- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796405775
作品紹介・あらすじ
先生と出会ったのは、学生時代、夏休みに訪れた鎌倉。自分も他人も信じられないと語り、親しくなっても頑なに心を開いてくれない先生は、裡に何かを抱えているようであった。その真相を私が知るのは、先生の自決後-。人間のエゴイズムと葛藤を克明に描いた名作。声優・谷山紀章が紡ぐ名場面抜粋の朗読CDを封入。
感想・レビュー・書評
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「然し、然し君、恋は罪悪ですよ」自分までもを疑う先生が、最後まで信じ、愛した人、そして信じていてほしかった人とは。考えさせられる一冊でした。
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中二の時はどうにもウネウネした内省的な描写に言いようもないじれったさや深みを感じた。
四十を越えて再読すると、何とも阿呆で哀しい人間のこころを実感する。愛や恋やら嫉妬だのからは大分達観したようなこころ持ちになれているので、今すぐ自分のこととして捉えることはできない。
二十代で読んでいればまた違った受け取り方をしたのかもしれない。 -
心理描写がすごいです。
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先生の手紙のうち、一部分だけを遠い昔教科書で読んだことがあった。
あるとき、この朗読CD付きの本を見かけ、なんとなく買って読んだ。
まず、内容とよりもその文章の美しさに心奪われる。文豪と呼ばれる人たちは、本当にその技量あって文豪なんだと、なんて引き込まれる文章なんだと、単純に感動した。
粗筋はご存知の通り。高校生の頃は、なんだこのぐだぐだはと思ったが、大人になり読み終わると、やるせなさや切ない気持ちが心に残った。 -
祖父の形見として文庫本を持っている。私はこの作品を読んで、向上心を大事にしようと思った。「向上心」が良い意味と悪い意味、どちらとして描かれていたかは覚えていないが、とにかく印象に残った。胸が締め付けられるようなストーリーだが、もう1回読みたい。
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高校の課題図書。