文庫 新・外交官の仕事 (草思社文庫 か 4-1)

著者 :
  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794221070

作品紹介・あらすじ

外交官は何をしているのか。どんな教育を受け、どんな手法を身に着けるのか。元外交官が明かして話題になった日本の外交の実相。最新情報アップデート版。

感想・レビュー・書評

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  • 外交官というものが薄く広くわかる本。

    ・AがBについて批判した、とニュースが流れた場合、仮にAは批判する意図を有していなかったとしても、一度大々的に報道されれば、それはもう実際に批判が行われたのとほとんど同じ。

    ・特に旧社会主義国においては個人所得税が低く、予算というものは強い者が勝手に使っていいという潜在意識が強い。ODA(日本政府の予算)ももらってしまえば、日本の政治家がその国に対する好意、またはなんらかの目論見があってくれたのだから、勝手に使っていいと思ってしまう。

  • 【284冊目】元外務省キャリアが描く、当事者から見た外交と中から見た外務省。外務省をめぐる論点はおおむねカバーされているのではないかな。
     ただ、記述がちょっと古くて、たとえば、テロの時代に書かれた本だから諜報も大国間競争というより、非国家主体も考慮しないとねということが書いてある。でも、数年経った今では米中対立が外交、国際情勢の前面に出ている。
     外交官としての特権や特殊性みたいなものはわりと少なくて、大企業の海外支社勤務や中央省庁の役人にとってはいくばくか心当たりのある記載なのかなと想像する。
     あと、筆者が現役時代にどのような評価を受けた外交官なのかが補足情報としてあれば、本書の内容をどこまで信じていいか評価できるんだけどな……笑

  • 外交官の仕事や教育、大使館や本省の雰囲気、交渉の場の実際、ODAや文化交流についてなど、実際に勤務してきた人だから書けることが多数。ちょっと外交官の世界を覗き見たときのことが思い起こされる。
    ロシア人が国際社会を見るときの癖や、報道に起きがちな実際との乖離など、鋭い考察も多い。

  • * 読了日20171122
    * 購入日20171009
    * Amazonで購入した。

  • 外務省らしからず?率直でよい。初級編。官庁の仕事やニュースの裏側。広報、文化の大事さ、シンボルのやりとり、要求するほうが負ける、時間と予算の取り合い、国際機関との関係、社会主義の分配社会、民主主義国家の戦略の難しさ、

  • かなり詳しく、かつフランクな領域の事項まで含めて、外交官の日常、業務、外交という仕事の要諦、本質、現代日本の外交課題というものまでヒローく、かつ堅苦しくなく語ってあり、わかりやすかった。

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著者プロフィール

1947 年、東京生まれ。東京大学教養学部卒業後、1970 年、外務省入省。ソ連・ロシアには4度駐在し、12 年間を過ごしてきた。東欧課長、ボストン総領事、在ロシア大使館公使、在ウズベキスタン・タジキスタン大使を歴任。ハーバード大学、モスクワ大学に留学。
2004 年、外務省退官。日本政策投資銀行設備投資研究所上席主任研究員を経て、評論活動を始める。東京大学客員教授、早稲田大学客員教授、東京財団上席研究員など歴任。
著書に、『遙かなる大地』(熊野洋の筆名によるロシア語小説、日本語版、草思社)、『意味の解体する世界へ』『新・外交官の仕事』『ワルの外交』『米・中・ロシア虚像に怯えるな』( いずれも草思社)、『改訂版 ロシアにかける橋』(かまくら春秋社)、『ロシア皆伝』(イースト新書)、『よくわかる大使館』(PHP 研究所)他。「ニューズウィーク日本版」(CCC メディアハウス)でコラムを執筆。「現代ビジネス」(講談社)、「週刊エコノミスト」(毎日新聞出版)などに寄稿。まぐまぐ社からメールマガジン「文明の万華鏡」を発行。

「2022年 『日本がウクライナになる日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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