21世紀の啓蒙 上: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794224217

作品紹介・あらすじ

世界は決して、暗黒に向かってなどいない。

食糧事情から平和、人々の知能まで、多くの領域が啓蒙の理念と実践により改善されてきたことをデータで提示。
ポピュリズムと二極化の時代の今こそ、この事実を評価すべきと説く。


“世界は良くなり続けている。たとえ、いつもはそんなふうに思えないとしても。
スティーブン・ピンカーのように、大局的な視点から世界の姿を我々に見せてくれる
聡明な思想家がいてくれることを、私は嬉しく思う。
『21世紀の啓蒙』は、ピンカーの最高傑作であるのはもちろんのこと、
私の生涯の愛読書となる、新しい一冊だ。“
――ビル・ゲイツ


啓蒙主義の理念――理性、科学、ヒューマニズム、進歩――は、
今、かつてない大きな成功を収め、人類に繁栄をもたらしている。
多くの人は認識していないが、世界中から貧困も、飢餓も、戦争も、暴力も減り、
人々は健康・長寿になり、知能さえも向上して、安全な社会に生きている。
どれも人類が啓蒙主義の理念を実践してきた成果だ。
にもかかわらず、啓蒙主義の理念は、今、かつてないほど援護を必要としている。
右派も左派も悲観主義に陥って進歩を否定、科学の軽視が横行し、
理性的な意見より党派性を帯びた主張が声高に叫ばれている。
ポピュリズムと二極化、反知性主義の時代の今こそ、啓蒙主義の理念は、
新しく、現代の言葉で語り直される必要がある。
つまり、現代ならではの説得力を持った新しい言葉、「データ」「エビデンス」によって――。

知の巨人ピンカーが驚くべき明晰さで綴る、希望の書。




 序文

第一部 啓蒙主義とは何か
 第一章 啓蒙のモットー「知る勇気をもて」
 第二章 人間を理解する鍵「エントロピー」「進化」「情報」
 第三章 西洋を二分する反啓蒙主義

第二部 進歩
 第四章 世にはびこる進歩恐怖症
 第五章 寿命は大きく延びている
 第六章 健康の改善と医学の進歩
 第七章 人口が増えても食糧事情は改善
 第八章 富が増大し貧困は減少した
 第九章 不平等は本当の問題ではない
 第一〇章 環境問題は解決できる問題だ
 第一一章 世界はさらに平和になった
 第一二章 世界はいかにして安全になったか
 第一三章 テロリズムへの過剰反応
 第一四章 民主化を進歩といえる理由
 第一五章 偏見・差別の減少と平等の権利

 原 注

感想・レビュー・書評

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  • マルコム・グラッドウェルやマット・リドレーとの討論本『人類は絶滅を逃れられるのか』でも、豊富な知識やデータを武器に楽観論的立場で論戦していたスティーブン・ピンカー。本書はその主張を更に補強し、更に悲観論とのバランスを取りながら解説する。人類の生活は日に日に良くなっている。当たり前じゃないか。それは、何故か。啓蒙主義によるものなんだ、と。知の大家。世界のを俯瞰する神の視点にも感じる程、課題と状況が見抜かれいる。

    啓蒙とは。イマヌエル・カントはこう答えている。人間が自ら招いた未成年状態から抜け出ること。啓蒙のモットーは、知る勇気を持て。カント、スピノザ、トマスホッブズ、ヒューム、アダムスミスといった啓蒙思想家たちは、人間が非合理な感情や弱点を持つことを承知していた。逆に、反啓蒙主義とは。ナショナリズム、衰退主義、歴史悲観論者、科学批判。

    中国の道教と儒教、インドのヒンドゥー教と仏教とジャイナ教、古代ペルシアのゾロアスター教、ユダヤ教、古代ギリシャの哲学。孔子、ブッダ、ピタゴラス、アイスキュロス、ヘブライの預言者は同時代に生きていた。こうした「枢軸時代」は、何か霊的なものが地上に降りてきたと言うわけではなく、農業の進歩と経済の発達によって獲得エネルギーが急増し、短期的生存から長期的調和への優先順位の変更がなされたために、学者、聖職者階級が生まれたことによる。こうした「教え」のように、普遍的利益をもたらす規範と制度を生み出していける限りにおいて、人間社会は改善し続ける。生活水準の向上こそが究極の目的であるというような価値観に結びつく。

    それでも不安、不幸を感じる。これは、利用可能性バイアスが一因だとピンカーは言う。飛行機事故が自動車事故よりも深刻だと勘違いしたり、ジョーズを見た後に海に入りたがらない。リスクでないものをリスクと認識し、不安、気分の低下、学習性無力感、他人に対する軽蔑、敵意、感覚の鈍麻、極端な報道アレルギーが見られるやがて運命論者になる。嫌なニュースを見て、それで憂鬱になるが、そんなものは80億人いれば日常的に発生していて当然なものであり、自らネガティブな物語を増幅し、惑わされているに過ぎない。また、我々は、絶対的な貧しさよりも、相対的な貧しさの方が例え裕福であっても不幸を感じる。この事は社会的比較理論、準拠集団、状態不安、相対的剥奪など様々な概念で説明される。

    戦争や民族文化、虐殺は悲惨だが、それでも数は減っている。それは、戦争を美化したり、利他的な行為だと言う価値観が変わり、戦争が犯罪だとする考えが浸透したこと。確かに、兵士や軍機がカッコいいとか異教徒や他国と戦う事は悪くないような価値観は一定程度修正されてきた。

    これは上巻だが、前半だけでも見所、学びが多く、知識や知性のシャワーを浴びているような、それを幸せと感じられる心地良さがある。この幸福感は、単に学ぶ楽しさだけではなく、「人類は良い方向に歩んでいる」という説得が、前向きに心に響いているからかも知れない。

  • 難敵 哲学と、自然科学が入り混じっていて、量も多くなかなか読み進めません。
    全体で3部構成になっていて、上巻は、第1部と第2部の途中まで
    第1部 啓蒙主義とは何か
    第2部 進歩
    第3部 理性、科学、ヒューマニズム

    第1部 啓蒙主義とは何か
    啓蒙主義とは、次の4つ
     ・理性・科学・ヒューマニズム・進歩
    人間を理解する鍵とは次の3つ
     ・エントロピー・進化・情報
     人間を理解する3つの鍵で人類の進歩の過程を明らかにしよう。それによって、反啓蒙主義に抵抗しよう  が第1部の概要

    第2部 進歩
     一転、さまざまなデータをつかって、これまで悲観的であった世界は実は進歩の結果改善されていることを、数字で説明するもの。
     また逆に、数値の変化について、その原因を推論
    するもどりもあります。さながら、統計学のようです。
     たくさんの指標・法則ががでてきます。いくつか
    ご紹介すると
     ・乳幼児死亡率 ・識字率
     ・ジニ係数(経済的不平等を表す数値)
     ・ワーグナーの法則 豊かになるにつれ社会保障費率が25%に近づいていく
     ・価値のパラドクス 普及すると価格が下がる現象
     ・コホート効果 世代交代に伴う母集団の変化
     ・世銀の知識指数 識字能力 高校大学、進学率の評価
    イメージしにくい用語に加えて、年表と数字に覆われている 部 です。
    偏見と差別の減少と平等の権利という、児童労働の比率のグラフで終わる 章までが、上巻です。
     

  • レビューは下巻にて。

  • 昨年(2019年)、日本でもベストセラーになった『ファクトフルネス』(ハンス・ロスリングほか著)と同じ志向性を持つ本。
    平明・簡潔な啓蒙書であった『ファクトフルネス』のテーマを、より深く掘り下げた上級編ともいうべき書だ。
    じっさい、本書の中で著者は何度も、『ファクトフルネス』の著者たちの啓蒙活動に言及している。

    上巻の帯には、「世界は決して、暗黒に向かってなどいない。」との惹句が躍る。この惹句が全体のテーマの要約になっている。

    18世紀「啓蒙主義」の時代以降、理性・科学・ヒューマニズム・進歩の4語に象徴される啓蒙の理念と実践によって、世界は少しずつよい方向に進んできた。
    そしていまや、ほぼあらゆる面で、我々は人類史上最良の時代を生きている――。

    ……そのような認識のもと、著者は世に蔓延する「世界はどんどん悪くなっており、人類は破滅へと歩を進めている」という反啓蒙主義・反知性主義の言説を批判する。
    そして、世界が着実に改善されてきたこと、「昔はよかった」が幻想にすぎないことを、具体的データによって論証していくのだ。

    日々のニュースなどによって、未来に対して漠然とした不安を抱いている向きには、本書は気持ちを明るくする〝希望の書〟となるだろう。

    著者の前作『暴力の人類史』(2011年)は、「暴力の客観的な指標はすべて世界的に減少傾向にある」(本書289ページ)と論じ、暴力という側面に絞って〝人類史を振り返れば、世界はどんどんよくなっている〟ことを示した書であった。

    本書には『暴力の人類史』の焼き直しという側面がある。とくに、上巻の終盤部に当たる11章~15章は、『暴力の人類史』から数年を経てのアップデート版という趣だ。
    そして本書全体は、『暴力の人類史』の拡大版――つまり、暴力に限らず、あらゆる面で〝世界はどんどんよくなっている〟ことを示した内容である。

    本書は三部構成。
    第一部「啓蒙とは何か」は、啓蒙主義の意義そのものの問い直しであり、全体の内容を要約した序論でもある。

    上巻後半から下巻前半の第二部「進歩」は、〝世界はどんどんよくなっている〟ことを分野別に論証する各論部分。
    寿命・健康・食糧事情・貧困・不平等(格差)・環境問題・差別などのテーマが章ごとに取り上げられ、そのテーマをめぐる歴史的な改善の歩みがデータによって論証されていく。

    そして最後の第三部(下巻の後半)は、世にはびこる反啓蒙主義に対する徹底的反論となっている。

    この上巻は、第二部の各論の途中まで。
    内容にはおおむね同意だが、環境問題の章(10章)で原発を肯定している点、不平等について論じた章(9章)で格差が社会に与える悪影響を軽視している点は、やや首をかしげた。

    また、著者は遺伝子組み換え食品を全肯定しており(この点は私も同意見)、遺伝子組み換え食品否定派の人々から見れば、その点も受け入れ難いだろう。

  • 分母の大きなタイトルに違わず分母の大きな内容。
    内容をまとめると世の中は悪い方向に向かっているように見えて実はだんだん良くなってるというもの。飢餓、貧困、犯罪、暴力、経済などデータを示して論じている。↓引用
    「進歩というのはその足跡が見えにくい。〜基準が高まるにつれ、過去には見過ごしていたはずの行為にも敏感になったからである。」
    本書の現状で十分良い方向に向かっているという認識や、原子力発電の推進などは、政治的な指示基盤でいうと「保守」の容認に繋がりリベラル指示層、宗教家などは居心地が悪くなってしまいそうな気がする。日本国内に於いても政権与党が環境問題やマイノリティへ配慮した政策を始めたせいで、野党は、より過激な主張をせざるを得なくなり広い支持を受けづらくなっているように見える。

    本文中で紹介されているフランス・フクヤマの「歴史の終わり」も気になったので今度読んでみることにする。

  • 前著「暴力の人類史」の続編ともいうべき本書は、啓蒙主義の理念(=理性、科学、ヒューマニズム、進歩)がいかに世界人類を幸福に導いてきたか?をデータを駆使して証明。ファクトフルネスに近い内容ですが、ピンカー氏の「暴力の人類史」の方が早くから科学的データ主義に基づいて現代のありようを証明していたのではないかと思います。幸福に向かう進歩に関しては多様な意見があると思いますが彼の場合は誰もがそうだと思わざるを得ない価値観なので非常に説得力があります。進歩とは「死より生」「病気より健康」「飢餓より満腹」「貧困より裕福」「戦争より平和」「危険より安全」「先制政治より自由」「偏見・差別より平等」「文字が読めないより読める方」「無知より知「愚鈍より明敏」「不幸より幸福」「単純重労働より豊かな余暇」。完全に同感です。

  • 物事を客観的にとらえるためのグラフが豊富に掲載されていて有用。
    また、ピンカー氏の流麗な語り口はいつも楽しい。
    「木に登って足を滑らせれば、ニュートンの万有引力の法則にしたがい、9.8m毎秒毎秒の重力加速度で加速されて、地面に衝突したりした。」
    木から落ちたらケガすると言うために9.8m毎秒毎秒とか言いたくなってしまうあたり、親近感を覚える。学びが楽しくて仕方ない人々の病だ。とても共感できる。しかし、こういった語りを好まない人々も多くいるし、むしろそのほうが一般的だろう。ということは、本書の想定読者は私のような好奇心の奴隷であって、それを忌避するような一般の人ではないということになる。本書の内容は一般の人に理解されてこそ意味があるのだが。
    神・奇跡・聖典などキリスト教世界の「真実」をさっぱりと切り捨てていて、信仰のない私からは違和感がないが、この姿勢が信仰を持つ人にどのように受け入れられるのかは心配になる。
    内容が多岐にわたり示唆に富むので、すぐ関連情報を調べたくなってしまい、なかなかページが進まない。

  • 希望はもてるのだ。
    世界は終わったなどと簡単に嘆いてはいけないのだ。
    数字を見よう。
    極端は避けよう。

    マスメディアに対する警告はよくあるが、人権監視団体への言及は新鮮だった。

  • 【所感】
    ・内容、文章の構造、日本語のどれもが本書を読み進めることを阻まない。簡単に読める分量ではなかったが、ビル・ゲイツの愛読書ということでかなり構えていた割には読了するまでに要した体力は想定よりも少なかった。(深く読めば大変な体力を使うと思うが…)

    ・はじめは賛成しかねる主張も、その後につづく解説で納得させられてしまう。自分の思想や信念、理想を見直すきっかけとなり、読んでよかった。

    ・民主的な国は、現在ある経済理論の中絶妙にバランスのとれた、優れたシステムであるのだなといううなずき。

    ・「不平等」の解消よりも、全体の生活水準の「底上げ」が本来優先すべき課題であるという指摘が、本質的で、的を得ていると思った。

    ・100年、200年もしくはそれ以上の軸でみた世界は飢餓や感染症、争いなどによる死者が激減しており、「進歩に世界はよりよりよくなっている」ことを感じさせられた。

    ・よいことは時間をかけて積み上げられていくものでありニュースとして取り上げられにくいが、わるいことは瞬時に起こるのでニュースとして取り上げられる。割合として、悲惨なニュースが多くなるという解説が、ドーパミンなどの神経伝達物質を用いて解説されるよくある話とはまた別の切り口で新しかった。

    ・啓蒙主義そのものについての解説はさほど多くなく、イデオロギーを不勉強な私には、本書を一度読んだだけではまだ説明できない。

    ・本書が出版されたのは2019年12月。コロナウイルスやイスラエルにおける戦争など、世界を揺るがし、変えた出来事が起こる前であるため、若干の物足りなさは感じつつも、どの考察においても1800年代から遡っているものが多く、巷にありふれている記事なんかよりは深く、広い内容であり、読んでよかった。

    【印象に残っフレーズ】
    ・生きねばならない理由(P26)
     私たちはみな、「感覚をもつ存在」であり、自分が得られて当然だと思うものを、他の人々に提供する義務がある。他の「感覚をもつ存在」の生活の質、健康、知識、自由、豊かさ、安全、美、平和を求めること)をより高めることによって、私たちは進歩できる。

    ・人間の不完全さを補うもの(P67)
    ①抽象化能力
     ある状況に置かれた「物体」の概念を人のような
    「存在」の概念化に転用できる。
    ②組み合わせたり繰り返したりできる
     物、場所、経路、動作主、理由、目的といった基本概念を組み合わせて命題にすることで、多種多様な考えを生み出す。コミュニティで蓄えて共有もできる。
    ⇒コミュニティを生み、ルールをつくり、合意的な思考を育み、道徳的感情が生まれる。互いを傷つけないばかりか尊重するようになる。なぜなら、つり合いが取れる取引であっても、人を傷つけて得られる利益よりも、人を傷つけて被る不利益のほうがはるかに大きいからである。

    ・反啓蒙主義=ロマン主義(P72)

    ・批判されるべきナショナリズム(P71)
     テリトリーのなかの一人が他の多数のために自分の利益を犠牲にすのは、賞賛に値する立派な行為である。しかし、個人がカリスマ指導者のためあるいは国旗の名誉あるいは領土争いのために大きな犠牲を強いられるのは別の話である。一地方の分離阻止や、勢力圏拡大や、領土回復運動のために死を”抱きしめる”のは”喜ばしく”もなければ”名誉なこと”でもない

    ・イデオロギー(P76)
    政治的イデオロギーは理性と科学を蝕んでいる。人々の分別を狂わせ、昔ながらの同族優先の考え方を煽る。

    ・ニュースの特性(P88)
    ニュースというのはそもそも、わたしたちに「世界は悪いほうに向かっている」と思わせるようにできている。ニュースは何も起こらなければ報じない。悪いことは一瞬で起こりうるが、良いことは一朝一夕では成し遂げられず、ゆっくり展開するあいだにニュースの時間軸から外れてしまう。

    ・貧困の実態(P220)
    貧困を「人が稼ぐ額」ではなく「人が消費する額」で定義すると、アメリカの貧困率は1960年の30%から現在の3%へと、90%も低下していることになる。

    ・貧困を改善してきたもの(P220)
    ①グローバル化…いいものを、より安く買えるようになった
    ②技術の進歩…生活を豊かにする製品が世に出回り、時間、自由、価値ある経験をますます多くの人が手にできるようになった

    ・課題の本質(P224)
    不平等と一緒くたにされている個々の問題に取り組むことが建設的である。明らかな優先課題は経済成長率を上げ、得た利益を政府が国民に再分配することで生活水準の底上げをすること。

    ・「温和な商業」(P301)
    国と国とが貿易によって結びつけば、戦争をすることに魅力がなくなるという考え方

    ・進歩への感謝(P352)
    人は事故を(戦争などの悪意によってもたらされる被害より)残酷なものと考えない傾向がある。そのため、たとえ事故が減って世の中が安全になっても、それを道徳的勝利だとはみなさない。わたしたちはこのことに感謝すべきではないだろうか。

    ・無政府状態の危険性(P370)
    無政府状態は専制政治以上に悲惨である。大量殺戮は権力が行使されているときよりも、権力が機能していないときに生じやすいからだ。民主主義は絶妙なさい加減の政治形態と考えらえる。

    ・開放的な価値観(P412)
    現代化が進む(社会の中心が土地を耕すことから工業、そして情報へと移る)につれ、人々は敵やその他の現実的な脅威を追い払わねばという不安を感じることが少なくなり、そのぶん自分の理想を表明したり、人生が与えてくれるさまざまな機会を追求しようと思うようになる。結果として、価値観も自分や他人の自由を望むものへと変わっていく。

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著者プロフィール

スティーブン・ピンカー(Steven Pinker)
ハーバード大学心理学教授。スタンフォード大学とマサチューセッツ工科大学でも教鞭をとっている。認知科学者、実験心理学者として視覚認知、心理言語学、人間関係について研究している。進化心理学の第一人者。主著に『言語を生みだす本能』、『心の仕組み』、『人間の本性を考える』、『思考する言語』(以上NHKブックス)、『暴力の人類史』(青土社)、『人はどこまで合理的か』(草思社)などがある。その研究と教育の業績、ならびに著書により、数々の受賞歴がある。米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」、フォーリンポリシー誌の「知識人トップ100人」、ヒューマニスト・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた。米国科学アカデミー会員。

「2023年 『文庫 21世紀の啓蒙 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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