クロニクルFUKUSHIMA

著者 :
  • 青土社
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本棚登録 : 44
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791766277

作品紹介・あらすじ

原発事故以降、見えない放射能が静かに降り積もる戦場と化した故郷・福島。この現実とどう向き合い、生きてゆけばいいのか。音楽家・大友良英がある覚悟を胸に奔走し、大風呂敷を広げ世界中のアーティストや市民とつながって8.15の奇跡の野外フェスを福島で開催するまでの全記録。

感想・レビュー・書評

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  • 8.15プロジェクト福島野外フェス関連本であることには違いないのだけど、殆どが活字で写真はモノクロのみで、内容が薄い、冗長かも?と思って読み始めたけど、とても読み応えがあった。読了まで、数ヶ月かかってしまったけど。
     福島県に住む、音楽好き(一応・苦笑)としては、恥ずかしいというか、自分の不甲斐なさというか、ダメさ加減を思い知らされるのでした。
     大友さんの文章(日記含む)と大友さんとの対談を収録している本なので、大友さんの考え方が浮き彫りになります。大友さんの音楽家としての生き様というか、真摯で素直な生き様に、共感と憧憬を抱きますね。自分で自分の場所を確保、作っていく、というのが大事なのだろうけど、そんな発想自体、危険かも(苦笑)。 社会的に成功するということ、発電所の問題、なんだかんだとこの問題は切り離せないわけですよ。自分たちの「場」を作ったとしても、結局、大きな世界のうちの一部を構成する存在でしかないわけです。
     この世界の成り立ちを、表層でしか理解していないのに、特定の問題にだけ、強い関心を持つのは、異様な光景かもしれない。
     音楽家としては、アウトサイダー的な生き方をしてきた大友さんだからこそ、説得力がある議論を展開できていると思う。
     さてさて、どうなりますかねえ・・例の問題・・・って人事みたいに言うのでした。
     

  • 2019/5/7購入
    2019/6/18読了

  • 福島の問題を様々な文化人が書いた本。
    福島で経営しているカフェの人の話が面白かった。
    放射能の問題でお客がこない、しかし除染しないと店はダメになる。
    だが移住を決めた。批判もされるが正しい判断。そして週末だけ除染したり、福島に残っている人のためにカフェを開いたりしている。
    もはや僕の生きている日常とはぜんぜん違う毎日を暮らしているのだなと思う。僕の生きている日常は毎日が想像できる。明日さえも想像できる。そうではない人がこの世の中にはいっぱいいるのだ。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784791766277

  • 福島で小学生~高校生までを過ごした大友さんが、震災・原発の影響を受けた福島のために野外フェスを開く、その課程を追った一冊。フェスきっかけとなった遠藤ミチロウや、フェスの共同発起人である坂本龍一との対談に、フェス開催までの日記等、幅広い内容。僕自身は大友さんがこんなことをやっていたなんて知らなかったのだけど、この取り組みの凄さはもっと多くの人に知られて良いと思う。

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著者プロフィール

1959年、神奈川県生まれ。ギタリスト、ターンテーブル奏者、作曲家、映画音楽家、 プロデューサー。映画やテレビの音楽を山のように作りつつ、ノイズや即興の現場がホームの音楽家。活動は日本のみならず欧米、アジアと多方面にわたる。美術と音楽の中間領域のような展示作品や一般参加のプロジェクトやプロデュースワークも多数。震災後は故郷の福島でプロジェクトFUKUSHIMA!を立ち上げ、現在にいたるまでさまざまな活動を継続中。2013年『あまちゃん』の音楽でレコード大賞作曲賞を受賞。2014年よりアンサンブルズ・アジアのディレクターとしてアジア各国の音楽家のネットワークづくりに奔走。2017年札幌国際芸術祭の芸術監督。2019年福島を代表する夏祭り「わらじまつり」改革のディレクターも務めた。

「2022年 『藤倉大の ボンクリ・アカデミー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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