最後の証人 (宝島社文庫) (宝島社文庫 C ゆ 1-3)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796683647

作品紹介・あらすじ

元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。犯罪の背後にある動機を重視し、罪をまっとうに裁かせることが、彼の弁護スタンスだ。そんな彼の許に舞い込んだのは、状況証拠、物的証拠とも被告人有罪を示す殺人事件の弁護だった。果たして佐方は、無実を主張する依頼人を救えるのか。感動を呼ぶ圧倒的人間ドラマとトリッキーなミステリー的興趣が、見事に融合した傑作法廷サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 佐方貞人シリーズ、一作目です
    あ〜面白かった〜!( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )♡
    シリーズものの一作目は身構えてしまうのですが、これはすらすらと〜っても読みやすいദ്ദി˙◡・)
    色々な方が好きだと仰る理由がわかりました

    『慈雨』もそうだったのですが、柚月さんは人物描写がとても丁寧なんですね
    だからそれぞれの登場人物の立場や心情がわかりやすく、話の中に惹き込まれてしまうのです
    事件そのものよりも、経緯や動機、人間模様に焦点があり、気負いなく落ち着いて読めました

    事件は単純でわかりやすいのですが、被告人と被害者がどちらなのかなかなか明かされなく、想像する楽しみもありました

    執念と粘りが運を呼ぶ
    タイトル通り「最後の証人」が鍵となり、その辺りから一気に弁護士佐方が波に乗って行きます
    そして最終弁論で声を張り上げた彼の言葉が事件の全てを語るもので素晴らしく、決めゼリフを放ったヒーローの様に格好良かったです٩(៸៸›ᴗ‹៸៸)۶

    ヤメ検の佐方弁護士の、罪の本質を見抜いていくぶれない信念に魅了されました
    また面白いシリーズものに出会えました。✧。・゚
    次作も楽しみです

    おすすめしてくださったyyさんとヒボさん♡
    ありがとうございます♪

    • ヒボさん
      ツタバって言うんですね‥σ(๑• . •๑)?
      次回から使いますね…φ(..)メモメモ

      工場夜景、本当は冬の寒い時期にって思ってたんですが...
      ツタバって言うんですね‥σ(๑• . •๑)?
      次回から使いますね…φ(..)メモメモ

      工場夜景、本当は冬の寒い時期にって思ってたんですが...
      でも、絶対に行きますよ~
      いつか、きっと、そのうちに...(笑)

      マ~リンル~ジュで~♬*°
      いいですね♪

      2024/03/16
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      ヒボさん
      「ツタバ」使ってみてください
      私も使ってみます
      でも「何それ?」って言われそう笑
      冬はまたすぐやって来ます!
      工場夜景是非とも!
      ...
      ヒボさん
      「ツタバ」使ってみてください
      私も使ってみます
      でも「何それ?」って言われそう笑
      冬はまたすぐやって来ます!
      工場夜景是非とも!
      サザンの「秘密のデート」〜♪♪
      あの曲大好きです
      マリンルージュ、大黒埠頭、シーガンディアン…どれも実在です
      2024/03/16
    • ヒボさん
      シーガーディアンって、ニューグランドにあるんですね!!

      ル・ノルマンディは横顔にいる間に絶対行こうと思っているので、ディナーで行けたら寄っ...
      シーガーディアンって、ニューグランドにあるんですね!!

      ル・ノルマンディは横顔にいる間に絶対行こうと思っているので、ディナーで行けたら寄ってみたいです(((o(*゚▽゚*)o)))

      きっとランチしかムリですが(>_<)
      2024/03/16
  • 佐方貞人シリーズ1作目の作品。
    期待通り!
    三週間前にシリーズ2の「検事の本懐」を読み終えて
    図書館で借りられるのを 首を長くして待っていました。
    時系列で言うと、シリーズ2の方が過去の話。
    なので、順番が違っても充分楽しめました。

    ホテルで起きた殺人事件。
    誰がどう見てもしっかり証拠が残っている被告人。
    にもかかわらず、本人は無罪を主張。
    佐方は、被告人が減刑でなく無罪を主張している点に目をつけます。
    真実を追求する甲斐のある「面白い事件だ」と直感。

    シリーズ2(つまり過去)では検察官だった佐方ですが、
    この作品では ヤメ検 弁護士になっています。
    彼の優秀な女性事務員の小坂千尋と、彼と対峙する女性検察官の庄司真生。
    佐方を挟んで、彼女たちの敵味方のやり取りも面白い。

    また、裁判と並行して、七年前に起きた交通事故が語られます。
    この交通事故は今回の裁判と密接な関係があるのですが、
    読者には 最初からその繋がりが明らかにされます。
    ところが、物語を半分過ぎた10章まで、ずっと違和感が残ったまま。
    11章でさらりと触れられる ある記述で、その種明かしがされます。
    「わおっ」とびっくり。(書きたいけどネタバレになる)
    最初から最後まで、ずっとワクワクドキドキでした。

    途中、佐方が検察官をやめた理由も語られます。
    地検を去ったのも、ほぼ敗けが見えている裁判の弁護を引き受けるのも
    佐方の 不器用な程に 真実と正義にまっすぐな姿勢によるものです。
    ニコチン中毒で見た目はイケていないようですが、
    心根は 迷いがなく清々しい佐方です。

    最後の最後に、事務員の小坂千尋さんがとった行動には感動です。
    彼女も、素敵。
    シリーズ3の「検事の死命」は、まだ貸し出し中。
    また、首を長くして待つことにします。
    こうやって待つ時間も楽しい!

  • 出先で読んでいるにも関わらず、めちゃくちゃ感情移入して目に涙を溜めてしまった 自宅でひとりで読んでいたら溢れていただろう だれかに最近なにかおもしろい本あるかと聞かれたら、いまはまずこの作品の名前を伝えたい それぐらいよかった

  • 不遜な言い方をあえてすれば、とてもよく出来ているミステリーだった。ぐいぐい惹き込まれた。なかなか騙されない私も、ついつい思い違いをして読み進めていたよ。巧いなぁ。きっとみなさん面白いと口を揃えていうのではないかな。人間の情念が渦巻いている感動作。

  • 最高!
    久々に泣いたし面白かった。
    読みやすいし何よりドラマチックな展開なので、
    リアルさを求めなければほとんどの人が面白いと思うのでは。

    プロローグからの一章で被告人と被害者は読めたけど、その仕掛けがこの小説の面白さではないから、例え仕掛けがわかっても、そこから更に展開が二転三転と続くので、手が止まらず一気読み。

    無駄のない文章に300ページ程度の短さで、これだけ感情移入できる巧みな人物描写。


    被告人がこれだけ無罪が嬉しくない裁判ってあるのかね〜?

  • 佐方貞人シリーズの第1作目。復讐完了!!息子を車で轢き殺された犯人を息子夫婦がどうにかして犯人に復讐する壮絶・悲壮感漂うストーリー。私はかつてこんなに劇的な復讐本を読んだことはなかったかなぁ。最後の裁判では「誰が被告人?」と、ものすごーく引っ張られ、被告人が分かった瞬間一気に靄が一掃された。美津子の人生の最終幕の散り際、悲しいが達成感を持ったのではないか?美津子の達成感を一緒に共有し、涙してしまいました。とても斬新な展開に一気読みでした。柚月さん、初読みですが、また読みたい本が増えてしまいました。

  • 面白かった。

    けど、なんとも悲しくなる話。
    こんなこと起きて欲しくないと。
    悲しすぎる。

  • 久々の柚月裕子さんの作品、期待以上の内容で大満足でした。

    物語の主人公は元検察官で刑事事件専門の弁護士・佐方貞人。

    すなわち、法廷ミステリーとして本作は構成され、幕をあけます。

    そんな佐方のもとに飛び込んできたのは、殺人事件の被告人からの自らの無実を勝ち取る弁護依頼。

    ホテルの一室でおこった殺人事件の真実を解き明かすミステリー作品であればここまで惹き込まれることはなかったのかも知れません。

    視点がかわり、そこに描かれるのは最愛の息子である卓を交通事故で失った高瀬光治と美津子夫婦の苦悩。

    唯一の事故の目撃者である卓の友人は赤信号をムシして車が突っ込んで来たと言い、運転手は酒に酔っていたと言う。

    しかし事故を起こした加害者(島津)は不起訴となり、警察からは卓が信号をムシした為に起こった事故だと告げられた。

    理不尽な警察に対する何故?を胸に抱えたまま卓の7回忌当日に偶然に加害者である島津と再会した光治は島津が発した言葉により事故の真実を知る。

    時を同じく美津子を襲う病との連鎖により高瀬夫婦は卓の無念を晴らすことを決意。

    そう、それがホテルで起こった密室殺人事件。

    物的証拠に状況証拠も含めてその場を立ち去った島津による犯行かと思われた。

    公判3日目の検察からの求刑の後、弁護側の最終弁論を促された際に弁護士の佐方が求めたのは「証人をひとり、この場に立たせていただきたいのです」


    「最後の証人」により証言された7年前の真実。

    その後、言い渡された島津への判決「被告人は無罪」。

    明かされた今回の密室殺人は文字通り命をかけた美津子の自作自演。

    しかし、裁判官は島津に「今の時点において、被告人は無罪ですが、これから本事件に深く関わっていると思われる七年前の事故の再調査がはじまると思われます」。

    そして判決の最後をこう結ぶ。

    「この事件は、まだ終わっていません。新たな局面に移っただけです。被告人はそのことを、心に深く刻み忘れないように」「判決は以上です」。

    人の心理をここまで見事に描ききった作品にはそうそう出会えない。

    そんな作品でした。

    説明
    内容紹介
    書店員さんや書評家など、多くの方から絶賛された傑作法廷ミステリーが、待望の文庫化です! 元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。そんな彼のもとに、殺人事件の被告人から弁護依頼が舞い込む。高層ホテルの一室で起きた刺殺事件。男女間の愛憎のもつれの末の犯行であり、物的証拠、状況証拠から有罪確実だとみられている。しかし佐方の本質を見抜く勘が、事件の裏に何かがあると告げていた。有罪必至の弁護を引き受けた佐方の勝算とは何か。やがて裁判は驚くべき展開をみせる! 『このミステリーがすごい!』大賞受賞作家による、衝撃の話題作!
    内容(「BOOK」データベースより)
    元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。犯罪の背後にある動機を重視し、罪をまっとうに裁かせることが、彼の弁護スタンスだ。そんな彼の許に舞い込んだのは、状況証拠、物的証拠とも被告人有罪を示す殺人事件の弁護だった。果たして佐方は、無実を主張する依頼人を救えるのか。感動を呼ぶ圧倒的人間ドラマとトリッキーなミステリー的興趣が、見事に融合した傑作法廷サスペンス。
    著者について
    柚月 裕子 (ゆづき ゆうこ) プロフィール
    1968年、岩手県生まれ、山形県在住。第7回『このミステリーがすごい !』大賞受賞、2009年、『臨床真理』(宝島社文庫)でデビュー。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    柚月/裕子
    1968年、岩手県生まれ。第7回『このミステリーがすごい!』大賞受賞、2009年、『臨床真理』(宝島社文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 非常にテンポの良いストーリー展開と上手い仕掛けに夢中になり、一気読み。主人公の弁護士、佐方は途中まで鳴りを潜めているのだが、終盤に表舞台に出て来ると俄然話が面白くなる。

    また、物語の中には様々な事件により人生を弄ばれた人物が登場し、読者の気持ちに揺さぶりをかけて来るあたりが上手い。

    驚いたのは途中まで法廷で一体誰が裁かれているのか明かされていないこと。可能性のある人物が何人か登場する。被告が誰か解った時から事件は大きく動き、一気に結末へと盛り上がりを見せる。

    『臨床真理』も面白かったが、この作品も非常に面白い。

  • 2022.4.10読了
    間違いなく面白い。
    ストーリー自体も一筋縄ではいかず、あっと言わせる仕掛けが施されているし、登場人物の慟哭や悲哀も胸に迫るものがある。
    文庫本にして300ページ強の中に、これだけの内容が描き切られているのは圧巻だとしか言いようがない。

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚月裕子の作品

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