光資源にしているに
    も関わらず、人口の10%を占める先住民達はその恩恵に浴すること
    もなく、忘れられた存在として貧しい生活を強いられています。

    グローバリゼーションの光と影が鮮明にあらわれている国、それが
    メキシコなのです。TPPの批准を巡って日本でもグローバリゼーシ
    ョンと向き合わざるを得なくなっていますが、その意味を考える上
    でも、メキシコはもっと日本人が目を向けるべき国だと思います。

    折しも2012年は、先住民のマヤの暦で世界のサイクルが変わる年。
    「世界の終わり」を予言する人もいますが、新しい時代が始まる年だと思いたい
    ものです。今年は色々な意味でメキシコに注目ですね。

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