- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797371284
作品紹介・あらすじ
より開発を楽しく、より価値の高いソフトウェアをつくる方法を学習。
感想・レビュー・書評
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メーカーの方が書いているだけあって、メーカーで働く自分にはとてもわかりやすい例が多い。
アジャイルの目的は「価値」の最大化(p.33)
「アジャイル開発をやること」が目的になったら失敗(p.62)
「いま、いらないでしょ?」(p.106)←ミドルだと一概にこうも言えない。
アジャイルではコードを共同所有して、役割を固定化しないことが大切(p.131)
バグレゴ(p.151) -
アジャイルは「考え方」「姿勢」であり、「手法」として捉えると失敗するということがよく分かった。かつては要求はほぼ決まっており仕様の変化もあまりなかったが、要求が曖昧であり仕様も大きく変化するのが現在のソフトウェア開発の状況である。また、ユーザの使用感も重要な要素であり、その手直しも非常に多い。そういう状況であるにもかかわらず、開発する側が変わらないというのはやはりおかしく、アジャイルという考え方を導入するのは理にかなっていると言える。とはいうものの「変化を嫌う」風土は根強く、特にマイコンではその傾向があるように思う。しかし、マイコンこそアジャイルを適用すべき領域であるように感じた。マイコンは一度製品として出荷されるとアップデートが困難であり、また実際に動作させてみないとどのような結果になるのかわからないという側面もある。そのため頻繁に仕様変更が発生するが、細かくタイムボックスを設定することで顧客、開発側双方で柔軟な対応ができるのではないかと思う。
本書はアジャイル開発の教科書名乗っているだけあり、プラクティスの解説も充実しているが、特に「テスト駆動」と「リファクタリング」の解説は非常に丁寧で充実している。これはアジャイル開発の根幹ともいえるプラクティスであると同時に誤解を招きやすいプラクティスでもあるからではないかと思う。誤解を招きやすいといえばドキュメント作成もその一つであり、それについても「何故作らないか」に加え、「どんなドキュメントを作るか」を取り上げている。
アジャイル開発は強力であるものの誤解も多い開発手法である。その誤解を解き、どのように導入すればよいのかを知る手がかりになる1冊である。 -
感想として一番思ったことは,丁寧に書かれた本だなぁということです.アジャイルなソフトウェア開発の初学者向けの導入を構成しながら,中盤から後半にかけて多くのノウハウを披露している点は,初学者だけでなく実際にアジャイルな開発をおこなっている人々も多くのことを学べると思います.
また,「アジャイルを現場に定着させよう」のように,特定技法ではなく考え方を,開発現場で展開・定着させることにフォーカスを当てて話を述べているのは,他ではあまりなく,珍しく貴重ではないかと思います.
展開・定着に向けたワークショップも8つが具体的な方法まで紹介されており,素振りなどをやっていこうと思います.
ということで,この本は,アジャイルなソフトウェア開発の初学者および開発現場で展開・定着を考えている人におすすめしたいと思います. -
・アジャイルの各手法に分かれず、考え方を理解できる
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レビュアーとしてお手伝いさせていただき、献本頂きました。2013年の正月休みはドラフト稿を読んで過ごしたのは良い思い出:-)
もちろん、レビュー時にひと通り読んでいるのですが、出版から1年以上経ってようやくあらためて通読したので記録のため。
これまで、訳書が多かったこの分野の本ですが、前川さん、西河さん、細谷さん、という日本の実践者たちが自分たちの言葉で書いたというところにも価値があると思います。現場に一冊、携行をオススメ。 -
「アジャイル開発の教科書」の名前の通り、既存の開発と比較してアジャイル開発のメリットを挙げている点や、アジャイルという概念だけで理解するのが難しいことを前提として、どのような形で組織やチームに浸透させるか、ワークショップや日々の心がけなどにも書かれており、わかりやすいものだった。
反面本質を説明する前にわかりやすさを示すために卑近な例を挙げて説明している箇所が、個人的には回りくどく蛇足に感じた。
人によってはそれがあるのでわかりやすいという見解もあるかもしれないが、ただ読む分量が増えているだけという印象を持ってしまったため、☆3つと思いました。 -
日本のソフトウェア開発現場に向けてアジャイル開発を解説されている本です。
この本の特徴としては、アジャイルな場を活性化させるためのワークショップが紹介されているところだと思います。ただ一方で、この本自体は堅苦しい感じで少し読みにくかったのが残念です。
書かれている対象が同じでも「アジャイルサムライ」の方がノリがよくて読んでいてやってみようという気になりました。 -
コンサルに行って返答に困る質問の一つに「うちの開発は今V字モデルです。あきやまさんはウォーターフォールの人と聞いていますが、そろそろうちの開発もアジャイルに移るべきでしょうか?」というのがあります。
ちょっと質問してみると、V字モデルではないことがすぐに分かるので、“ああ、アジャイルを導入したら魔法のようにコストが抑えられ、納期が短縮したうえで品質の高いソフトウェアが開発されると夢見ているんだな”と思います(心の中だけで口には出しません)。
ま、そんなことは、ないわけで、これまで経験したことを話します。
「開発者の技術力とモチベーションが大切です」とか「アジャイル憲章はいいですね」とかそういう話です。
さて、本書はアジャイル開発を実践されている人が平易に書いた本です。読みやすいし、グッとくる記述もおおいです。
でも、本ではなく講演で耳から聞いた方が良いと思いました。