隆明だもの

著者 :
  • 晶文社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794973832

作品紹介・あらすじ

吉本家は、薄氷を踏むような〝家族〞だった。長女・ハルノ宵子が、戦後思想界の巨人と呼ばれる父・吉本隆明のことを綴る。故人を讃えない、型破りな追悼録。ハルノ宵子(長女)と吉本ばなな(次女)による「吉本姉妹対談」も収録。

感想・レビュー・書評

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  • ハルノ宵子さんの「猫屋台」のおもてなし|吉本家の食卓は、にぎやかでざっくばらん - 天然生活web(2020-03-07)
    https://tennenseikatsu.jp/_ct/17346479

    死は自分に属さない -「足元の神」|ネコがいっぱい|ハルノ宵子 - 幻冬舎plus
    https://www.gentosha.jp/article/20477/

    吉本ばなな|特別インタビュー|自費出版の幻冬舎ルネッサンス
    https://www.gentosha-book.com/special_interview/yoshimoto/

    隆明だもの | 晶文社
    https://www.shobunsha.co.jp/?p=7923

  • 以前読んだ「猫だましい」が思いの外よかったので、この新刊も読んでみた。
    吉本隆明ファンの曲者をこき下ろすことができるのは、この人だけかも。全共闘世代のややこしい自意識過剰おじさんたちが一刀両断されるのは楽しい。
    (でも私も吉本隆明の「共同幻想論」はかなり影響受けたので、属性は違えど、このめんどくさい集団のはしくれにカテゴライズされてしまうかも)
    吉本隆明の面倒臭さはなんか想像がつくが、妻(筆者にとっては母)が、これほど大変な方だったとは知らなんだ。この父母に育てられるのはさぞかし辛かろう。かなりハードなおうちでした。
    だからこその、この個性なのだろうけど。

    ハルノ宵子さんは、なんか懐が深いのだ。そこが好きだな。
    父には、というより老人にはできるだけ自分のやりたいようにやってもらいたいというところとか。いいよね。

    ただでさえ肉体という牢獄に閉じ込められているのに、「看守」に急かされ、汚いと蔑まれ、乱暴に扱われてどうする。人生の最後にこんなに惨めで情けない思いをすることはなかろう。せめて自由にやってくれ

    こういうふうに子どもが育つと親は幸せだよね。

  • 吉本ばななさんのエッセイで、姉は子供のことろから絵が上手だったと書かれていて、お姉さんって画家?と思ていたら、この本に出会う。

    猫好き、漫画家、エッセイスト?
    雑誌「猫びより」で既にお会いしていたのだ。

    偉大な?(私の年代は何となくしかわからないけど)父を中心にしたちょっと変わった家族模様。
    外部から見る分には面白いが、実はかなりハードなんだな(^^;
    けど、未来の介護には少し役に立ちそう、親への向き合い方として。

    なんといっても、この装丁や挿絵が好き。

  • 戦後を代表する思想家の家庭内の姿は
    どんな感じなんだろう 
    病気がちの妻に代わり家事をこなしていたという
    意外なエピソードなどもあり
    吉本家をのぞき見してしまったかなと思いながら
    興味深く読んだ。
    でも 私が1番驚いたのは 吉岡隆明の妻
    作者のお母様が実はなかなかの半生送った
    方だったということでした。
    実の母だったら 恐くて家出していたかも…

  • あの戦後思想界の巨人吉本隆明の娘による、吉本家の家族(父、母、姉妹)や関係者、特に老いてからの隆明氏の言動などを赤裸々に綴った実に興味深い内容だった。
    父だけでなく、母も強烈な方だった様で、その両親のもと育った著者自身も両親の影響を大きく受けながら資質も受け継いでいるからか、表現は軽やか乍ら本質を突いていると感じる。自らを"稀代の鬼娘"と言い往年の吉本ファンの怒りを買うであろう事を心配しながらも、ボケはじめた言動やオムツ使用の実態まで明かし辛辣にこき下ろす面もありながら、その根底にはやはり父を愛する娘の優しさが感じられ微笑ましくもある。
    それはあとがきの「しかし何を言おうと、父の圧倒的仕事の質と量、そして何の組織にも属さず、大学教授などの定期収入も、社会的保証もステータスもない中で、家族と猫を養い続けてくれた並はずれたパワー それは感謝と尊敬以外の何者でもないし、誇りにに思っている。」に正に現れていると感じる。

  • (他人事なので)すごく面白かった。宵子さんの文章がうますぎる。隆明さんやばななさんとも違う、天を突き破ったような面白さ。やっぱり吉本家は才能が濃縮還元された一家だったのだろう。

  • 吉本ばななと姉のハルノ宵子の対談を読んで、吉本家、本当に大変だったんだなと思いました。
    でも、父隆明が病弱な妻に替わって娘たちにご飯やお弁当を作ってあげたりと、子育てに関してはやるべきことはちゃんとやっている。
    娘たちも介護が必要になった両親のために最善のことはしている。
    苦しみながらも、緊張感を抱えつつも、家族であろうとした父母と二人の娘たちにあっぱれ!と言いたいです。

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著者プロフィール

一九五七年東京都生まれ。漫画家・エッセイスト。父は思想家・詩人の吉本隆明、妹は小説家の吉本ばなな。

「2023年 『猫だましい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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