なぜ「偏差値50の公立高校」が世界のトップ大学から注目されるようになったのか! ?

著者 :
  • IBCパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794605597

作品紹介・あらすじ

著者日野田直彦は、大阪府で始まった校長の民間公募制で、当時36歳で全国最年少の校長として箕面高校に赴任、4年間の学校経営で数々の実績を出しました。地域四番手だった学校を世界に通用するまでにし、海外トップ大学への進学実績日本一を短期間で達成するなどの大改革はどうやってなし得たのか、その手腕がこの本であきらかに。変化の激しい時代に対応し世界に貢献できる人材を育成するための教育改善と、同時に教師の働き方改革も実践したノウハウを公開します。

感想・レビュー・書評

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  • 教育現場で民間人校長が閉鎖された社会で新しいことを実践して開拓していく姿勢には感銘をうける。
    変化の激しい時代に世界で貢献できる人材を育てるのがこれからの教育界で必要とされている。自分の希少性をあげ、オープンマインドであること。これを教育の中で子供達に植え付けるために、何をしていけば良いか。4年間で築き上げたこの高校の内容はほんと素晴らしい。
    アクティブラーニングを!と言われても手法に目が行ってしまい、実際に身につけさせなければならない力は何なのか、現場が理解していないように感じる。
    日本人は意見を言わない。思うことがあっても手を挙げないし、そもそも思うことすらできない。なぜ?と考えない。言われたことには正解を求めようとするが、何が問題?と考える力に劣っている。今の教育でどうすればこれからの社会で必要な力が身につくのか、ヒントをもらえた気がする。
    オールドタイプが多い現場で新しいことを実践するのは一苦労。
    そもそもなぜ自分は働いているのか。仕事に対してワクワクしない日本人が多いという統計もでている。働くのは金のため?何か社会に貢献するためでは?となると、今の自分の立場であればこれからの社会で活躍できる人材を育てることこそが、社会貢献になるのではないか、、、と思う。
    興味深い本だった。

  • 良いと思ったことはあらゆる手立てを使って実現に向けて動く、悪いと思ったことは改善していく。そんな当たり前のことを行うことが難しい中で、学校作りに取り組んでいる様子が描かれていて、仕事に対する熱をもらえた一冊だった。

    最後に書かれていた18歳の自分への部分は、18歳を過ぎた自分と心がけていきたいことが多く書かれていた。

  • 376.4

  • 今の自分のやっていることとかけ離れていて途中から読むのが大変に感じてしまった。著者が言っていることも理解できる。でも今の自分の状況があまりにもそうでないし、できないように感じた。ただ、そこで立ち止まるわけにはいかない。今の自分ができることを突き詰めてやりきったのか、やったのか、そのことは考えなければいけないと思う。箕面高校のようなところと、従来のところもどちらかでなくどちらも、生徒が行きたいと思った方に行けるような世界が良いなと感じました。

  • 「会社を作りたい」「ビジネスをしたい」というのは愚か者の言葉。
    「隣人の問題を解決する」のが真の起業家

    できる限り多数決は取らない。
    話し合いでみんなが納得できる7.8割を探る

  • 18歳の自分へ
    ① 本を読んでください。成功している人は皆共通して本を読んでいます。目安は1年間で3万ページ。1日100ページが目安です。
    ②人生気軽に行きましょう。大変なことはたくさんあります。特に20代は苦労してください。ただ意外と何とかなるものです。深呼吸をして、空を見上げてください。困った時は誰かに気軽に相談してみましょう。また、他人と比較しても何の意味もありません。自分らしく生きましょう。
    ③自分の世界を広げるために、定期的に旅に出てください。また大学や仕事を始めたら、その世界とは違う人に週に1回は会ってください。そして「素敵な人」とつながってください。そこで得られた人脈こそが、あなたの最高の財産であり、人生を豊かにします。
    ④人に優しくしましょう。それは単に甘い言葉を他人に言うという意味ではありません。本当の意味での優しさは、多くの人が言いたくないことを言う厳しさ、ないしは、叱ってくれる人を大事にしてください。叱ってくれる人はあなたに対して、愛情を持っている証拠です。
    ⑤守破離(礼儀)は大事にしてください。どんなところでも認識は必ず行動に出ます。気をつけましょう。一番大事なのは、挨拶や謝罪、感謝を必ず言葉にして伝えてください。
    ⑥すぐに成功することはありません。下積みを大事にする人が成功します。人の嫌がることを率先している人をちゃんと周りは見ています。派手な仕事より、丁寧で泥をかぶる人こそ、信頼を得ることができます。
    ⑦チャンスは必ず来ます。しかし、それは1回だけです。2度は来ません。失敗を糧にそのタイミングと選択する勇気を身につけてください。
    ⑧物事をプラスに見るか、マイナスに見るかで人生は大きく異なります。ネガティブな発想の人には、ネガティブな出来事が、ポジティブな発想の人には、ポジティブな出来事が起こります。
    ⑨できない理由を探すのをやめ、実現する方法を議論しましょう。ほとんどの人はできない理由を探しがちです。勇気を持って対案を用意し、できる方法を探す人こそが真の勇者です。そういう人たちに囲まれるようにしましょう。
    ⑩人生は「逆張り」した人に最大の価値が生まれます。みんなが「きっとそうだ」と信じていることを疑ってみてください。答えはその対極にあることがあります。みんなが無理だ、できないと思っていることに挑戦すること。そこに、本当の価値があります。

    スティーブ・ジョブスの「海軍ではなく海賊になる」という言葉をご存知でしょうか?これだけ社会の変化が激しくなっている今、大きな母体を持った組織とか企業ではできない動きが増えています。小さな単位でプロジェクトを組んでゴールを達成したらそこで解散。そしてまた新しいチームを作ってトライしていく。そんな新しい身軽なスタイルがスタンダードになる日がそこまできています。こういった中で、私たちはどんどんトライ&エラーを繰り返していった方がいいのではないでしょうか。1時間で1つの答えを出すよりも、30秒に1つの答えを出して、120回トライした方が絶対に成功率が上がるし、失敗の経験から自分がどんな人間かがわかる。「学校」という時間と空間が本来「失敗」を経験し、学びを繰り返す場所であったはずです。これはスタンフォード大学で言われていることです。それを素直に認めてトライしていく勇気を持っていれば、社会を変える。

  • 日本で働いている人たちの満足度が先進国の中でも著しく低い。これまでの教育は労働集約型の産業ではよいのかもしれないが、これからの時代では戦えないのだろうと思う。
    先生の言うことを聞くことが良い生徒の証というのは、会社でも当てはるなーと感じた。
    このような熱意を持った先生が日本教育の現場を変えていってくれるのを期待している

  • 教育を取り巻く理論・理念の主張に終始せず、行動で教員を、そして生徒を変えていく熱が伝わってきた。既成概念に囚われない課題解決プロセスは、学校の外から持ち込まれないと中に居続ける教員だけで見つけるのは難しい。

    たとえば外部模試2,000円×300人=60万円。
    この金額を使った子供への影響の与え方は100通りあるはず。それを思考してチャレンジする面白さが教員(学校)には残されているはず。でも私立じゃないと難しいな

  • 先日読んだ「劣化するオッサン社会の処方箋」にかかれていたサーヴァントリーダー的な考えにも通ずる部分がある。
    著者は、現在は、武蔵大学中学校の校長となっている。
    こうやって、学校を渡り歩いて改革の種を巻いていく著者の熱意と実行力に敬意を表する。

  • 読んでいてモチベーションの上がる、楽しくワクワクするような本でした。学びも、とっても多かったです。

    P3 対話の中から答えが見つかる。が、世界の基本。

    P31 どんなに失敗してもへこたれない子、タフネスな子にすることが大切。箕面高校のテーマは、”グロース・マインドセット”(しなやかな思考と態度)、フィードバック。マインドセット、タフネスの3つ。

    P32 ダイバーシティ、多様性を作ることも大切。何らかのイノベーションを起こすためのチームであれば、自分と話したことの無い人たちと集まった方がいい。ダイバーシティの高いチームとは何か、それは全員が違う方向を向きながら、チームのミッションを共有し、目的達成の為に努力を惜しまないもの。常識がお互い違っていたとしても、それをお互い認め合うことができる事、それが真のダイバーシティ。

    P33 重要なのは深く自分と向き合う体験ができたかどうか、その場にいる生徒たちが明日から何か行動を起こしたいと思えるようになれたか。

    P37 正解を求めすぎて、返答できない場合がある。「正解はないのだから、自分なりの意見を言う」というマインドセットができていない。スキルとしては、クイックレスポンスや仮設検証、ロジカルシンキングなどが必要。

    P48 人生とはどういうものなのか?をみなが考える時期に入った。要は、いい大学に行っていっぱい稼いで、長生きすることは本当に幸せなのか?やりたいことを続けて自分の人生に満足する行き方ができた方がいいんじゃないか、それを実現しようよ、と、伝えたい。何をもって幸せとするのか?を、考えたい。

    P49 やりたいことをやって満足する人生を実現する時に、学んだ経験とやり抜いた経験は価値ある糧となる。

    P50 20世紀の世界の教育のコアは、フィックスと・マインドセット(固定された思考と態度)であった。これは社会や組織に順応、最適化できるかどうかの教育。いまでは、グロース・マインドセット(しなやかな思考と態度)になった。著者の哲学は、簡単に言うと貢献。「生きるとは何か」「世界に貢献するとは何か」を考える時期。

    P64 アメリカの大学がスタートの段階でやっているようなプログラムにできるのはベルリッツしかない。内容は、英語4割、マインドセット6割。中身はクリティカルシンキングやロジカルシンキング、ノートテイキング。ベルリッツには、とにかくインタラクティブにやってほしい。

    P80 丁寧に積み重ねてみなが納得できるように動く。全員が満足できないとしても、7割の満足を積み重ねていく。3割不満、7割満足。そんな感じ。その蓄積の連続が、最終的にはみんなにとっての幸せに繋がっていく。多数決も行わない。もし、多数決をすると、特定の利益集団が勝ち続けることができるようになるから。そうすると派閥が生まれるきっかけになる。

    P86 マインドマップやロジックツリーの書き方を学ぶ。

    P87 ホワイトボードに書きながら議論を進める「ホワイトボード・ミーティング」アイデアのブレインストーミングの仕方、マインドマップの書き方やロジックツリーの書き方、Tチャートの書き方。また、どうやってオープンマインドに議論するか。

    P92 まずは日本語でひたすらクリティカルシンキングとロジカルシンキング、Tチャートやノートテイキングといった最も重要なアカデミックスキルとマインドセットとやり取りを学ぶ。

    P108 日本初・アントレプレナーシップ(起業家精神)ボストン留学。

    P116 スタンフォード大学とMITとハーバード大学で作った映像授業のMOOCs 

    P169 日本では、腹を割って話すことができない、前例が踏襲されることが正しい、と、どこかにあるので、ゼロベースにマインドセットできない。それぞれに人が持っているポリシーを大事にしながら進めていくことが本来のグローバルマインドセットであり、大切なポイントはシンパシーとエンパシーです。対立ではなくて、共感と洞察。

    P186 アメリカの教育はコンテンツの弱さが目立ち、日本には優秀なコンテンツがあるが、マインドセットが無い。最低限のアカデミックなスキルを教えることなく勉強をさせている。ロジカルシンキング(論理的思考)、クリティカルシンキング(分析的思考)、ノートテイキング(自らの思考をビジュアルとして表現するノートの取り方)など。いわゆる海外のトップ大学のファウンデーションやリベラルアーツで扱っている内容が授業に無い。日本ではリベラルアーツは教養を訳されているが、藝術ではないか。ブレイクスルーするためには最低限のリテラシーが必要であり、多様な視点が求められる。フリーダムは制度内における自由。リバティは本質的な自由。

    P188 単なるマネーゲームではなく、その先にある未来を見据え、ビジョンを生きる子供たちを育成する為にリベラルアーツが欠かせない。リベラルアーツは本来対話から生まれる。古来より日本には禅問答と呼ばれるリベラルアーツがあったが、費用対効果が悪く、高度成長期に捨ててきた。お金儲けではなく、よりよい未来を目指すビジョンを持つ子供たちを育てる。そのために必要なのはソーシャルイシュー(一般社会の課題)をきちんと見せる事。今、目の前に起こっている問題から目を背けてはならない。まずは隣人が困っていることを具体的に解決する体験をさせる。

    P206 社長も会社員もただの役割。

    P210 無駄がいっぱいあった方がいい。無駄が一番大切。無駄な経験から新しい仕事が生まれたり、その人のキャラクターの幅も広がる。効率化は、進めば進めるほど、どんどん純粋化されて変化に対応できなくなる。短期的には利益が上がるが、新しいマーケットが生まれた時に対応できない。社長だろうが社員だろが、それぞれの役割と考え方を尊重し、意見を自由に交換する。違いを認め合い、人生のオーナーシップは自分自身で握る。誇りをもって人生を生きる。誰かの笑顔の為に頑張ろうと思う自分。どれだけ怖くても、失敗が続いたとしても、チャレンジすることが大切。

    P252 18歳の自分へ。

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