わたくしたちの旅のかたち

  • 秀和システム
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本棚登録 : 97
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798049144

感想・レビュー・書評

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  • 兼高かおるさんと曽野綾子さん、お二方の、旅にまつわる対談集です。このお二人のどこに接点があるのかしらと思っていたら、お二方とも、学校は違うのですけれど、ミッションスクールのご出身なのですね。ご年齢がお近いこともあって、まるで同窓生のような、和やかな感じのお話ぶりでした。おふたりとも、社会の一線で活躍してきた、トップキャリアで、幼い頃単純に『世界の旅』を見ていて憧れたのとは、また違う感じで本を読みました。

    この方々の旅の経験や、人生の経験は、それは豊かで素晴らしいものです。TVや小説を通して、多くの人にそれを手渡して来られたことは、言うまでもなく、一層素晴らしいです。お二人が名門のお育ちであることを取り沙汰される方もおいでかもしれませんが、時代を考えれば、ある恵まれた人々から、行動のきっかけが生まれ、それが多くの人に広まったことは、不思議ではないのです。

    でも、うーん。お二人が打ち解けてゆくに従って、確かにちらりと、ご自身より下のクラスだと認識してらっしゃる人に対して、若干目線が冷たいような感触を感じました。教育水準も高く、リベラルな考え方もお持ちだと思っていたのですが…。冷たいなって思ったのは、私の錯覚かしら。けれどまあ、それも些細なことです。何故だと思われますか?

    南米・アフリカ・中東…通常私達が行ったことが少ない国での旅。政治のリーダーたちの佇まい。風習や文化に対する見識や経験を、そこから知ることが出来るからです。お二人の魅力的な所、得難い経験を素直に受け取って、では自分も、ここまでとは言わないけれど、海外に行ってみようか、とか、そういう、自分にあった行動が起こせればいいのであって…。面識もない親から二代目のファンが、事細かに印象を悪くするなんて、意地が悪くて馬鹿げている、と私は思うのです。ですから。

    行動的に世界をたくさん歩いた、チャーミングな先輩がいらしたんだなあ。日本を旅するのも、また機会を見て海外に旅するのも、色んなことが落ち着けばいいんじゃないかな、と思いながらページを閉じました。

  • 兼高かおるさんと曽野綾子さんの旅をテーマにした対談。
    対談ものの本をこんなにワクワク楽しい気持ちで読めたのは初めてです。
    兼高かおるさんといえば「兼高かおる世界の旅」(1959~1990年放送)が有名ですが、私も親がこの番組のファンであったため、モノごごろ付くころにはもう当たり前にこの番組を見ていました。
    きっと海外に興味を持つようになったのもこの番組がきっかけだったのだろうな、と今になって思います。

    お二人とも戦後から現代にわたって長年にわたって数えきれないほど旅をされており、その体験談はどれも興味深く感じました。好奇心、知識欲が素晴らしいです。
    その国々の文化・風習の違いなどの違いを受け入れ、尚且つ日本人として誇りをもって海外の方と接しているな、と感じました。
    長年の旅ですから、その国々の変化なども色々感じ取っていることと思います。

    お会いした方々の面々もすごい!
    ケネディ大統領、サルバトール・ダリ、フジモリ大統領、鄧小平‥‥。
    お二人とも語り口がとても上品なのですが、それがちっとも嫌みに感じず自然。

    曽野綾子さんは名前は昔から知っていましたが、恥ずかしながらまだ本を読んだことがありません。キリスト教信者なのでそういった視点での本が多いようですが、こういった旅をたくさんして色んなことを吸収された方はどのような本を書くのか、興味が湧いてきました。

    本当の旅の面白さは、ただ観光地を見て、有名なお店で食事をすることではなく、もっと現地に入り込んで、そこの空気を感じ取ることなんですよね。
    私には好奇心はあったけれど、一歩踏み出す勇気がなかったので、もったいない旅をしてきたなぁ~と思います。

  • 海外が一般的でなかった時代を知っている人の話は興味深い。一方で、海外旅行に行くことが出来るような名門の出ととそうでない人との格差が確実に存在するということも同時に感じた。

  • まだまだ海外旅行が簡単でなかった時代に、世界を飛び回ったお2人。憧れます。

    今は、簡単に旅行できるがゆえに、1つ1つの旅の重みが軽くなってしまっているのかな・・・などとも思ってしまった。

    旅の出会いを大切に、しっかり「見る」「聞く」旅をしたいと思ったのでした。

  • 旅の練度が高すぎて面白い

  • 何十年も前の外大での授業では、「兼高かおる世界の旅」のビデオを毎週観る授業があった。今から考えるとあれだけで授業が成立していたのも驚きだが、確かテープもカセットではなくオープンリールだった様な。
    パンナムが多く登場するのも懐かしい。

  • 「兼高かおる世界の旅」、懐かしい。。。
    上品な話し方が印象に残ってます。
    曽野さんも世界を飛び回ってたことは知りませんでした。
    お二人とも大変な時代に、旅を通じて社会貢献されたんですね。

  • まだ海外渡航が今のように簡単ではなかった戦後。兼高さんは世界の旅のテレビ番組によって、海外旅行という夢を見させてくれました。曽野さんの海外活動について、当時は知らなかったけれど、しばらくしてから、海外について語られる著作が出て、なるほど、と思った次第。
    ビジネスで行く海外は、目的もスケジュールもあたりまえだけどしっかりしているのだけど、もっと地元の人々と触れ合う旅をしてみたい。お二人のお話を聞いていると、異文化交流のコツみたいなものを教えてもらえるだけでなく、そんな気持ちにもなりました。

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著者プロフィール

1928年、神戸市生まれ。1959年から1990年まで、テレビ番組『兼高かおる世界の旅』(TBS系)をナレーター、ディレクター兼プロデューサーとして製作。取材国は約150か国、地球を約180周、1年の半分を海外取材に費やした。1986年から2005年まで、「横浜人形の家」館長を務めた。外務大臣表彰、菊池寛賞、文化庁芸術選奨、国土交通大臣特別表彰など受賞多数。1991年紫綬褒章受章。現在、日本旅行作家協会名誉会長、淡路ワールドパークONOKORO「兼高かおる旅の資料館」名誉館長、東京都港区国際交流協会会長などを務める。著書に『わたくしが旅から学んだこと』(小学館)他多数。

「2017年 『わたくしたちの旅のかたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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