室内生活──スローで過剰な読書論

著者 :
  • 晶文社
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本棚登録 : 307
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794971579

作品紹介・あらすじ

独りで、ゆっくり、大量に読む!これが知的体幹を鍛え、思考の基盤を厚くする本の読み方!
読書は、アスリートにとっての基礎練習。室内で寝ながらできる走り込み、汗をかかない筋トレ、体を動かさないストレッチ。本さえあれば、1年365日、呼吸をするように思考を鍛えられる。著者の貪欲なまでの研究マインドに裏付けられた読書術を、あますことなく体験できる決定版読書論。先端ITビジネス系から塩野七生、城山三郎、古川ロッパ昭和日記まで。「特殊読書の愉悦」「棺桶に入れてほしい本」などコラムも抱腹絶倒のおもしろさ。
読書の醍醐味は、そこから何を読み取り何を得るかにある。当代随一の本の読み手が、これまでに手掛けた書籍解説、書評のほぼすべてを網羅した「全書籍解説・書評・読書論集」。

感想・レビュー・書評

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  • 本好きが全面に全開されていて、それだけで嬉しい。500ページ以上あるので、なかなか…と思ったが、書評や雑感、著者の日常など、自由に綴られて飽きない。書評はビジネス書中心だが、時々紹介されるビジネス関連以外の本が興味深い。これ読みたい!と思ってメモを取ったのが23冊。本好きには堪らぬ、ムフフな本。

    楠木建の本をまだ一冊しか読んでいないため、もっと他の著作を読んでみようと思う。本著では、就職に向かず、研究室に残った様が綴られるが、経済系を選んだ理由は詳細が無く、興味深い。また、本の読み方について、論理構成が自由過ぎるフィクションでは駄目で、論理を楽しみたいから、ノンフィクション。知識を得たいのではなく、対話、想像しながら、謎解きを楽しむ感覚。なんとなく共感。

    この本を一冊読んだだけで、次に読みたい本が際限なく広がっていく。こうした読書の旅も、至高かな。

  • 痛快で小気味良い書評。著書に共通するキーワードを他の著作でもひたすら繰り返す。
    でも、なんか読んでしまう。

    口癖は経営センス云々、抽象と具体の往復運動、因果論理の束、ストーリー、ことほど左様に、ありていに言えば、など。

    特に柳井正氏の、当たり前ですけど、当然ですけど。を気に入ってか頻発するあたりはもはやオヤジギャグ的。

    特に、最終章のおっさんの食の嗜好や服の着回しの下りなど、普通は読んで何の役にも立たないし気色悪ささえ覚えるはずなのだが。

    このおっさんの小気味良さそうなパーソナリティに触れているうちに、まあいいかと思えてくる。これこそ筆者のいう文脈とストーリーなのかな。

  • 紹介される本の要点がわかりやすく説明されるだけでなく、著者の読書の姿勢、読書の醍醐味が伝わってくる。
    融通無碍な筆致も楽しい。

  • 著者がこれまで発表してきた書評、解説書の選集。短編から長編論文に匹敵する長さまで、短・中・長編の批評を500頁近くに渡り繰り広げる。書評・解説書というジャンルだが、文調はエッセー風。平易に読者にわかりやすく書いているが実はエッセンスを鋭く突き、そしてえぐり出しているところは凄い。本書は1度で3度美味しい本。膨大な良書を紹介し―筆者の専門分野や興味があるところが中心だが―、長短自在な書評の書き方のお手本を見せ、そして―ここが一番面白い所であるが―著者の人間性、いや人間味が染み出す読書への彼独自の「お作法」。実のところ私自身書評を連載しており、著者の書評を大いに参考にさせて頂いている。あれこれ抜きにしてとにかく面白い。著者の書評通りなのかオリジナル本を読んで比べてみるのも面白そうだ。

  • 楠木先生の思考に沿った、好き嫌いでおすすめされた書評集。ここから十冊は購入した。優れた書評に勝るものはない、と再認識。

  • 『戦略読書日記』ですっかり書評家・楠木建のファンになったワタシには、氏の書評がつまった本書を買わない理由などまったくなかった。500ページを超える単行本でも、その厚さに躊躇するどころか、むしろ期待で胸が高なった。
    果たして内容は期待以上。書評に加えて、読書論や読書スタイルが挿入されていて、これがまた楽しい、と言うか驚愕!自由度が高すぎてロジック抜きのやりたい放題になってしまう小説には手をつけず、(ビジネス本を含めて)人間と社会についてのノンフィクションが中心。徹頭徹尾インドア派で、時間があれば一日に10時間本を読み、読書で頭が疲れたら違う本を読んで頭を休ませる。こんな人から繰り出される書評がつまらない筈がない。
    読む前から分かっていたことではあるけれど、またしても読みたい本が増えてしまった。

  • 面白すぎた。こんな書評を書けるようになりたい

  • 濃厚な書評集に筆者の読書生活のエッセイを加えたもの。

    幼少期をテレビ放送のない国で過ごしたこともあり、同じ本を繰り返し読んで、考えるクセがついたという。そんな筆者の生活を書いた部分が抜群に面白い。そこだけで1冊本を書いて欲しい。

    (2200)

  • こういう本を読むと、自分がやっている読書は、知識を得ること止まりで、考えるってことをしていないというのがわかってしまう。自分がこういう本を書いたら10ページにおさまるくらいの薄っぺらさになりそう。この本の著者と同じ、「本をたくさん読む」って行為をしているはずなのに。

  • 500ページ越えの大作。アダム・グラント著のGIVE&TAKEを監訳した楠木建さんの読書の本。

    さっと読んだ感じ、楠木建さんが読書が大好きだという事が伝わる本。
    書かれているのはビジネス書を含めた様々な本の解説から書評がぶわっ!!とまとめられている。
    佐藤優さんの「読書の技法」のような読書の仕方や考え方というより、好きで好きでたまらない本の事をみんな読んで!!って感じ。

    まだサラッとしか読んでないので、読み終わったら追記か編集していく

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著者プロフィール

経営学者。一橋ビジネススクール特任教授。専攻は競争戦略。主な著書に『ストーリーとしての競争戦略:優れた戦略の条件』(東洋経済新報社)、『絶対悲観主義』(講談社)などがある。

「2023年 『すらすら読める新訳 フランクリン自伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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