マスコミが報じないトランプ台頭の秘密

著者 :
  • 青林堂
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784792605681

作品紹介・あらすじ

トランプが世界を救う!権利や平等の名の元で破壊されつつある米国に立ち向かうトランプ。米国の惨状とトランプ人気の秘密がコミンテルンハンターとして名高い著者によって明らかとなる!

感想・レビュー・書評

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  • ブックオフで購入。

    少し遡ってトランプ以前のアメリカでトランプが期待されているという時代を取り上げた本です。
    国際政治において、「アメリカは日本を○○にした/したいと思っている」という評論は多いけれど、江崎氏が現場で見たアメリカは、一枚岩ではなく、色んなアメリカがあるのであって、それをひとくくりにして論じてしまっては、日本は道を見誤るのでは、との主張です。日本に強くなってもらいたい派閥、日本には弱いままでいてもらいたい派閥。言われてみれば確かにそうで、それは、トランスジェンダーをひとくくりにしてしまうのにも似ています。いろんな派閥があって、内部対立的なことがあって、その構造をいい悪いとは一度切り離して理解する必要がある、という、奇しくも、同じ日に買った『クラゲ・アイランドの夜明け』と同じ切り口で読むことになりました。その上で、日本はどうするのか、何を決断するのか。日本の中年層には、責任を取ることを嫌うあまり、決断を避けて曖昧にしておくことを良しとするきらいがあります。思い切った舵取り、改革、……情報を取った上で、その決断をしていくことが重要となります。

    後半は、なぜ、政治の世界で、サヨクが幅を利かせるのかのメカニズムを江崎氏らしく、構造、行動原理から読み解くパートとなります。それによって保守も同じように行動し、対抗しないといけない、というわけです。

    わたしが気になったのは、「ねこじゃらし」の手法です。例えばトランスジェンダーの問題で考えてみると、わたしたちは確かに生きづらい点もあるけれど、活動家の言っていることは過激で疑問の残る言説もあります。当然それに対する反発の言説が保守側から出てくるのは必然の流れと言えますが、これは「おとりの議論」であって、その議論に乗せられているうちに、サヨクが本当に実現したいことをこっそり水面下で進められてしまう……
    わたしたちのような一般人はそれらの激論に入るべうもありませんが、いちトランスとしては、我々の存在が「利用される」ものであってはならない、と強く思います。構造をしっかりと見抜いて、何を決断すべきか、自分で考えるようにしたいものですね。

  • アメリカが日本と同じ、或いはそれ以上に内部から破壊されているとは!!
    2020年の大統領選挙を見ていたら、アメリカ人大丈夫?とか思ってしまっていたが、誤解していた部分も多く、今現在どうしてこの様な酷い混乱が起きているのかがよく分かった。
    何故トランプ大統領が誕生したのか、アメリカ政治の歴史、何が起きていたのを理解でき、大変勉強になったよ。
    というか、もう読んでて気持ち悪くなってきた。
    第3章として、日本についても言及している。
    日本もヤバイよ。国民が実売を知って、賢くならなくては。

  • アメリカは決して一枚岩ではなく、日本に入って来る情報、日本のマスコミが伝える情報は、いわゆるリベラル左派に偏ったもの。
    もともと、アメリカの自由主義は共産主義に蝕まれていて、かの戦争では日本もその割食ってるわけだし、今でもアメリカという国を分断する。

    この本はまだ、トランプが大統領選に挑んでいる頃に書かれており、オバマがアメリカの解体を進めていたのに対して、保守の反動というか、戦いとしてトランプ台頭を推しているということだ。

    アメリカは土地が広く人種が広く、各州の権限が大きいため、困ったちゃんが罪を問われないサンクチュアリと呼ばれる地域が多々ある。
    かつてのウーマンリブも、男性を搾取階級と位置付けてそこからの解放を是とした。
    ポリティカルコレクトレスによる言葉狩りは、良き伝統も破壊する。

    なんだかな。おんなじことやられてるよね。資源も国土も乏しい小さい国で。

    国を守るという視点からも、米国との付き合い方、付き合って来た姿勢も論ずる。

    その辺のトランプ本かと思ってたら違った。

  • トランプ氏が大統領に当選する前に書かれた本。
    マスコミが報じないアメリカことがよくわかり、アメリカも一枚岩ではないことがよくわかった。

  • ~もしもトランプ大統領に「共に立ち向かおう」(Let's Tackle Them Together)と手を差し伸べられたなら~ 「アメリカ保守を最もよく知る日本人」である著者が解き明かすトランプ台頭の真実
     
    ▼その男、異端にあらず 
    ▼アメリカ草の根保守の原点、”初恋の”バリー・ゴールドウォーター上院議員
    ▼民主党ジョンソン陣営がゴールドウォーター氏に仕掛けた“恥知らずなCM”
    ▼レーガンを勝たせた“連合主義”
    ▼そして再びサヨク・リベラルが席巻する時代へ
    ▼共通の目的「反共・反ルーズヴェルト・反東京裁判史観」
    ▼「共に立ち向かおう」(Let's Tackle Them Together)
      
     
    もしもトランプが大統領になって日本に対して「共に立ち向かおう」(Let's Tackle Them Together)と手を差し伸べてきたのならば、あなたはどう思いますか?
     
    「あの粗野で横柄なトランプがそんなこと言うワケない」
    「あり得ない」
    「馬鹿げている」
    「日本が大混乱に陥る」
     
    確かにその通りです。私もそう思います笑。
    ですが、果たして本当にトランプが「共に立ち向かおう」と言う可能性は“ゼロ”なのでしょうか?
    万が一にも、そのような事態になった場合のことを考えなくていいのでしょうか?
    また、それは日本にとって“マイナスである”と決めつけてよいのでしょうか?
     
    目下、民主党の大統領候補ヒラリー・クリントン氏と激戦を繰り広げているトランプ氏ですが、彼の最大支持団体は全米有権者の約1割、“1100万人”にのぼると言われる「アメリカ草の根保守団体」であり、彼のブレーンにはレーガン政権時代の主要メンバーが名を連ねていると言われています。
      
    そして、そのアメリカ草の根保守こそ、「強い日本がアジアに安定をもたらす」とする“ストロング・ジャパン・ポリシー派”なのです。
    ならば、どうしてその彼らが支持するトランプが「共に立ち向かおう」という可能性を排除できるというのでしょうか。
    そしてなぜ“ストロング・ジャパン・ポリシー派”であるアメリカ草の根保守がトランプを支持するのか、その理由(ワケ)を知りたくなってくるのではないでしょうか。
      
    本書を書かれた江崎道朗先生は、日本の近現代史研究および安全保障、インテリジェンス、情報戦に関する分野に団体職員として、あるいは国会議員政策スタッフとして長年携わって来られたスペシャリストであり、さらにアメリカの草の根保守の重鎮らと10年以上にわたり交流を深め、アメリカ保守派の苦闘の歴史を綴った「現代アメリカ保守主義運動小史」の邦訳編集に携わるなど、まさに日本における“アメリカ保守に関する第一人者”と言える方です。
    特に近年は憲政史家の倉山満先生が主催するネットチャンネル「チャンネルくらら」にもレギュラー出演され、精力的に活動されています。
      
    そんな”コミンテルン・ハンター”江崎道朗先生が手がけた渾身の一冊である本書を読めば、「トランプ台頭の真実」が見えてくるのではないでしょうか。
      
    ここでは、本書の内容を踏まえた上で、日本ではあまり知られていない「アメリカ保守運動の近代史」に焦点を当てつつ、本書以外の文献からの引用も用いながら書評を書いてみたいと思います。
    そして最後に「共に立ち向かおう」(Let's Tackle Them Together)は一体“どこ”から引用した言葉なのかについても触れたいと思います。
     
    ▼その男、異端にあらず 
    本書では現在のアメリカの政治状況がいかに悲惨なものになっているのかということが語られています。まさに「内戦状態」だと。
    それもこれも、古くはF・ルーズヴェルト政権時代から続くサヨク・リベラルによる「自虐史観教育」が米国を蝕んできているからだと著者の江崎先生は指摘します。
    (このあたりの惨状は米国保守派の大物論客、パトリック・J.ブキャナン氏の著書「病むアメリカ、滅びゆく西洋」でも克明に綴られています。)
     
    2016年現在においてもオバマ政権下で「White Guilt(白人の罪)」と呼ばれる“反米自虐史観”が蔓延しているそうなのですが、それもそのはずで、当のオバマ大統領自身がアメリカの伝統的価値観を破壊する「共産主義者」ではないかという強い疑念がもたれているというのです。(オバマ氏は学生時代、熱烈な共産主義者であったこと、大学を卒業した後は“コミュニティ・オーガナイザー”と呼ばれる社会主義の“先導者”をしていたことが明らかになっています。)
     
    そのような「アメリカの危機」に登場したのがトランプでした。そしてトランプの唱える政策は、まさにアメリカ保守の本流、ロバート・A・タフト、バリー・ゴールドウォーター、そしてロナルド・レーガンに連なる「正統的なもの」であり、その政策を詳しく読めば、掲げられている政策は“極めて穏当な共和党の伝統的理念に基づいて構成されたもの”であることが明らかだと江崎先生は指摘されています。
     
    ▼アメリカ草の根保守の原点、”初恋の”バリー・ゴールドウォーター上院議員
    “保守の衝動”などというものは全然思慮深さがなく、せいぜい理念のようにみえる、“いらついた精神のジェスチャー”に過ぎない
     
    これほど奇怪で、これほど時代遅れで、これほど自己混乱していて、アメリカ人の基本的な総意からこれほど隔たった理念を持った者が今までいただろうか?
     
    責任感がなく、右翼で、過激派で、人種差別的で、そして“気違いじみたキルト[端布刺繍]の収集だ
     
    内心は大量殺戮者
     
    これらの言葉を今見ると、誰しもが「トランプ氏に向けられて発せられた言葉だろう」と思うのではないでしょうか。
    ところが、これらの言葉はトランプに向けて発せられた言葉ではありません。
    これらの言葉は1960年代のアメリカ保守派の英雄、“タフトの後継者”、“ミスター共和党”バリー・ゴールドウォーター上院議員に向けて当時のサヨク・リベラルが発した言葉でした。
     
    ロバート・タフト議員やレーガン元大統領に比べれば、日本では「ほぼ無名に近い存在」のゴールドウォーター議員ですが、アメリカ保守にとって、「ゴールドウォーター」の名は“初恋の思い出”のように忘れられない存在であるそうです。(「現代アメリカ保守主義運動小史」より)
     
    そんなゴールドウォーター氏に浴びせかけられた誹謗中傷の数々が、呆れるぐらいに今のトランプ氏に向けられているそれと似ているように思えるのは気のせいでしょうか。
     
    対する“ミスター共和党”、ゴールドウォーター議員もトランプばりに負けていません。
    自由の擁護において過激主義は少しも悪いことではない!とあなた方に指摘したいと思う。そしてまた、正義の追求において節度は少しも美徳ではない!ということも
    (1964年共和党全国大会での大統領候補指名の受諾演説より)
    と述べています。
     
    このあたりの構図もまさに2016年現在のアメリカ大統領選のそれと瓜二つと言えますし、トランプ氏の過激な発言だけを見ているだけでは気づきもしませんが、「挑戦的な保守派」というスタイルは“共和党の伝統スタイル”なのだと言えそうです。
     
    ▼「ジョンソン陣営が仕掛けた“恥知らずなCM”によって、ゴールドウォーターの大統領キャンペーンはぶち壊しにされた」(“広告の父”デイビット・オグルヴィ)
     
    バリー・ゴールドウォーター上院議員はアメリカ草の根保守の熱烈な支持によって下馬評を覆して共和党の大統領候補となり、民主党候補のリンドン・ジョンソン氏と対決します。
    この時、「こだまに惑わされず選択せよ」という著書を出版し、ゴールドウォーター支持の中心的な役割を演じていたのが本書でも“草の根保守の重鎮”“保守のチャンピオン”として本書でも語られている故フィリス・シュラフリー女史でした。
    (2016年9月5日に92歳で亡くなられたシュラフリー女史の最後の遺言が”保守はトランプを支持せよ“だったそうです。)
     
    しかし残念ながら、直前に起きたケネディ大統領暗殺によるジョンソン氏への同情票、さらにジョンソン陣営が仕掛けた「恥知らずな宣伝戦」によってゴールドウォーター氏は大統領選で敗北してしまいます。
     
    “広告の父”“広告王”呼ばれたエグゼクティブ、オグルヴィ&メイザー社の創設者であったデイビット・オグルヴィ氏は著書「“売る”広告」でジョンソン陣営の“恥知らずなTVCM”が、“公人として最も尊敬に値する人間の1人である”ゴールドウォーターを貶めたと断罪しています。
     
    1964年、バリー・ゴールドウォーターの大統領キャンペーンは、対立候補のリンドン・ジョンソン陣営が仕掛けた恥知らずなCMによって、その効果をぶち壊しにされた
     
    ジョンソン陣営は、歯磨きのCMならとても許されないような不正で皮肉に満ちたCMで、ゴールドウォーター上院議員を貶めた。CMによって有権者に、ゴールドウォーターは無責任かつ無思慮で好戦的、躊躇なく核戦争を始めかねないという印象を与えたのだ。
     
    テレビCMが次期アメリカ大統領選を決める決定的な要因になることが多い時代では、不正な広告をすることは、投票箱に不正票を投じるのと同じくらい罪が重い。こんな悪事に身を売って、あたらその才能を卑劣な目的に供した広告人は、きっとあまりにも単純素朴で、問題の複雑さが理解できないのだろう。
    (デイビット・オグルヴィ著「“売る”広告」より)
     
    ▼レーガンを勝たせた“連合主義”
    サヨク・リベラルに苦杯を舐めたアメリカ草の根保守ですが、ここから「保守主義運動の反撃」が始まります。
    アメリカ保守はゴールドウォーター氏の大統領選、支援活動を通じて組織力、資金調達のノウハウを得ていました。
    さらに“ゴールドウォーターの後継者”としてロナルド・レーガンを見い出します。
     
    これによって選挙戦・組織運営のノウハウ、ネットワーク、資金調達力、しかるべき候補者が揃いましたが、さらにもう一つ「必要なこと」がありました。
    それが本書でも触れられている“連合(fusionism)”です。
    要するに“和を以て貴しと為す”とし、広く支持結集しようということです。
     
    日本でもよく見かける光景ですが、保守と言われる方はその信念の強さ故か「100%の同意しか認めない」傾向にあるように思えます。
    とはいえ、現実的には自分の考えと100%同じ他人などあり得ません。お互いがお互いの考えは尊重しつつ手を取り合う。
    日本の“和を以て貴しと為す”精神がアメリカ保守にも求められたということではないでしょうか。
    (とはいえ日本の場合は“和を重視せよ”と言うと、それが過ぎて“主体性”すらなくしてしまいかねませんが、自己主張の強いアメリカではその位がちょうど良かったのかもしれません。)
     
    ▼そして再びサヨク・リベラルが席巻する時代へ
    レーガン時代で終わっていればハッピー・エンドだったかもしれませんが、その後のアメリカ政治は紆余曲折を経て、再びリベラルが席巻する時代になり、いまのオバマ政権になりました。
    共和党自体もかつての極左(トロツキスト)である“ネオコン”の台頭を許してしまい、かつ“ライノー(名ばかり共和党員)”と呼ばれる、自民党の中の親中派議員の如き議員が主流派を占めるようになってしまいました。
     
    江崎先生がレギュラー出演しているネットチャンネル「チャンネルくらら」での放送によれば、アメリカ草の根保守の間では「今回の大統領選で勝たなければアメリカの保守は終わる」との非常に強い危機感があるそうです。
     
    だからこそ、アメリカ保守の“最も伝統的”であり、“最も正統的な政策”を掲げる、サヨク・リベラルのレッテル張りに真っ向から立ち向かい、「強いアメリカを取り戻そう」と主張するトランプが支持されていると言えそうです。
     
    おそらく、そういった“本質の部分”が見えてこないとトランプに対する評価も“単なる扇動家”、“炎上マーケティングが上手いビジネスマン”という程度の域を出ないものにしかならないのではないでしょうか。
     
    ▼共通の目的「反共・反ルーズヴェルト・反東京裁判史観」
    本書において江崎先生は、傍観者としてのアメリカ論で終始するのではなく、「では日本としてどうするのか」という当事者意識を問いかけます。
    そして「日米の保守が手を取り合うことは可能だ」とし、そのための重要な一片(ピース)が、アメリカ草の根保守が「クソ食らえ」と断じる、第二次世界大戦期の民主党F・ルーズヴェルト政権そのもの、あるいはルーズヴェルト政権下で行われた数々の経済・外交政策であると指摘します。
     
    F・ルーズヴェルト政権は実はソ連の共産主義ネットワーク“コミンテルン”によって政権中枢を乗っ取られ、ソ連のスパイによって操られていたことが、1995年に公開された「ヴェノナ文書」によって明らかになっています。
    日本においては、その共産主義に染まったF・ルーズヴェルト政権下で決定した対日外交方針によってGHQの占領政策や“合法的手続きの仮面を被った復讐“”いかさまの法手続き“としての東京裁判が行われていたのです。
     
    これは、日米の保守が「反共・反ルーズヴェルト・反東京裁判史観」という点において共闘できるということを、アメリカ草の根保守がレーガン政権下で実現し、勝利を手にした“連合主義”を日米の保守間で実現しうる可能性を秘めていることを表しているのではないでしょうか。 
     
    ▼「共に立ち向かおう」(Let's Tackle Them Together)
    最後に冒頭に触れた「共に立ち向かおう」(Let's Tackle Them Together)はどこから引用したものかというと、これは平成27年4月22日にインドネシアで行われたアジア・アフリカ会議、通称“バンドン会議”での「60周年首脳会議における安倍総理大臣スピーチ」から引用させて頂きました。(外務省HPより)
     
    日米の保守が「反共・反ルーズヴェルト・反東京裁判史観」で共闘できたのなら、そこにインド・ミャンマー・タイ、ASEAN諸国などの“アジアの国々”も加えることが可能となります。
    なぜなら、アジアの国々の多くが大東亜戦争の際、日本が掲げた“欧米列強による植民地支配からの解放”というスローガンに呼応し、戦後の独立の礎を築いていったからです。彼らにとっても独立の礎であった大義を否定する“東京裁判史観”は許し難いものなのです。
     
    「反共・反ルーズヴェルト・反東京裁判史観」という”共通の目的“のもと日米の保守及びアジア諸国が結束し、困難に立ち向かうというのは”夢物語“なのでしょうか?
     
    確かに険しい茨の道かもしれませんが、“トランプ大統領誕生”のあかつきには、その実現可能性が僅かながらであっても高まってくるのではないでしょうか。
     
    もしトランプ大統領に「共に立ち向かおう」と手を差し伸べられたなら―
     “差し出されたその手を力強く握り返すことのできる手”を日本は持っているのでしょうか?
     
    もしトランプ大統領に「共に立ち向かおう」と手を差し伸べられたなら―
    「おカネ(予算)がありません」と拒否するのでしょうか?
     
    もしトランプ大統領に「共に立ち向かおう」と手を差し伸べられたなら―
    それとも、「F・ルーズヴェルト政権下のニューディーラー達(=GHQ)が制定した“日本国憲法”で制約されているので共闘できません」と拒否するのでしょうか?
      
    これからの国際社会で日本はどのような方針を取るべきなのか、日米同盟の在り方をどうするべきなのかを考える上での多くのヒントが本書には詰め込まれています。
    是非、多くの方に本書を読んでみて頂きたいです。
    おススメです!

  • 良書である!特に第二章は広く日本でも現代史の教育に取り入れるべきである!
    今や戦後レジュームを脱し本来日本の歩む道をしっかりと見つめる時期!著者の主張する保守の連携、国際社会との連携は、新たな気付きである!

  • 著者の江崎さんという人はすごい。選挙の結果が出る前にトランプの当選を予測し、トランプが流れとしては反リベラルサヨクとして大統領になるのは当然、という前提で本を書いている。アメリカのマスコミも「リベラル・サヨク」が牛耳っており、日本の朝日新聞、毎日新聞、琉球新報みたいな新聞社ばかりだという。そういったことでタイトルは「マスコミが報じない」となっている。
    トランプの話だけでなく、日本の今後の米国との付き合い方、防衛、憲法改正についてもわかりやすく主張を書いている。防衛についてはアメリカにおんぶにだっこの状況は終わり、自ら防衛する、アメリカと協力して戦う路線を表明しないとアメリカに見放される。アメリカは味方でなくなった途端に敵とみなされるからだ。日米安保がなくなったら防衛はどうするのか、を考えさせられた。

  • トランプ人気の秘密
     財力、NBCのThe Apprenticeのホストを10年、ラジオ・テレビの出演が多く、メディアというものを知っている、勉強家努力家

    ホワイトギルド 白人であることの罪 自虐的なアメリカ

    PCの行き過ぎ 白人中産階級が伝統的に大切にしてきた価値観を抑圧する言論統制と化している

    オバマ 就任後すぐしたのはチャーチルの銅像をイギリスに返してマーチン・ルーサー・キングの銅像に置き換えた

    オバマケア 週30時間以上働いている労働者に全員健康保険を提供しなければ、国が企業に罰金を払わせるという法令
    中小企業はそんなこと出来ないで、フルタイムをパートにした 失業者があふれた

    トランプの政策
    #1 アメリカを再び偉大な国へはホワイトギルト、白人であることの罪への対抗
    #2 対外政策アメリカファースト アメリカ封じ込め政策への異議申し立て ネオコンのような介入主義でなく、共和党の伝統政策に基づく、アメリカが主導して自由と繁栄の国際秩序をつくるという考え方
    #3 中産階級の復活

    移民がいけないのではなく、不法移民がいけない

    キリスト教界の左傾化 1960後半
     チェコスロバキアの牧師 ヨセフ・ルクル・フロマトーカ
     コミンテルンがキリスト教界の左傾化をすすめた

    不法移民の楽園 サンクチュアリ・シティ 連邦法に従わない都市
     不法移民が逃げ込めば、法を犯して入国したとしても、人権がなによりも重要ということで、違法滞在ができ、運転免許も取れ、多分、投票もできる
     サンフランシスコ
     不法滞在者はアメリカの社会保障制度の恩恵に与るために不法にアメリカに侵入

    フィリス・シュラフリー アメリカ保守活動家
    92歳で死亡 保守のチャンピョン

    アメリカの偏向報道

    コミンテルン用語で内部穿孔工作

    ルーズベルト民主党政権 1930年代 世界恐慌で貧しくて食べられないジャーナリストがたくさん
    コミンテルンは彼らを集めて組合を作り、社会主義的なニューディール政策の宣伝を税金を使ってやらせた。コミンテルンに忠誠を誓ったものに優先的に仕事をまわした
    コミンテルンから離れようとした人は、アメリカ共産党のエフォートセクションという秘密のテロ工作組織によって強迫や嫌がらせや迫害をされた

    ルーズベルト民主党政権 共産主義者と手を結び、ルーズベルトの外交や戦争指揮、戦後の東京裁判やニュルンベルク裁判を正当化する史観を徹底的にプロパガンダ

    そのプロパガンダに逆らって迫害をうけたのが、チャールズビアードという歴史家 ルーズベルトの責任

    ルーズベルト史観 日本とドイツはファシズムという道徳的な悪であり、第2次世界大戦は民主主義対ファシズムの正義の戦争であったという、歴史の真実とは何ら関係ない、政治宣伝

    アメリカの政治勢力を対外政策からざっくり大きく分けると、リベラル派、現実主義派、反共・保守主義はの3つに分類

    リベラル派 ウィークジャパンポリシー 国務省 CIA 民主党左派 ヒラリー サンダース
    現実主義は アメリカの手動の下で、中国との軍事バランスを維持しながらアジアの安定を維持
    反共・保守主義 中国に対抗するため、強い日本を支持 共和党の保守、民主党の反共

    アイリス・チャンのザ・レイプオブ南京 アメリカ内にある中国共産党のフロント組織 The global Alliance Groupが資金を提供してアメリカと日本に同盟に楔を打ち込むために出版されたプロパガンダ

    日本の研究者や外交官は民主党系のシンクタンクとばから付き合っている ブルキングス研究所
    ヘリテージ財団やハドソン研究所とのパイプが細い

    日本の官僚たちは極めて有能だが、トランプを支持するアメリカの保守派たちの、考え方背景をきちんと理解しているかかなり不安がある

    ルーズベルトのニューディールも国家社会主義政策
    ニューディール連合 労働組合、官僚・学者・マスコミそしてマイノリティと呼ばれる社会的弱者で構成される民主党支持組織や利益団体
    アメリカもニューディーラーに支配されておかしな方向へ動き出したのが保守派の基本認識

    まず共和党内の主導権をとりもどす ロバートタフト 後継者 ゴールドウォーター

    ルーズベルト政権にソ連のスパイがいた アルジャー・ヒス

    ベェノナ文書 ルーズベルト政権にソ連のスパイがいたことを立証する文書

  • くららファミリーだったのか江崎さんは!
    倉山工房は侮れないな!

  • 一言で保守といってもリバタリアンからネオコンまで様々な保守というものがある事がわかる。

    アメリカ国内でもフランクリンルーズベルトの時代からサヨクリベラルの力が浸透しており戦後はニュールンベルグ裁判史観により様々な言論タブーをアメリカ社会に浸透させてきた。これが今のポリティカルコレクトネスにつながっている。

    日本も同じく東京裁判史観に基づいた偏った考えの歴史観が教育に浸透しておりサヨクリベラルの様々な市民運動を通じての言論タブーの醸成が行われてきた事を考えるとトランプ大統領云々ということではなく、戦後から現在までの社会現象を読み解くにはとても参考になる本です。

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著者プロフィール

江崎道朗(えざき みちお)
評論家・情報史学研究家、麗澤大学客員教授。1962(昭和37)年東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフを務めたのち、現職。安全保障、インテリジェンス、近現代史などに幅広い知見を有する。2019年第20回正論新風賞受賞。オンラインサロン「江崎塾」主宰。
著書に、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』『日本占領と「敗戦革命」の危機』(以上PHP新書)、『日本は誰と戦ったのか』(KKベストセラーズ、第1回アパ日本再興大賞受賞)、編訳書に『米国共産党調書』(育鵬社)など多数。

「2023年 『ルーズヴェルト政権の米国を蝕んだソ連のスパイ工作-ー「米国共産党調書」を読み解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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