- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794205339
感想・レビュー・書評
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日本最後の宮大工からその技巧を受け継ぎ、現代に合わせながらその次の世代に受け継ごうとしている人の本。
この人たちは言葉ではなく、鑿によって道具によって表現しているのだと思った。一度関西近畿地方に行き、彼らの努力のあとを見てみたい。
やはり体験は大事であるということを再認識する、そんな本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
学生時代
常岡さんシリーズのひとつ。小川さんの方はあまり記憶に残ってないのは何でだ。2021年記載 -
宮大工、昔ながらの徒弟制度。物づくりに携わるものとして、通じるものが、ある。
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「人間は生まれたままの個性を持っている。本当の教育というのは、その個性を伸ばしてやることだ」
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読んでおいて損はない
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◆感想
何冊かの本を同時並行で読んでいると、同じタイミングで似たような言葉に出会うことがままある。今日もそれがあった。
小川さんの「言葉では何にも伝わらないんだ。言葉で物事が伝わらないっていうことがあるんだ」…p151 という言葉がそうだ。
雑誌BRUTUS2016年9月号(星野道夫特集)に養老孟司が寄せた文章の中でも、養老さんが似たようなことを言っていたし、その言葉が今日の私に響いた。
似たような言葉に出会うということは、その言葉に自分のアンテナがピピッと反応したということで。だから引っかかって、出会う。自分が感じていることを文章にしてもらったような、そんな気分になる。
法隆寺の宮大工、西岡棟梁の弟子である小川三夫さんの本。天、人も読んでみたい。
2017/1/12
◆引用
・そばにあって毎日見ていたって、そのつもりで観察してなきゃ一生見えない、知らないままだ。…p105
・質問するときら先に自分の考えを述べる、その大事さを痛いほど教えられたって。…p106
・図面を読め、見たらあかん。図面上では木はこう出ているけど、裏はああなっているんやろうな。そうやって上っ面だけでなしに裏も読むんや…p110
・棟梁が鬼になってまで守ろうとしたものは何だったかって?もちろん法隆寺そのものということもあるだろうけど、木の命をいかに生かすかという技術と、木の心を知るための飛鳥の工人から引き継がれてきた知恵をいかに絶やさず伝えるかということだったんやないかな。…p117
・「時間の長さ」を知ろうとしたら、「耐える」ことを体験することが大事なんやないかな。…p149
・言葉では何にも伝わらないんだ。言葉で物事が伝わらないっていうことがあるんだ。…p151
・人は木と同じでそれぞれ癖があるんだ。それを無視したらだめになってしまう。癖を生かすように、それを伸ばしてやるのが教える側の勤めや。…p152
・欲しいものをやるには、その面白さに魅せられるようにタイミングを見計らってやらなくちゃいけない。早く与えすぎたら、仕事がしんどいし、遅すぎたら熱が冷めてしまう。機を見てわ「これを削ってみい」って大きな木を与える。そこらの木端(こっぱ)を与えてはだめだ。…p172
→育児していくなかで気をつけよう!と意識していたことだ!
・大きな木は自然に人を大きく育てるからな。こらはすごいことだで。(中略)若いときから時間だ、お金だって考えていたら、人間細かくなっちゃうよ。ここではそれがないんど。とにかく思い切りとことんやる、これだけだ。…p174
・機械がものづくりの主力ちなると、機械で処理しづらい木というのが必ず出てくるんだ。(中略)そうするとどうなるかっていうと、そういう木は使わないようになる。こうして使いやすいほうへ、使いやすいほうへと流れていってしまうわけだ。…p180
他書とリンク -
資料番号:110008125
請求記号:526.1キ -
「木組みは寸法で組まず木の癖で組め」
見る目がなくても、誰にでも同じように見えるモノを基準にするのはよいのか実は悪いのか?
要点を押さえられないから、表面的な事象を基準とすることに逃げていないか?
使うのなら、ちゃんとそれが方便だと意識して使っているのか?
いろいろ突きつけられました。 -
突き詰めて突き詰めてつきつめた先にあるのは感と勘。