重要証人: ウイグルの強制収容所を逃れて

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794225269

作品紹介・あらすじ

いま、中国の新疆ウイグル自治区では何が行われているのか?
命がけで強制収容所から逃れた女性が証言する衝撃的な実態!

著者は新疆ウイグル自治区で生まれ育ったカザフ人女性。
医師であり教師であり、二人の子供をもつ母親。
日に日に住民に対する監視態勢が激化するなか、ある日突然、拘束されて
再教育施設と呼ばれる強制収容所に連行される。
そこで行われていたのはウイグルに生きる少数民族への想像を絶する弾圧だった。
自分たちの言葉を禁じられ、伝統も文化も宗教も奪われて中国共産党への忠誠を誓わされる。
繰り返される拷問、洗脳、レイプ。そしてその先に待ち受ける死。
命がけで隣国カザフスタンに脱出した著者は、2018年、法廷に立って
ウイグルで現在進行中の地獄のような実態を証言した。
その衝撃的な事実は各国の主要メディアによって次々と報道され世界中に激震が走った――。

繰り返される脅迫にもひるむことなく勇気ある証言を行った著者に対して、
2020年には米国務省から国際勇気ある女性賞(IWOC)、
2021年にはニュルンベルク国際人権賞が授与されている。

解説=櫻井よしこ

感想・レビュー・書評

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  • 戦慄する内容であった。
    ウイグルの悲劇は、他人事ではない。
    1人でも多くの人に読んでもらいたい。
    平和ボケ日本人は、現実を知るべきだと思う。

  • 4.25/95
    『いま、中国の新疆ウイグル自治区では何が行われているのか?
    命がけで強制収容所から逃れた女性が証言する衝撃的な実態!
    著者は新疆ウイグル自治区で生まれ育ったカザフ人女性。
    医師であり教師であり、二人の子供をもつ母親。
    日に日に住民に対する監視態勢が激化するなか、ある日突然、拘束されて
    再教育施設と呼ばれる強制収容所に連行される。
    そこで行われていたのはウイグルに生きる少数民族への想像を絶する弾圧だった。
    自分たちの言葉を禁じられ、伝統も文化も宗教も奪われて中国共産党への忠誠を誓わされる。
    繰り返される拷問、洗脳、レイプ。そしてその先に待ち受ける死。
    命がけで隣国カザフスタンに脱出した著者は、2018年、法廷に立って
    ウイグルで現在進行中の地獄のような実態を証言した。
    その衝撃的な事実は各国の主要メディアによって次々と報道され世界中に激震が走った――。
    繰り返される脅迫にもひるむことなく勇気ある証言を行った著者に対して、
    2020年には米国務省から国際勇気ある女性賞(IWOC)、
    2021年にはニュルンベルク国際人権賞が授与されている。
    解説=櫻井よしこ』(「Amazon」サイトより)


    冒頭
    『 第1章 過去の亡霊

     助けを請う娘たち
    ベッドを囲んで娘たちが声をあげて泣いている。毎晩そんな夢が続く。どの娘も黒い瞳を見開き、髪の毛は剃り落とされて丸坊主だ。「助けて」と娘たちが懇願する。「お願い、助けて」。独裁者が支配するところでは、どこだろうと真っ先に打ちのめされるのはいつも女たちだ。』


    原書名:『Die Kronzeugin: Eine Staatsbeamtin über ihre Flucht aus der Hölle der Lager und Chinas Griff nach der Weltherrschaft』(英語版『The Chief Witness: escape from China’s modern-day concentration camps』)
    著者:サイラグル・サウトバイ(Sayragul Sauytbay) , アレクサンドラ・カヴェーリウス(Alexandra Cavelius)
    訳者:秋山 勝
    出版社 : ‎草思社
    単行本 ‏: ‎352ページ
    発売日 ‏: ‎2021/8/3
    ISBN:9784794225269

  • 凄まじい内容の証言の数々の本です。
    子供向けにマンガのダイジェスト版を製作したりして、日本人を含めた世界中の人々が知るべき、読むべき必読の本です。

    ウイグル人・カザフ人達に対する、すべての人間性・人間の尊厳の否定、蹂躙、陰謀・監視・盗聴・密告・洗脳・拉致・暴行・強姦・凌辱・拷問・暴力等々の弾圧、ウイグル人・カザフ人絶滅・殲滅政策がウイグル人・カザフ人に対して行われ、そして世界最先端の学力によって、中国人により都合よく正当化させられています。

    残酷なことに、ウイグルの地で現在進行形で中国人たちにより行われているウイグル民族殲滅・絶滅政策は、人類の今までに続いてきた、たとえ他の民族、他の国に何をしていこうとも、やられた弱い弱者たちの方こそが悪くて、力こそ正義・生き残り続けて繁栄していく人達や民族、国こそが正義・人道・道徳になってきていることを、世界最先端のいろいろなテクノロジーや学力を使って最悪の形で実行されてしまっています。

    いったい人類にとって、この世の中の何が「人道」で『正義』なのか?
    国連なんぞにいたっては、なぜこの著者のサイラグル・サウトベイさんにノーベル文学賞を授与しないのか?
    ウイグル人の優れた女性実業家の、ラビア・カーディルさんにノーベル平和賞を授与しないのか?

    中国人なら誰もが知っている、中国が作成している世界で最も危険な中国の敵対国二十六カ国リスト
    第一位アメリカ、第二位日本、第三位ドイツ、第四位カザフスタン……

    そして、ウイグル人・カザフ人達に対して中国により正当化して行われている、たとえ他人や、他の民族、他の国に対して何をしていこうとも、やられた弱い弱者たちの方こそが悪くて、生き残り続けて繁栄していく方こそが正義・人道・道徳になってしまうことは、日本と日本人もウイグル人・カザフ人達と同じような目にあわささせられているという自覚を持つべきだと思わざるを得ませんでした。
    いま現在の日本人の、精神的にも、色々な意味で人間性を否定されている奴隷のような惨めな生き方は全体的に同じようなもので、ウイグル人・カザフ人達の姿が日本人と重なってしまいました。

  • なぜ人間の尊厳を踏みにじる行為ができるのか。なぜ攻撃の心配のない他民族を抹殺できるのか。民族浄化、全世界の教育制度を中国式に塗り替える計画など世界制覇への野望…知れば知るほどはらわたが煮えくりかえる。私たち日本人はこのような情報をもっと日々知らされるべきだ。

  • 近年、中国の新疆ウイグル自治区での人権問題が国際的な問題となっている。しかし本書を一読すればそれは人権問題などという言葉で表現できるようなものでない事が分かる。虐殺、拷問、洗脳、その他ここでは文字にすることすら出来ないようなおぞましいことが民族レベル行われている。現在ウクライナ問題でロシアを非難する日本人は多い。しかしその何十倍もの数の人々が現在進行形で中国共産党によって虐殺されている。経済的利益を優先し、中国を非難しないとするならば日本の正義はダブルスタンダードと言われても仕方ない。
    一人でも多くの人がこの本を読み、中国共産党の実態を知ってもらいたいと思う。

  • 衝撃の本。今までニュースでなんとなく耳にしていた程度の新疆ウイグル自治区の悲惨な現状が克明に描かれている。こんなことが、現代に行われているなんて。ヒトラーは全世界で否定されているのではないのか。中国共産党の恐ろしさに身震いを禁じ得ない。一人でも多くの人がこの本を読み、実態を知るべきだと思う。それによって何ができるのかわからないのがもどかしいところであるが。

  • ウイグル強制収容所で中国共産党政府が行った所業は残忍極まりない。肉体的だけでなく精神的な虐待行為は、読んでいる途中で気分が悪くなってしまうほど酷い。この事実をより多くの人に読んでほしい。中国共産党による支配欲の恐ろしさをより多くの人が知って警戒するべき。

  • 本当にすべてが真実なのか?と目を覆いたくなる内容。この暴力装置がもはや経済大国として世界に君臨しようとする現実に呆然となる。加えて昨今のロシアの暴挙。これから世界は破滅的なディストピアに向かっていくのか。

  • 細部までは読まなかったが、今話題となっている新疆ウイグル自治区の問題の根源に関する知識を得ることができた。

  • この恐るべき実態に対して日本人として声をあげなければならない。

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著者プロフィール

サイラグル・サウトバイ
新疆ウイグル自治区出身のカザフ人。1976年、イリ・カザフ自治州に生まれる。元医師・幼稚園園長。2017年11月から翌年3月まで新疆の少数民族を対象とした強制収容所に連行され中国語教師として働かされる。収容所から解放された直後、今度は自身が収容者として収監されることを知って故国の隣国カザフスタンに逃れるが、不法入国の罪に問われ同国で裁判を受ける。この裁判で中国政府が「職業技能教育訓練センター」と称する再教育施設の実態と機密情報について証言、裁判は一躍世界的な関心を呼び、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングなどの主要メディアで報じられる。カザフスタン政府は亡命申請を却下、滞在許可が切れる直前の2019年6月に国連のとりなしでスウェーデンに政治亡命。現在、安住の地となったスウェーデンで夫、娘、息子の四人で暮らしている。中国の強制収容所の実態については現在も積極的に発言を行い、その活動に対して2020年にアメリカ国務省から国際勇気ある女性賞(IWOC)、2021年にはニュルンベルク国際人権賞が授けられた。

「2021年 『重要証人 ウイグルの強制収容所を逃れて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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