文庫 スイカのタネはなぜ散らばっているのか: タネたちのすごい戦略 (草思社文庫 い 5-1)

著者 :
  • 草思社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794224545

作品紹介・あらすじ

植物の生き残り戦略とは、つまるところ、「タネをいかに拡散するか」である。
植物は移動できないが、タネは移動できる。
綿毛で上空1000mを浮遊するタネ、
時速200km超で実から噴射されるタネ、
数千年後でも発芽可能なタネ…。
台所で捨てられるスイカやリンゴのタネにも、子孫繁栄のための秘密がある。
さあ、タネの不思議な世界をのぞいてみよう。美しい細密画、約60点収載。


■風で旅するタネの話
タンポポ/ハルジオン/ガガイモ/カエデ

■動物に運ばれるタネの話
オナモミ/スミレ/オオバコ/ハコベ/ドングリ/ササ/カラスムギ/ヒシ

■まかれるタネの話
アサガオ/ホウレンソウ/ニンジン/ナス

■まかれないタネの話
チューリップ/ラン/チャ

■時を超えるタネの話
ハス/エンドウ/ツバキ/アワ

■食べられるタネの話
イネ/コムギ/オオムギ/クリ/ソバ

■豆と呼ばれるタネの話
ダイズ/アズキ/ソラマメ/アーモンド/コーヒー/ラッカセイ

■芽生えで食べられるタネの話
モヤシ/貝割れ大根

■油を取るタネの話
トウモロコシ/ポップコーン/ヒマワリ/ゴマ/カラシナ

■果物のタネの話
キウイフルーツ/バナナ/ミカン/カキ/ウメ/モモ/サクランボ/リンゴ

■野菜のタネの話
カボチャ/キュウリ/イチゴ/スイカ/

■植物にとって種子とは何か?
■種子という移動カプセル  
■植物の進化の歴史
■シダ植物の進化  
■種子の登場
■種子が移動する理由  

■番外編 すごい種子
ライオンゴロシ/アルソミトラ/テッポウウリ/雑草/ヤシ/チアシード

感想・レビュー・書評

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  •  図書館の新着図書コーナーでタイトルを見て借りた。
     身近な果物や野菜を筆頭に身近な植物を取り上げてくれている。中学生からもじっくり読める一冊だ。
     いろいろ情報を盛り込みたいはずだが読みやすく仕上げた著者のセンスが光っていると感じる。
     ぜひ家族とも共有したい一冊だ。

  • 「植物の生き残り戦略とは、つまるところ、「タネをいかに拡散するか」である。
    植物は移動できないが、タネは移動できる。
    綿毛で上空1000mを浮遊するタネ、
    時速200km超で実から噴射されるタネ、
    数千年後でも発芽可能なタネ…。
    台所で捨てられるスイカやリンゴのタネにも、子孫繁栄のための秘密がある。
    さあ、タネの不思議な世界をのぞいてみよう。美しい細密画、約60点収載。」


    ■風で旅するタネの話
    タンポポ/ハルジオン/ガガイモ/カエデ

    ■動物に運ばれるタネの話
    オナモミ/スミレ/オオバコ/ハコベ/ドングリ/ササ/カラスムギ/ヒシ

    ■まかれるタネの話
    アサガオ/ホウレンソウ/ニンジン/ナス

    ■まかれないタネの話
    チューリップ/ラン/チャ

    ■時を超えるタネの話
    ハス/エンドウ/ツバキ/アワ

    ■食べられるタネの話
    イネ/コムギ/オオムギ/クリ/ソバ

    ■豆と呼ばれるタネの話
    ダイズ/アズキ/ソラマメ/アーモンド/コーヒー/ラッカセイ

    ■芽生えで食べられるタネの話
    モヤシ/貝割れ大根

    ■油を取るタネの話
    トウモロコシ/ポップコーン/ヒマワリ/ゴマ/カラシナ

    ■果物のタネの話
    キウイフルーツ/バナナ/ミカン/カキ/ウメ/モモ/サクランボ/リンゴ

    ■野菜のタネの話
    カボチャ/キュウリ/イチゴ/スイカ/

    ■植物にとって種子とは何か?
    ■種子という移動カプセル  
    ■植物の進化の歴史
    ■シダ植物の進化  
    ■種子の登場
    ■種子が移動する理由  

    ■番外編 すごい種子
    ライオンゴロシ/アルソミトラ/テッポウウリ/雑草/ヤシ/チアシード

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1372070

  • 植物の種の不思議にせまる書籍。
    植物の進化で見れば種子の存在は革命的である。種子植物は、受精する前に花粉として移動し、さらに受精した後に種として移動する。これにより、もともとは動くことができない植物が劇的に分布を広げることが可能になった。
    そして、この種子のカラクリは単純ではなく、植物ごとに異なり、子孫を残すための神秘的な知恵が詰め込まれた宝庫といえる。そんな秘密を図とともに描いた書籍。

  • 植物には生き残るためのさまざまな戦略がある。2ページに縮小してその植物の特徴や性質を語るのは簡単なことではない。しかも、文学、歴史学、地理学、民俗学など分野は多岐にわたる。それだけ植物は太古の昔から、他の生き物とともに密接に関わり人類にも恩恵をもたらしてきたということだろう。その営みの一端に人間が鑑賞して綺麗だと感じたり、食べて美味しいと感じたり、また迷惑だと駆除したりする植物の世界がある。植物の方が先住者なのに勝手なものだと思う。しかしそれすらも植物の生存戦略の一部だ。この本でその脅威の一端を垣間見ることができる。私たち人間を含む、動物たちが「動く」という戦略をとったことに対してあえて「動かない」という戦略をとった植物の世界を楽しんでほしい。

  • 植物が環境に適応するために進化したことが理解できる。身近な植物として、園芸植物が多く選ばれている。本書の題名に使われているスイカもそうだ。著者は農学博士だが、読者に伝える文章は分りやすい。2017年に上梓された本書が、2021年にも内容を変える必要がなく文庫化されたのも、人間の年月の尺度では計り知れない植物の進化の賜物だろう。

  • 471-I
    文庫(文学以外)

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著者プロフィール

稲垣 栄洋(いながき・ひでひろ):1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている。著書に、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』(ちくま文庫)、『植物はなぜ動かないのか』『雑草はなぜそこに生えているのか』『イネという不思議な植物』『はずれ者が進化をつくる』『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』(ちくまプリマー新書)、『たたかう植物』(ちくま新書)など多数。

「2023年 『身近な植物の賢い生きかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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