- Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794966261
作品紹介・あらすじ
「屋並屋並に金文字飾り」(神田小唄)神保町の町名の由来は、江戸時代、この地区に広大な屋敷を構えていた神保伯耆守に因むもので、明治になって市区改正が施され、最初の古書店・高山書店が誕生する。創業者は有馬藩の弓師だった。ついで有史閣(のちの有斐閣)、三省堂などが開店し、明治18年頃には神保町から小川町にかけて約50軒の書籍業者が営業していたといわれる。この地域は、近代日本を担う教育機関が集中していたところで、全国から優秀な学生たちが集まってきたので、勉学のための書籍のリサイクル・システムが成立したという。そんな街にうもれ、語りつがれてきた記憶と、一愛書家の自分史を重ねながら、神田古書街・神保町の戦後の隆盛、現在立ち至っている苦境を、愛惜を込めてつづる。
感想・レビュー・書評
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古本といえば、神保町。その神保町をテーマにしたのが今回の本。
荒俣宏の師匠でもあり、様々なジャンルの本を執筆している著者。
今では想像もつかないが、古書展の様子。
開場前から殺気立った雰囲気で、お目当ての本をゲットするために古本マニアが、開場とともに我先に走る。
古本の評価に関して「油断大敵」と著者は指摘している。
極美・初版という古書店ふれこみだが、美の評価は人間の主観によるものだから、古書店が極美と主張しても、こちらは並本にすぎない思う場合があると感想を述べている。
「変動する古書文化」では、文学書や思想書は減っているが、その一方で、資料ものや趣味関連の雑誌に人気が集まっている。
古いクルマの薄っぺらいカタログが、1冊何万円という信じられない値がついたと驚いている。
そう言えば、古本祭りに行くと鉄道関係のグッズ、古い絵葉書、古地図なども見かける。
客のニーズに合わせないと古本まつりも中年以降の高齢者の楽しみになって、若い人が関心を示さないと長い目で見たら、将来のお客がいなくなるからなあ。
2004年に発行された古本だが、興味深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示