自爆テロ

  • 青土社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791764273

作品紹介・あらすじ

「西洋/イスラーム」「文明/野蛮」「テロ/正しい戦争」…。自爆テロをめぐる議論は固定化された枠組みに囚われ、思考停止に陥っている。越境の思想家アサドが「文明の衝突」や「正しい」戦争といった従来の議論を超えて、新たな時代の文明論を切り開く。

感想・レビュー・書評

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  • この本が書かれた当時、自爆テロは今よりもっと不可解だった。でも今は彼らの主張も促すものもずっと「説明が可能」になっている。こうなってくると本著で著者の述べる組織的戦争と「自爆テロ」の違いはますます曖昧になるし、その組織が、一応拠点は持っていても、場所は重要でなく、思想と伝達によって形を保っているのだからますます、本当に、終わりがない。。日常が日常でなくなるかも、今日のこの平和が明日はないかも、そんな危機感が募ってしまった。

  • 12/12/16 第1章途中
    難解な本です。
    9.11以降の米国のテロリズムに対する言説とパレスチナにおけるイスラエルのそれを脱構築している(と思います)。
    ウォルツァーの正戦論とテロを区別する本質的な違いはあるのか。
    いや、そんなものはなく、政治的なラベリングにすぎない。
    わたしたちが考えなければならないのは、なぜ彼らがテロリズムに頼らざるを得ないのかという点である。
    そこには構造的な不均衡がある。
    「持たざる者」が自らの言葉を発する手段として(自爆)テロがある。
    別にムスリムが狂信的なわけでも、イスラームがおかしな宗教なわけではない。
    ・・・みたいなことを言ってます。
    疑問:これは最近のグローバル・ジハードにも当てはまるのか。
    もっと勉強しないといけないですね。

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著者プロフィール

タラル・アサド
Talal Asad/1933年サウジアラビア・メディナ生まれ。ニューヨーク市立大学教授(人類学)。オックスフォード大学でPh.D.取得(人類学)。訳書に、『宗教の系譜 キリスト教とイスラムにおける権力の根拠と訓練』(中村圭志訳、岩波書店、1993年)、『世俗の形成 キリスト教、イスラム、近代』(中村圭志訳、みすず書房、2006年)、『宗教を語りなおす 近代的カテゴリーの再考』(磯前順一との共編、みすず書房、2006年)、『自爆テロ』(茢田真司訳、青土社、2008年)、『リベラル国家と宗教』(茢田真司訳、人文書院、2021年がある。

「2022年 『ポストコロニアル研究の遺産』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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