- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794968333
作品紹介・あらすじ
毎日なんだか、うまくいかない。そんな少年ニコが謎のメッセージにみちびかれ、量子の世界に迷いこむ。そこは頭のくらくらするような、おどろきに満ちた世界だった。宇宙の成り立ちや素粒子の不思議な性質、消えては現れるシュレーディンガーの猫……。少年科学者エルドウェンと美しい妖精キオーナの案内で、少しずつ量子の世界を学びはじめたニコだが、自分には大きな使命が課せられていることを知る――。
量子論を知るための入門書として、楽しく読めるファンタジー! イラストも盛りだくさん!
感想・レビュー・書評
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『何かを変えたいならいつもと違うことをしよう』毎日なんだかうまくいかない。そんなニコは謎のメッセージにみちびかれ、いつもと違う道で登校することにした。すると3つの鍵の扉のある不思議な家をみつける。それはニコの不思議な冒険の始まりで…。量子の不思議な世界はいかがですか?
情報コース1年詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
素粒子というよりは量子力学をものすごーく上っ面だけ噛み砕いたもの。物理かじった人には物足りなく、小中学生くらいだと意味不明で中途半端だと思う。
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少年ニコの冒険物語。
難しいイメージがある量子論をストーリ仕立てで優しく説明されています。
読みやすいですが、小説としての内容はちょっと物足りないかな。
量子論についてももう少しわかりやすい説明があると良かったかなと思いました。 -
何かを変えたいなら
いつもとちがうことをしよう!
ニコは、部屋の天井に現れた謎のメッセージに導かれ、学校に向かうのに、坂を下るかわりに上ってみたら、荒れ果てた大きな家が。
扉には頑丈そうな3つの鍵。
迷い込んだ量子の世界でニコは、少年科学者のエルドウェンと妖精のキオーナとともに、宇宙の成り立ちやシュレディンガーの猫などに出会う。
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量子論に興味がある人はもちろん、全然興味がなくて、まったく何にも分かんない人も、物語になっているから、おもしろいと思う。
ニュートリノとか、スーパーカミオカンデとかも出て来る。
シュレディンガーの猫の説明が、すごい分かりやすかった。いつも何か分かったような分かんないような感じだったの、これでようやくちゃんと分かった。
でも、キャラがいまいちだったなぁ…。
主人公のニコは、何か自意識高いのび太くんみたいだし、キオーナは感じ悪いし。
元はスペインで出版された本だから…………スペインだとこういうキャラが受けるかな。 -
素粒子がどのようにできたかや性質をストーリー仕立てでわかりやすく書いてある。文系や素粒子って聞いたことあるけど何?って人は面白いと思う
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読んで良かった。
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相対論や量子論という日常的な感覚では理解し難いもののイメージを分かりやすく伝えようと試みた本。子供向けのストーリー仕立てになっていて、生きていると同時に死んでいるシュレーディンガーの猫や、片方だけ亜光速で旅行したために年の違う双子のエピソードなどを、取り入れながら量子の世界のイメージを伝えようと工夫している。もちろん数式は出てこない。子供向けの本だが、難しい量子の世界のイメージがつかみやすく面白い内容だと思う。
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残念ながら私は量子力学のなんたるかがよく分からないので、いかに量子力学の難解さを作者が巧みにファンタジーの世界に持ち込んだのか正確に把握することができないのだが、少なくともこの本が子どもにも読みやすい一貫性のあるストーリーに仕上がっていることは間違いない。
このストーリーで象徴的なことは、量子界という世界に人間の立ち入りが禁止されているとだ。p.87「かつて人間の科学者は、量子界をさぐりにきていた。それで、やつらは何を手に入れた?とんでもない!やつらがしたことといえば、核兵器をつくっただけだ。(後略)」
この量子界に少年ニコが飛び込み、様々な経験をして(それが量子力学の世界なわけだが)、ニコが量子力学について学ぶと同時に、読者も量子力学を理解するという仕組みである。p.193からp.207には用語の解説もあり、ファンタジーだけでは理解できない知識のフォローもしっかりしている。
量子力学の難しさは、p.181の長老の言葉が参考になる。「(前略)きみが量子界で体験したことは、きみが光速で動いたり、原子や基本粒子を自分の目で見ることができんかぎり、きみにとっては起こりえない現実だ。(後略)」逆に言えば、その起こりえない現実を頭の中で想像した人間の英知の素晴らしさに脱帽する。
【追記】
スーパーポジション (重ね合わせの原理)というのが、よく分からなくて面白い。
すべての可能性が同時に存在する??
カップの中のサイコロの目が6だったとしても、カップを持ち上げる前は、すべての目が同時に出ていたことになるのだそうだ。
これについては、別の本でもっと調べてみたい。 -
サブタイトルは「ニコの素粒子をめぐる冒険」。著者はCERNなどでの勤務経験を持つ、スペインの女性物理学者です。
少年ニコが量子の世界に迷い込み様々な経験をするというストーリーを通して、ビッグバンやテレポーテーションなど物理の世界を紹介する科学読み物。訳もとても良く、読みやすかったです。物理なんてさっぱり分からないという人にこそ読んで欲しい良書。中学生ぐらいから読めそう。