- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794210609
感想・レビュー・書評
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読み終わったあとは、後悔だった。 どうしてもこんなに人への思いやりに厚いのか? 今自分は誰のために生きているのか? 自分自身のエゴだけか! そんな毎日で本当に良いのか?という後悔だ。
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『文献渉猟2007』より。
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一人一人の特攻隊員のエピソードが詳しく書かれて分かりやすかったです。
トメさんはすごいけど、娘目線だと、自分の宝物を盗んだ人を住み込ませるのは絶対いやだな、窃盗犯とは住みたくない。昭和ならではの話に感じた。冷たい人間ですかね。 -
鹿児島県の知覧特攻基地の特攻隊員と基地の近くにある
富屋食堂のトメさんの話。
印象的だったのは、
"トメさんが虫垂炎をこじらせ、一旦死にかかってから、生き延びた後に、自分は神の思し召しでこの世に残されたのだと思い、「残されたのは、おまえにまだする仕事があるという神の御心であろう」と思い込む。そしてその信念は次第にトメの心のうちで強固なものになる。彼女の場合「する仕事がある」という命題は、やがて自分には「人のためにやらなければならない仕事がある。人のために尽くさなければならない」という方向に向かって強く収斂していく。"
という箇所だろう。
何事かをなさんために人は生まれて来るのだ。
それも含めて、色々な箇所でやっぱり泣いちゃうね。
いつか知覧の特攻記念館に行ってみたいと思った。 -
涙 トメさんの底知れぬ愛情と特攻兵達の想ひ
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「あの人たちはお国のために尊い命を犠牲にしたんだよ。たった一つしかない命を投げうって死んでいったんだよ。それを忘れたら罰が当たるよ。日本人なら忘れてはいけないことなんだよ」
鹿児島の山の懐に抱かれた小さな盆地、知覧。この町の飛行場から、多くの少年飛行兵が沖縄へと飛び立ち、その多くは南冥の海に沈んだ。
肉親と遠く離れ、過酷な訓練に明け暮れる彼らを我が子同然に慈しみ、見送り、戦後『特攻の母』と呼ばれた富屋食堂の“小母ちゃん”こと鳥浜トメさんと特攻隊員の交流、“彼らから寿命を分けてもらった”戦後の、飛行兵の名誉を守る彼女の生涯の記録。
訓練の合間に通い詰める食堂の小母ちゃんに“母”を求めるほどに若い飛行兵。彼らを待つ過酷な運命を思うと涙なしには読むことができない。
残された写真の彼らの笑顔を見る。
たしかに拒む権利などなかったのかもしれない、それしか、方法が見出せなかったのかもしれない、本当は死にたくなどなかったのかもしれない。生き残ることが許されなかったのかもしれない、それはもう狂気だったのかもしれない。
後世の人が、他国の人がなにを言おうと、彼らは自らの運命に覚悟を決めて、すべてを後に残った人たちに託し、日本の復興を信じて飛び立っていったに違いない。
それほどに皆の笑顔は、美しい。 -
特攻の母として、良く知られた知覧、富屋食堂、鳥浜トメと特攻隊員の話。
映画にもなったので、読む機会を待っていたが、やっと探すことが出来た。
本人の娘さんからの、(聞き書き)なので、多少の身びいきもあろうし、
色々な噂もある人だが、これが一番真実し近い人物像だと思い、素直な気持ちで読んだ、やはり、素晴らしい人である。このような、人と特攻隊員、やはり涙なくしては、読めない。読んで良かった一冊。 -
この本は鹿児島県の知覧特攻基地の若い特攻隊員と基地の近くにある
富屋食堂のトメさんの話です。
これは私が以前知覧記念館に行く前夜、飲み屋の隣のおじさんに
富屋食堂を紹介してもらい、それがきっかけで読みました。
自分の子供の様に慕い、包容力が非常にあって、食堂に来た翌日に国の為に飛んでいく隊員を見送り、相当強靭な心の持ち主だと感じました。
鹿児島県の知覧、そして著書を是非読んで頂きたいです。 -
多くの若き特攻隊員を見送ったトメさん、戦後は米兵にも慕われたというエピソードには驚いた。盗みに入った泥棒まで面倒をみたという。特攻隊員に30年寿命をもらったというトメさんは、その寿命を他者のために全うしたのだなぁ。特攻隊員達の過ごした最後の数日は、やはり涙なしに読めない。