書く、読む、生きる

著者 :
  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794224798

作品紹介・あらすじ

日本文学の巨星が遺した
講演録、単行本未収録エッセイ、芥川賞選評を集成。

「一行も書けなくなるような境地がある。
そこにさらされたとき、
その奥から何かが見えてくる。」

作家稼業、書くことと読むこと、日本文学とドイツ文学、近代語と古典語、翻訳と創作、散文と韻文、口語と文語、「私」と「集合的自我」、夏目漱石『硝子戸の中』『夢十夜』、永井荷風、徳田秋聲『黴』『新世帯』、瀧井孝作『無限抱擁』、馬と近代文学、キケロ、シュティフター、ゴーゴリ、ジョイス、浅野川と犀川、競馬場と競馬客、疫病と戦乱、東京大空襲、東日本大震災、生者と死者、病と世の災い――。深奥な認識を唯一無二の口調、文体で語り、綴る。「候補作全体の評定よりも、ひとつの作品へ宛てて書くことが多かった」芥川賞全選評を収録。

【目次】

書く、生きる/読むこと、書くこと/作家渡世三十余年/ドイツ文学から作家へ/翻訳と創作と/小説の言葉/言葉について/凝滞する時間/秋聲と私/野間宏と戦後文学/わが人生最高の十冊/ここはひとつ腹を据えて


読書ノート(『ヴイヨンの妻』太宰治著、『東京焼盡』内田百閒著/牧野信一と嘉村礒多/『無限抱擁』瀧井孝作著)/読書日記/無彩の町に紺・黒・柿色/無知は無垢/森の散策(『老境について』キケロ著/『天の川幻想』小泉八雲著/『中世知識人の肖像』アラン・ド・リベラ著/『死者のいる中世』小池寿子著/『愛日』高井有一著/『東語西話――室町文化寸描』今泉淑夫著/『ディカーニカ近郷夜話』ゴーゴリ著)/馬の文化叢書 第九巻「文学――馬と近代文学」解題/土手――幻想の往来/バラムの話/思い出の映画『リチャード三世』/『硝子戸の中』から/「この人・この三冊」シュティフター/昨日読んだ文庫/出あいの風景(たずねびとの時間/雨の朝 暗い日常/童顔/自分を探す/キャロ)/生前のつぶやき/浅野川/水の匂いの路筋/破られぬ静寂のなかへ/だから競馬はやめられない/馬券的中の恐ろしさ/言葉の失せた世界/鐘の声/日記/我が病と世の災いと


芥川龍之介賞選評(自縄自縛の手答え/「欠損」をめぐる文学/アンセクシュアルな現実/融合と分離と沈黙と/「ぼく」小説ふたつ/失われたことへの自足/百回目は――/行き詰まればこそ/雑感/感想/LOVEの小説/選評/「暴力の舟」を推す/無機的なものをくぐって/試みるうちに超える/寂寥への到達/虚構への再接近/難所にかかる/選評/終息なのか先触れなのか/屈伸の間/漂流の小説/転機にかかる/騒がしき背理/見取り図の試み/現在と遠方と/冒険の旅立ち/実際の幽明/あぶない試み/停滞のもとで/水の誘い/穏やかな霊異/「悪文」の架ける虹/対者を求めて/意識と意志/意識の文学/がらんどうの背中/例話の始まり/尚早の老い)

感想・レビュー・書評

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  • 図書館本、新刊コーナーにあり、偶然の出会い。借りてよかった一冊。ドイツ文学、金沢、中世、神秘主義、ギリシャ、ローマ、キケロなど、いろいろとインタレストなフックがてんこ盛り。漢文の話も面白く、なるほど。漢文の素養のあるなしか、現象の背景にあるものが大切なんだと思った。また、強弱、音調も納得。言葉のリズムのようなものだと思うが、シンメトリーとも通じるかな。文章には高低があり、放物線を描く。

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著者プロフィール

作家

「2017年 『現代作家アーカイヴ1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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