「経済成長」の起源: 豊かな国、停滞する国、貧しい国

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794226693

感想・レビュー・書評

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  • なぜ経済成長に地理的偏りがあるのか。世界の経済成長のきっかけとなった産業革命はなぜイギリスで起こったのか。反対にある時点までは優位に立っていた中国やイスラム文化圏はなぜ経済成長を持続的に拡大できなかったのか。この疑問を、地理、制度、文化、人口、植民地の観点から検討する。
    著者の考えでは総合的に制度と文化が人口を抑制しつつ個人の技術的進歩を促すことができたのがイギリスだったということのように思う。またその植民地経営の傷跡は文化的な相互信用度の低下や植民地経営目線でのみ行われた資源収奪、インフラ整備の形で旧植民地の経済発展の障害となっている。
    今の結果を解釈するための論点整理として良書。
    ただし翻訳が間違っているところはあるので注意。

  • 地理的要因、文化、制度などの章は面白くなかったのですが、人口、奴隷制などから急に面白くなってくる。
    個人的には、実質賃金の上昇が省力化へのインセンティブを通じてイノベーションを促すというのが心に残った。

  • 富はどこからもたらされるのか、多くの人を貧困から救うことにつなげるために書かれた本。
    短期的には計画経済の方が市場経済よりも早く成長させることができる。しかしながら、消費者が実際に買いたいと思うような新しい商品を全く提供できなかった。
    持続的経済成長へと離陸していく上で必要な前提条件は、権限が比較的限定された政府職人の技術を向上させる協定制度、公共財への投資を奨励する制度、勤勉でさえあれば、社会の最下層からも抜け出せると言う考え、進歩し続けることが現実的で価値ある目標と言う文化的特質。

    一方で、経済成長による気候変動については、
    技術の進歩が解決の鍵で、最も緊急を要する課題の解決に頭脳を使う、経済成長こそ、この問題に向き合う解決策の中心と締めくくる。

    非常に丁寧に書かれている。悪く言えば冗長。ゆえに文字数が多くなる。要約しながら消化したい歴史本。将来的に何が役に立つか、自分なりに答えを考えながら読まないと分厚い本を読んだという自己満足で終わる。もったいない。

  • 経済史学における昔からの問題について近年の研究がいかにアプローチしているのか、その動向も含めて、経済史の成果がよくわかる好著。経済史概論のような授業をもっていれば是非とも使いたいテキストでもある。とくに経済成長にとっての重要条件を形成する地理、制度、文化、人口、植民地という諸ファクターの検討が第一部で整理してなされており、わかりやすい。翻訳もこなれていて読みやすい。再読必須の一書。

  • 経済史の教科書的存在。分かりやすく初心者向け。

  • 登録番号:1027512、請求記号:332/Ko97

  • レビューはブログにて
    https://ameblo.jp/w92-3/entry-12835139117.html

  • 東2法経図・6F開架:332A/Ko97k//K

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