はやぶさ、そうまでして君は〜生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796678919

作品紹介・あらすじ

人類初の快挙、サンプル回収に成功!「はやぶさ」生みの親・川口教授がはじめてすべてをつづった!日本の宇宙開発の歴史を変えた、前人未到のプロジェクトの全容がここに。

感想・レビュー・書評

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  • はやぶさ初号機についてそのプロジェクトマネージャー自らが語った本の中でも一番初期に出版された原点。
    これの前に読んだ「のぞみ」の話に「軌道の魔術師(みたいな感じ。正確には失念)」としても出てきた川口氏が一般向けを非常に意識した平易で冷静なトーンでまとめている。おかげでとても読みやすい。科学的な報告書はお仕事としてちゃんと出ていて公表もされているのだから、そういう方向の興味がある場合はそちらを読めばいいわけで、はやぶさの一生を親の立場から語る、という一貫した姿勢で正解だったのだろう。
    そのおかげか、科学者でありながら論理性を超えた一種の親バカ的な感慨が抑えきれず出てくるところがかえってとても好印象で、これを読んだらそりゃあはやぶさの映画作りたくなっちゃうよね、と変な方向で納得した。

  • はやぶさのPMだった川口先生が、
    プロジェクトの一部始終を綴られています。
    大変読みやすい本ですが、
    最初から涙が止まらず、
    なかなか進みませんでした笑

    なぜ、地球に帰ってきた
    はやぶさが、あんなにも美しく
    夜空に輝いたのか、
    心からわかった気がしました。
    夢というのは、分かりやすく
    人間の生きる希望なんだなと。

    はやぶさプロジェクトの
    経験を通して、川口先生が
    愛国心や1番になる意味など
    色々ためになることを書かれて
    いるので、ぜひ読んでみてください。
    名著です。

  • 「はやぶさ」の帰還に感動したのは今から約10年前の2010年6月13日。

    そこから遡る事約7年の2003年5月9日に「はやぶさ」を乗せたロケットは打ち上げられ、往復60億㎞の旅に。

    様々なトラブルに見舞われながら、ゴールである地球への帰還を諦めずに著者であるプロジェクトマネージャーを中心に、悪戦苦闘を繰り返した多くの技術者と「はやぶさ」の実話。

    幾多の苦難があった人類初のプロジェクトの実話には多くの感動を覚えた。

    そこには「はやぶさ」がボロボロになりながらも皆んなの期待に必死に応えようとしている姿が描かれていました。

    「はやぶさ」にとって帰還とはすなわち大気圏突入と共に跡形も無く燃え尽きてしまうこと。

    タイトルにある「そうまでして君は」と言う一言に生みの親である著者と「はやぶさ」の絆を感じる事が出来ました。

    何気に手にとり、読んだのは「はやぶさ」の後継機である「はやぶさ2」が地球への帰還を目指している2020年。

    不思議な縁だと思いながら、「はやぶさ 2」の帰還を応援したいと思います。

    説明
    内容紹介
    「大気再突入で燃え尽きてしまう運命であるにもかかわらず、どうして君は、これほどまでに指令に応えてくれるのか」——「小惑星探査機はやぶさ」の生みの親である川口淳一郎教授が、JAXAのホームページに寄せたはやぶさへのメッセージです。2009年11月、すべてのイオンエンジンの寿命がつき、地球帰還を目前に運用停止に追い込まれたのち、奇跡的にエンジンが復活したとき、川口教授は深い愛情と熱い想いをメッセージに込めたのです。本書はプロジェクトをゼロから進めてきた川口教授による、「はやぶさ」のすべてがわかる初めての著書です。
    内容(「BOOK」データベースより)
    人類初の快挙、サンプル回収に成功!「はやぶさ」生みの親・川口教授がはじめてすべてをつづった!日本の宇宙開発の歴史を変えた、前人未到のプロジェクトの全容がここに。
    著者について
    川口 淳一郎 (かわぐち じゅんいちろう) プロフィール
    宇宙工学者、工学博士。1955年青森県生まれ。京都大学工学部機械工学科を卒業後、78年、東京大学大学院工学系研究科航空学専攻に進学。83年、同博士課程を修了後、旧文部省宇宙科学研究所に助手として着任。88年に助教授、2000年に教授に就任。ハレー彗星探査機「さきがけ」「すいせい」、工学実験衛星「ひてん(MUSES-A)」、火星探査機「のぞみ」などのミッションに携わり、「はやぶさ(MUSES-C)」では、プロジェクトマネージャーを務める。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    川口/淳一
    宇宙工学者、工学博士。1955年青森県生まれ。京都大学工学部機械工学科を卒業後、78年東京大学大学院工学系研究科航空学専攻に進学。83年、同博士課程を修了後、旧文部省宇宙科学研究所に助手として着任。88年に助教授、200年に教授に就任。ハレー彗星探査機「さきがけ」「すいせい」、工学実験衛星「ひてん(MUSES‐A)」、火星探査機「のぞみ」などのミッションに携わり、「はやぶさ(MUSES‐C)」では、プロジェクトマネージャーを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  •  小惑星探査実験機「はやぶさ」が地球に帰還して半年、様々な関連書籍が出ましたが、やはり、はやぶさプロジェクトの中心人物であったこの方が書かれた――― となると、言葉の一つひとつの重さが違うように感じられるのが人情でしょう。
     美文ではありませんが、平易な親しみやすい語り口調で、はやぶさプロジェクトの意義、目指したもの、そしてどこに着地地点を定めないといけないのか、ということが静かに熱く紡がれています。プロジェクト内部の人間だからこその視点もあって面白かったり。というか、本当に負けず嫌いなかたなのだとほんわりさせて頂きました。←各種エピソード@主にNASAとの。

     また、各地の講演会で、川口PMが語られた内容と共通している部分も多いので、講演会にいけなかった人、いったけれども聞き惚れてメモをとるのを忘れていた人(私だ)の備忘録としての価値もある一冊だと思います。

     うっかり帰りの電車の中で読み出してしまったので、目を真っ赤に泣きはらした怪しい人になってしまったこともこっそりカミングアウトしつつ(笑)

  • 2010年の最高の感動をくれたはやぶさ。そのプロジェクトの立ち上げからリーダーだった川口教授の「はやぶさ」への思いを綴った一冊。
    今の日本の技術開発への問題もかかれており、「はやぶさ」の成功がいろんな意味で大きなものだったということがよくわかりました。

  • 読んだのはかなり前ですが、今思い返してパラパラと見直してみても、ぐっときます。
    私はあまり宇宙工学の話が好きというわけではないけれども、(手の届かない方の話が好きなので。)それでもはやぶさプロジェクトのあの物語はやっぱりロマンを感じるし、7年の冒険はドキドキします。
    本の最初に、はやぶさが撮影した最期の地球の写真が載っています。大気圏に突入する直前、かすれながらもはやぶさが見たであろう地球の写真を見ると、やっぱり泣けてきます。
    最期に隼が燃え尽きてしまうあたり、日本人が好きそうな結末だなぁなんて皮肉も覚えたりするけど、それ以上にはやぶさの何度も立ち上がる姿に涙したり、JAXAの職員の努力に手に汗握ったり、とっても面白く読めます。

    学術的なところはもちろんですが、はやぶさの7年の冒険を物語として読める面白い本です。

  •  はやぶさが、昨年、2010年の6月に戻ってきたとき、ずいぶんテレビで報道されていたのでしょうか?お恥ずかしながら、私は全然知りませんでした。この6月に川口先生のご講演をうかがう機会がありまして、その時に初めて知った、というわけです。

     その時の講演でも感じたのですが、川口先生はなかなかお話が上手です。本当は、科学的にも技術的にも難しい話がベースになっているのだと思いますが、非常に単純に分かりやすくお話をされます。また、ユーモアのセンスもおありになって、本の中にも中和神社の話が出てきますが、そういう科学者らしからぬセンスに、何とも親しみを感じてしまうわけです。

     本の中には興味深い話が満載ですが、私が気に入っているのは、イオンエンジンの仕組みです。一円玉くらいの重さのものを持ち上げる程度の力しか出せないため、3億キロ離れた小惑星を往復するのに燃料がたった66kgで済むとうのは、何だかとっても画期的です。そういう発想って、だれが考え出したのでしょうか。

     それと、イトカワの地名の中に国分寺があるそうです。昔、糸川先生がペンシルロケットの水平発射の実験を行った場所があるからだそうですが、地元住民としてはとてもうれしいです。

  • はやぶさプロジェクトマネージャー川口さんの「はやぶさ」開発から帰還までの苦闘を中高生でも読めるように簡易に分かりやすく、ご本人が書いてくれている。子どもから大人まで楽しめる宇宙開発科学ロマン。
    しかし改めて、神や仏を信じたくなるレベルの苦闘ですは。

  • 「はやぶさ」に対する科学者たちの熱い想い、願い、親心がひしひしと伝わってきて…とにかく泣ける!読み返すたびに同じところで泣いてます。帰還のシーンとか涙で続きが読めないくらい。川口さんは科学力に加えて文章力まで兼ね備えていらっしゃる…
    日本のものづくりの精神は宇宙に飛び出しても健在…いや、宇宙という未知なる世界に飛び出したからこそ、尚挑戦者として輝き続けられるのだと強く訴えかけてくれる、とにかく素敵な本です。

  • 「奇跡に立ち会える資格」

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著者プロフィール

1955年、青森県弘前市生まれ。「はやぶさ」プロジェクトマネージャー。
京都大学工学部卒、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。旧文部省宇宙科学研究所に助手として着任、2000年より教授。現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所宇宙航行システム研究系研究主幹、月惑星探査プログラムグループプログラムディレクタ。専門はアストロダイナミクス、システム制御論。

「2012年 『はやぶさパワースポット50 = Hayabusa's Power Spot 50』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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