税のタブー (インターナショナル新書)

著者 :
  • 集英社インターナショナル
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797680416

作品紹介・あらすじ

タブー視されている問題を、
税制の基本に立ち返って考える!


宗教法人は、なぜ非課税なのか?
暴力団には、課税できるのか?
政治家は、どうやって税を逃れている?

身近な話では、

社長が従業員を慰労した費用が交際費となる矛盾。
ゴルフ代は必要経費だが、ベビーシッターでは認められない!
国外へ逃げる IT グローバル企業への課税は、なぜ進まない?

まかり通る不公平税制の真因を、税の成り立ちから解き明かす!


【目次より抜粋】
第1章 宗教法人
坊主丸儲け/宗教法人側の主張/宗教法人原則非課税の根拠/ペット葬祭と対価

第2章 政治団体と税
政治家の金の使い道のせこさ/寄附をもらったら/事業を承継したら

第3章 暴力団に課税できるか?
違法な所得は所得か? /上納金は組長の所得か? /推計課税はどこまで可能か?

第4章 必要経費を考える
税務署の「必要経費」概念 /シングルマザーのベビーシッター代/会社勤めの女性との比較

第5章 交際費課税はそろそろやめよう
交際費は「経費」ではない? /交際費の範囲/論文英語添削への協力/社長怒る/麻生改正

第6章 印紙税はいらない!
印紙税トラブル/印紙税という制度/電子契約書/税としての存在理由

第7章 固定資産税はミスだらけ
制度の建前/考え方がおかしい/課税ミスの連続/誰にでもわかる単純な制度に

第8章 酒の販売と免許
選挙は政党を狂わせる/最高裁は合憲か? /安売りすると、免許取り消し/免許がなぜ必要か?

第9章 特別措置は必要か?
贈与いくらまで? /不公平税制批判/透明化法の制定/打つ手があるのだろうか?

第10章 源泉徴収・年末調整
申告納税の歴史/諸外国の源泉徴収・年末調整/もっと簡易で高率の源泉徴収を! /年末調整の廃止を

最終章 国境
租税回避/相続税のない国へ/恒久的施設/インターネット電子取引と消費税/本当の問題点

【著者略歴】
三木義一(みき よしかず)
青山学院大学学長。1950年、東京都生まれ。一橋大学大学院法学研究科修士課程修了。法学博士、弁護士、政府税制調査会専門家委員会委員(2009-2013)。民間税制調査会座長。税の御意見番として、雑誌・新聞メディアによる取材多数。著書に『日本の税金 第3版』 『日本の納税者』(共に岩波新書)など。東京新聞に「本音のコラム」連載中。

感想・レビュー・書評

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  • 税制の不平等がわかりやすく書かれている。

  • 印紙税はマジでいらんなと思った。

  • 学者の思想を噛み砕いた本。
    実務性には欠ける

  • タクシーの領収書にはGPSコードがあり場所位置を調べることができる(政治家の不正利用で発覚)という。よって不正に場所位置を提示できない。それにしても政治家の活動費、非課税対象は緩すぎる。政治家を制する「政治家監視委員」なるものが是正しなければいつまで経っても「金がまつわる疑惑」の問題が残り続けると思う。

  • それぞれの章の主な内容は以下のとおり。
    第1章 宗教法人と税
    第2章 政治団体と税
    第3章 暴力団と税
    第4章 所得税と必要経費
    第5章 法人税と交際費
    第6章 印紙税の過怠と過誤納
    第7章 固定資産税の過大徴収と国家賠償請求/賦課課税と申告納税
    第8章 酒類販売業免許と職業選択の自由
    第9章 租税特別措置法
    第10章 源泉徴収と年末調整
    最終章 租税回避と国際課税/PE課税/電子商取引

  • 税金といえば、確定申告でいくばくかの還付を受けた分は、ほとんど酒税で相殺‼

  • 読みたくて結構前から買おうと思っていて、ようやく買って読んだ。難しい税金の話も意外な切り口で書かれており、読みやすかった。ホントに税金は奥が深い。自分に関係がある話しとしては、交際費の話しが勉強になった。でも途中よく分からなくなってきた…まだまだ勉強不足か。

  • 税金のしくみって本当にわかりづらいですね。

    この本でも説明されている必要経費に関しては法律でしっかり決められているというよりは税務署の取り方次第という気がしてなりませんね。

    他にも宗教法人や政治団体、暴力団などに関わる税の話など中身が複雑でなかなか理解したとは言い切れないけど面白かったです。

  • 宗教法人が非課税になっている(収益事業は課税ということも)理由、印紙税創設の経緯、源泉徴収と年末調整という制度が導入された経緯と諸外国の現状など、様々な税制のあるべき姿を問い直す本となっている。

    それぞれの税制について、そのそもそもの経緯や意義を振り返ることから始めているため、制度の骨格についてもわかりやすく理解できた。

    一方で、導入された当初の社会背景や経済の仕組みが現在では変わっているのに、制度だけが残りさらにそれを微調整し続けている事例が多く、その結果、「公平・中立・簡素」といわれる税の原則からは程遠い状況になってしまっていることもよく分かる。

    筆者が本書の中の多くの項目で提言するように、微調整ではなく、根本的に複雑怪奇な制度を改め、シンプルにしていくことも必要なのではないかと感じた。納税者として、そのような意識を持ちながら税に関する議論を見ていきたいと思う。

  • やや偏りのある意見だなとは思ったものの、非常に面白く読めた。深掘りしたい論点なども見つけたのでためになる本だった

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著者プロフィール

青山学院大学前学長,弁護士

「2024年 『よくわかる税法入門〔第18版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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