- Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794218629
作品紹介・あらすじ
ペリー来航から、セオドア・ルーズベルトによるポーツマス条約仲介にいたるまで、アメリカの姿は日本史の中からほぼ姿を消す。だが日本の明治期に当たるこの半世紀にアメリカで起きていた出来事こそ、日米衝突を不可避なものとする要因となったのだ。国内産業保護を基軸とするアメリカン・システムの綻び、イギリスを筆頭としたヨーロッパ諸国との領土紛争、国内の人種問題。南北戦争、米西戦争、移民排斥、ハワイ併合、フィリピン領有を経て、良好な関係にあった日本を仮想敵国と見なすまでのアメリカの動きを、米側資料により初めて詳細に描き出し、太平洋戦争の起源に新たな解釈を加えた画期的な書。
感想・レビュー・書評
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ペリー来航から半世紀の米国史を詳らかにすることで、日米衝突に至るであろう道筋を浮き彫りにします。米国側からあの大戦の起源をたどった史実は、知らないことが多く、歴史から学ぼうとするものにとっての必読文献だと思います。本書によれば、日米の衝突は必然ですね。とすれば、衝撃を緩和するにはと考えるべきでしょうか?太平洋を制するには、ハワイがバイタルと見抜き、手中に収めた米国は恐ろしい相手です。国内事情ばかり研究している我国の戦史研究。今更ながら、複眼的思考、俯瞰的思考の大切さを痛感します。
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開国直後の1858年から日露戦争直後の1908年までのアメリカ史を
折に触れて日本との関係と照らし合わせつつ描く。
非常に読みやすく、かつ面白い。
アメリカの拡張政策や、ゴールドラッシュに端を発する
カリフォルニア開発と移民排斥問題、
ハワイ併合や米西戦争などを概説し、
明治史の要所要所で現れるアメリカの意図や狙いに納得がいく。
ある程度話を単純化しているように見られる箇所はあるが、
概要を俯瞰する意味合いではこの分量が最適だと感じた。
特に印象に残った米西戦争やセオドア・ルーズベルトについては
改めて学びたい。
近代史の知識を深めるのに適した一冊であり、オススメ。