「ロウソクの科学」が教えてくれること 炎の輝きから科学の真髄に迫る、名講演と実験を図説で (サイエンス・アイ新書)
- SBクリエイティブ (2018年12月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797397482
作品紹介・あらすじ
目に見えるもの、見えないものをどう考えるか?
歴史的名著を“今までになく”わかりやすくした本
1860年の暮れ、イギリス・ロンドンにある王立研究所の一角に、たくさんの少年少女、そして大人たちが集まりました。ある人の登場を今か今かと待っています。その人は当時69歳だったマイケル・ファラデー。「もしもファラデーの時代にノーベル賞があったなら、彼は少なくとも6回受賞していただろう」と言われるほど、多くの業績を上げた化学・物理学者です。やがて現れた偉大な科学者は、1本のロウソクを手に、優しく、そして楽しげに語り始めました……。
この講演、“The Chemical History of a Candle”は書籍にまとめられ、日本でも『ロウソクの科学』としてベストセラーになりました。産業革命によって大きく時代が動いた当時と同じように、現代にも通じる知恵がつまった歴史的名著です。本書では、今までの国内翻訳書にはない、再現可能な実験の写真や図解を掲載し、完訳ではなく抄訳によって、話の流れをわかりやすくしています。
話中では、「ロウソクはなぜ燃えるのか?」「燃えている間、何が起きているのか?」という謎が解き明かされる過程で、空気や水、金属、生物といった、この世界を形作るものの仕組み、美しさもつまびらかにされていきます。化学や物理の知識が得られるだけでなく、面白い実験やエピソードを楽しみながら、科学的な思考法に触れられる1冊です。
感想・レビュー・書評
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ノーベル化学賞を受賞した吉野彰博士が言及したことで話題になった「ロウソクの科学」の解説書。
同じく化学賞受賞者であり監修者の白川秀樹博士の言葉にある通り、「ロウソクの科学」はちょっと古く、また図解も少ないので、娘にはこちらの方がよいと思い、手にしました。
まず、「ロウソクの科学」の内容が素晴らしいです。
火が燃えるという事はどういう事なのか?そこから、元素、化学反応、酸化、生命活動とどんどん世界が繋がりながら広がっていくファラデーの講義はとても面白いです。
この本では、その中で行われた実験の様子などをカラー写真で解説してくれるので、娘も飽きる事なく興味を持って読んでくれました。
お薦めです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ロウソク一本でこんなに面白く楽しく読めるとは思いませんでした。
燃えるってわかってるようで全然わかってなかったです。 -
#ロウソクの科学 は、#科学 や #化学 のおもしろさだけじゃなく、#ファラデー さんのひたむきさ、真面目さ、優しさ が伝わってくる。
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ファラデーの『ロウソクの科学』は、ずいぶん前に、少しだけチラ見したことがあった。ノーベル賞を取ったりした、色んな有名な科学者が、中高生時代に、その面白さにのめり込んだ、といったような記事を見たからだったと思う。
ただ、その時に感じたのは、「これ、けっこう難しくないか?」という印象である。中学生の頃から、これを面白いと思って読んでいた人たちは、やっぱり初めから科学が好きで、これにのめり込めるくらいには、頭が良かったのだなあ、と感じた記憶があった。
今回、この本を読んで、元の『ロウソクの科学』も再読してみたいな、と思う。
ロウソクの科学で紹介される実験で明らかにされるのは、どれも中学生くらいまでには学ぶような、比較的簡単な実験ばかりだ。ロウソクを燃焼させると、水と二酸化炭素が発生する。空気の中には、酸素と窒素がある。などなど、結論だけを並べれば、常識に近く、退屈である。
ただ、ファラデーの面白さは、そうしたものを、今まで考えてもみなかった簡単な実験で「見せる」ことにある。
個人的に最も印象に残っているのは、序盤で紹介される二つの実験だ。
「熱のありか」という実験では、ロウソクの火に厚紙を当てると、紙は円形に焦げて、実は、炎の中心には、それほどの熱がないことが分かる。
「ロウソクを引く」実験では、曲がったガラス管の先をロウソクの中心部にあてると、反対側の出口に火がつき、炎の中心部には、燃焼する気体が生じていることが分かる。
この二つの実験は、とても簡単なものだが、全く知らなかった。ロウソクに火がつくという、誰でも知っているような出来事も、言われてみると、その炎がどういった仕組みで燃えているのか、よく分かっていない。そうしたことに、本当に簡単な実験で気がつかせてくれる手つきが、楽しい。
『ロウソクの科学』は元々、1860年のクリスマス、イギリス・ロンドンの王立研究所で行われた青少年向けの講演録だという。小中学生くらいの子どもたちが、クリスマスの日に、研究所に集まり、科学の講演を聞く。しかも、そこには、研究者も含めた多くの大人もいた。
今では到底考えられない状況だが、当時の子どもたちにとって、それだけファラデーの見せた「科学」が、「見てみたいもの」だったのだろう。そして、それは、子ども騙しではなく、大人が見ても楽しいものだった。
その様子を想像するだけで、少し嬉しい気持ちになる本だった。 -
中学校の理科で学習する内容が、ろうそくの科学で多く学べることがわかる。しかもこれが約160年前に発見されていたということが驚き。先人たちによって受け継がれてきたものの上に現代社会が成立していることを痛感させられる一冊だった。
マイケル•ファラデー、科学者としてだけではなく、教育者としても魅力的な方だったんだろうな。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/743887 -
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50129265 -
ファラデーの想いがよく汲み取られた、現代向けの解説本。
自宅のキッチンで実験を再現できるよう工夫されているのが嬉しい。
高校受験や、遅くとも高校2年生までに出合えていればよかったと思える本。
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読む前に想像していた以上に多くの実験を行っていたし、講演の組み立てがとても巧みで参考になる。ファラデーの科学をわかりやすく伝える姿勢。
ファラデーの時代に、何がわかっていて、何がわかっていないのか、を考えながらよんだ。 -
一本のロウソクからこんなにたくさんのことが学べるなんて!
図や写真が多いので内容もわかりやすい。
科学にあまり関わらない人も聞いたことのある名前しか出てこないので、みんなが興味を持てると思う。
こんな講演、実際に見てみたかった。