果てなき渇望: ボディビルに憑かれた人々

著者 :
  • 草思社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794209757

感想・レビュー・書評

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  • 丹念な取材、綿密な構成、しかし冗長さがつきまとう。が、面白い題材だし読み応えは非常にあるので、ナンバーに収録されてる第三章の別バージョンから入るのがおすすめです。

  • ボディビルについて、本書に書かれている通り興味もなくムキムキな自己愛の強い人の趣味と思っていた。ただ、読み進めるうちに、体を大きくしたいというのは人間の根源的な欲望なのかもしれないと思うようになった。スポーツを少しでもした人間なら、トレーニングを通じて自分の体が変わっていくことの愉しさは知っているはず。日常的な運動から離れて久しいが、体を動かしたくなった。
    ステロイドを使い、命を賭け、家庭も捨てボディビルに懸ける。プロ野球を目指し越境入学する子供たちと何が違うのか。
    「人間が入手しうる最高の筋肉を身につけたい。もしそれが叶ったら…それ以上の幸せはありませんが、後はそれを維持するか、衰退の速度を緩やかにする努力をするだけでしょうね。」

  • 人々が筋肉を成長させていく過程で「もっともっと」という欲望がドーピングへと駆り立てる模様を実話を元に描いている。
    善悪の判断ではなく、ドーピングそのものの実態を理解するための良書である。
    登場人物は名前こそ仮名であるが実在する人物をモデルにしている。

  • 私が大好きなノンフィクション・ライターの一人。著者がナンバーノンフィクション新人賞を受賞した作品を加筆して出版した力作である。臨場感たっぷりなボディービルダーの心身の躍動と心身の「静」の描写が印象的な作品。

  • 水道橋博士推薦本 三島由紀夫 コンプレックス 筋肥大=自意識肥大

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著者プロフィール

増田 晶文(ますだ・まさふみ)
作家。1960年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。人間の「果てなき渇望」を通底テーマに、さまざまなモチーフの作品を発表している。文芸作品に『稀代の本屋 蔦屋重三郎』(草思社文庫)、『S.O.P.大阪遷都プロジェクト――七人のけったいな仲間たち』(ヨシモトブックス)、『ジョーの夢』(講談社)、『エデュケーション』(新潮社)など。デビュー作『果てなき渇望』で文藝春秋ナンバー・スポーツノンフィクション新人賞および文春ベスト・スポーツノンフィクション第1位を獲得、『フィリピデスの懊悩』(『速すぎたランナー』に改題)で小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。日本酒の神髄を描いた『うまい日本酒はどこにある?』『増補版・うまい日本酒をつくる人たち』(ともに草思社文庫)も話題に。

「2021年 『文庫 絵師の魂 渓斎英泉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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