「かわいい」の世界―ザ・パワー・オブ・キュート

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791772353

作品紹介・あらすじ

人は「キュート」や「カワイイ」の何に惹かれるのか?
ハローキティやミッキーマウスなどのキャラクター、ドナルド・トランプや故・金正日など実在の人物、ジェフ・クーンズや奈良美智のアート作品……。どこかキュートだと感じられるものには、かわいさ、幼稚さ、不確かさ、不気味さといったアンビバレントな要素が見出せる。キュートを哲学する本書は、「キッチュ」や「キャンプ」(スーザン・ソンタグ)などにも言及しながら、現代社会の美学と倫理について論じる。

感想・レビュー・書評

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  • 着眼点は、もはや使い古されているとはいえ面白いとは思う。

    二律背反なものを包含するような、ある種のシンボルが「かわいい」と銘打たれている。
    それが特に大戦を経ることによる男性性の否定から来ているという解釈は興味深かった。

    実際に世間にあふれる「かわいい」というものはもっと俗っぽくて、低次のレベル(たのしいとか、こわいといったレベル)にまで下がってきているのではないだろうか。それがたとえ、言葉の上だけの使われ方であったとしても。

    そのレベルとなると、日本の研究者による分析が待たれるところではある。

  • ‘cute’という感覚について様々な角度から論考した一冊。cuteには価値観を転倒させ、固定化した力関係を台無しにする作用があり、現代に流行するのは必然と。感覚を定式化する手腕の冴えは見事で、cuteなものへの新しい眼差しが得られたように思います。

  • 訳者も書いてたけど、ここでの"cute"と日本語の"カワイイ"の差が激しくて、そこの理解にすごく苦労した…。金正日の中のcuteさは分からん。ただたしかに庇護されるものだけがcuteではないよねとかは納得したり。ケアの社会なのかなぁとか思ったりした。かなり読み手の捉え方で解釈に差が生じるかも。

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