栃木リンチ殺人事件: 殺害を決意させた警察の怠慢と企業の保身 (新風舎文庫 く 112)
- 新風舎 (2005年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797498325
感想・レビュー・書評
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1999年に発生した栃木リンチ殺人事件の全貌に迫るルポルタージュ。サブタイトルにある通り、警察の怠慢と企業の保身が悲劇を生んだ。そして、犯人達の親もそれに加担した。なんとやるせないんだろう。淡々とした文章から筆者の怒りを強く感じる。
被害者は優しく真面目で素直な少年。もちろん不良少年ではない。そんな被害者の少年が鬼畜のような不良グループに脅され、数ヶ月にも渡り拉致され、700万円を超える金銭を奪われ、暴行の末に殺害される。異変を察知した両親が警察に相談するも、全く相手にされない。しかも、被害者少年の働く企業も犯人が同じ企業の従業員と知るや、揉み消しに入る。その企業には、事件処理担当の警察OBが天下っているという信じられない状況。もし、警察が早期に動いていたら、少年の生命を救えただろう。加害者の親も息子の悪行を信じず、自首しようとした一人の加害者の少年の親に至っては、自首を反対したというから唖然とする。こんな四面楚歌の状況で、なんとか息子を救おうとした両親の怒りと哀しみは計り知れない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
栃木リンチ殺人事件―殺害を決意させた警察の怠慢と企業の保身。黒木昭雄先生の著書。本書を読むと警察の怠慢でこのような悲惨で残酷な事件が起こってしまったと思わざるを得ません。警察は怠慢だと非難されるのではなく、社会全体から頼られて尊敬される存在であってほしい。
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もしこの本の内容が真実ならば、日産みたいな会社は大規模な不買運動実施して潰してしまった方がいいな。
とりあえず日産車はもう二度と買わないし過去二台日産車を乗り継いだ事を非常に公開してる。
怒りしか残らなかった。 -
栃木で起きた未成年によるリンチ殺人事件。被害者の両親の再三の訴えにもかかわらず、警察が動かずに悲劇がおきてしまった。
なんで警察は動かなかったのか。元警察官である著者がその事件の真相に迫る。 -
今の日本の悲惨さというか、夢も希望も無い現実。まさにノンフィクションなんだろう。
これは、いい人と呼ばれる心優しい人は読むべきではないかもしれない。
惨い。
優しいとは強さを伴わないと惨いことなのかもしれない。
想像力がない犯人の少年は、親馬鹿という大人が作り上げた悪魔なんだろう。
警察も巨大企業(日産)もエゴイストな馬鹿が作り上げた悪魔なんだろう。
真実の話だと信じたくない甘えた現実を見たくない自分が居る。
涙が流れないほど惨い現実。
救いが欲しかった。
作者は救いを残してくれなかった。
それが残念なリアルの現実なのかもしれない。