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- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796703321
作品紹介・あらすじ
戦後歴史学を「内破」して歴史認識のパラダイムを転換させた三人の歴史家たち-網野善彦、安丸良夫、二宮宏之の思索の跡をたどり、そこに新たな歴史認識に向かうどのような構想力が作動していたかを明らかにする。加えて、歴史の可能性を求めて、彼らと同時代を生きてきた著者自身の研究の軌跡も詳述。
感想・レビュー・書評
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歴史学が単なる事実の解明ではなく、人間の本質を追究する人間論思想であることを痛感した。日本中世、日本近世、仏16世紀、仏近代を専門を異にする4人の歴史学者たちだが、共通点は歴史の全体性を強調していること。1972~4年頃が歴史学のパラダイム転換点となったことが各分野で同時多発に起こったようだが、マルクス主義からの脱却ということになるのだろうか。全員が大塚久雄・高橋幸八郎史学の影響からスタートし、そこからはみ出していったことが理解できる。まとめで著者が書いているように。「網野の歴史認識、歴史叙述法を検討することは専門外の歴史研究者にとっても一般読者にとっても可能であるし、必要である」という著者の言葉がこの本の存在意義だと思う。
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網野善彦、安丸良夫、二宮宏之、喜安朗という大家の歴史研究を通して、先行世代が直面していた「戦後歴史学の課題」について、喜安先生の視点から論じられている本。
再度歴史学の社会における「場」を再考する必要を感じさせる。
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