世界中から集めた深い知恵の話100

著者 :
制作 : マーガレットシルフ 
  • 女子パウロ会
3.67
  • (6)
  • (5)
  • (3)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 62
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784789606028

作品紹介・あらすじ

伝説・寓話・物語。それは、時空を超え、今を生きる人々に贈られるまことの知恵と光-。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「世界中から集めた」とタイトルにあっても、誤解なきように。
    こちらはあくまでもキリスト教圏のお話たち。
    毛嫌いせずに読めば、いつの時代のどの国の人々も生きる意味を探求してきたことが分かる。そして、文字通り深い知恵にふれてしばしば感動させられる。

    カテゴリーは「人間の運命」「日々、与えられる贈り物」「悪に対する善の勝利」「変わらない価値」「気を付けて!」「まともに生きる」「忍耐と決断」「ささげる」「命あるものすべてと人間の関わり」の9つに分かれている。
    100話それぞれの末尾に、どこの国のどの地方に伝わっているものかが記載されており、ほとんどが口承で伝えられてきた話らしく、出典不詳も多い。

    良く知られているワイルドの「幸福な王子」やO・ヘンリーの「賢者の贈りもの」、ウィリアムズの「ビロードうさぎ」もあれば、「世界一おいしいスープ」のお話もある。
    イエス・キリストのことを書いた話もいくつか。アルブレヒト・デューラーの話も。
    聖書と同じく比喩がかなり多いので、意味するところに辿り着くために繰り返し読んだものも。
    危機への対応の仕方とか、ひととの関わり方について教えられるものもあり、人生の深い神秘をつきとめたいと願うひとに向けたお話も何編かある。小さなお子たちに読み聞かせたい話も多数。

    ぱっと開いた箇所から読み始められるのが、この本の最も良い点。
    一話ずつは短いが深い示唆に富み、読後長く味わっていられるのも良い。
    こういった本のおかげで、先人の知恵に従って生きることが出来るのは幸せなことだ。

    特に心に残った話は英国の「魔法の花瓶」と「旅人の贈り物」。
    ブラジルの「油2滴を入れたスプーン」も、思わずおお!と声を挙げてしまうほどだった。
    「幸福の秘訣とはね、この世界の素晴らしいものに目を留め、同時にスプーンの2滴の油を忘れないこと。こぼさないことなのだよ。」
    手元に置いて、繰り返し読みたい一冊。

    • nejidonさん
      地球っこさん、再訪してくださってありがとうございます。
      コメントを読んで思わず涙ぐんでしまいました。
      言われる通り、宝物のように大切にし...
      地球っこさん、再訪してくださってありがとうございます。
      コメントを読んで思わず涙ぐんでしまいました。
      言われる通り、宝物のように大切にしてきた子です。
      この世の「可愛い」を一身に集めたような子でした。
      今はただ、最後まで看取ることが出来たことを幸いと思うばかりです。
      ただ時間を追えば良いことなのに、生きているとそれだけで色々なことがありますね。
      本や草花という友だちがいてくれて良かったです。
      ええ、地球っこさんにもワタクシにも、本は待つ時間を与えてくれていますね。
      ではまた、レビューでお会い出来ますように。。
      2019/07/07
    • だいさん
      nejidonさん
      こんにちは お元気ですか

      私の 一方的な愛が 突然終わってしまったかと 思っていました
      再会できて とても...
      nejidonさん
      こんにちは お元気ですか

      私の 一方的な愛が 突然終わってしまったかと 思っていました
      再会できて とても嬉しく思っています
      ↑一応 本のコメントっていうことで
      2019/07/09
    • nejidonさん
      だいさん、こんばんは(^^♪
      コメント欄ではお久しぶりですね!
      実は少々疲れてしまいまして、昨年の12月から非公開に設定しておりました。...
      だいさん、こんばんは(^^♪
      コメント欄ではお久しぶりですね!
      実は少々疲れてしまいまして、昨年の12月から非公開に設定しておりました。
      黙って去ったことをお許しください・笑

      ずっとそのままの予定でしたが、先月21歳の子が(愛猫です)亡くなりまして。
      あまりにも落ち込んで鬱気味になり、元気を出そうと再開してみました。
      またこちらでお会い出来てとても嬉しいです。
      だいさんとは長いお付き合いです(♡)
      またぼちぼちとよろしくお願いしますね。
      2019/07/09
  • 『人生で最も大切な事』…

    は、人それぞれ。
    それこそ、いろんな思いが多々あるだろうが
    私は、

    「知恵」と「勇気」と「人生を楽しもうとする気持ち」
    である、と信じている。

    が、
    これではまるで、黒板の上に掲げてある、あの教訓並みに何の説得力も
    ありゃしない。

    大切なのは

    知恵とは何か?
    勇気とは何か?
    何故必要なのか?

    を、ややこしい説明抜きで伝える力であると思う。

    その為に、この様な本が存在するのだ。

    幼子が夢中で聞きたがる昔話には
    (がんばったひとが かつ はなし)や
    (ないていたひとが むくわれる はなし)がたくさんある。

    大人だって、印籠出して最後には必ず笑う水戸黄門の痛快さに惹かれるように、

     どうやって悪者を退治するか
     (悪心に打ち勝つのか)
     どうやって悲しみに耐えていくのか
     (救いはどこから現れるのか)
     人生はどうやって楽しめばいいのか
     (見えないものを見抜く力を養うにはどうすればよいか)

    楽しく読み進められる(単純で中味の濃い)物語には
    覚えなくては…!と、無理な力を働かせなくとも
    感動という
    心を動かす力が伝える事によって
    知恵をインプットするサブミナエル効果が働くのではないか、

    と、都合良く考えてしまうのであるが♪

    物語の一話はとても短く100篇のありとあらゆる知恵が満ち溢れているので、
    宝探しなぞするような気持ちでお読みいただくのも楽しいかも知れない。

    • MOTOさん
      nyancomaruさんへ

      おおっ、ちょっと待っててね。
      丁度、今日の返却予定で、まだ本ここにあるから、調べますね。
      え~と、
      「蜘蛛の糸...
      nyancomaruさんへ

      おおっ、ちょっと待っててね。
      丁度、今日の返却予定で、まだ本ここにあるから、調べますね。
      え~と、
      「蜘蛛の糸」は・・・
      まっ!なんと驚いた事に、これドフトエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』からの引用とありましたっ!
      (『おばあさんとたまねぎ』と言う仮題で、内容は蜘蛛の糸とほぼ、同じです。あら、不思議…)

      出典、最後に全て記してありましたよ。
      (ここまで読まない大雑把な性格です…^^;)

      多くは出典不詳とありますが、馴染み深い各国の昔話からの出典もイロイロあって、その再話と記してありますね~

      「クリスマス・キャロル」私も大好きですよ♪
      キリスト教の話と言っても、思いつきませんが
      「マッチ売りの少女」は好きです。

      …て、ちょっと違うか~?
      2012/07/24
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ここまで読まない大雑把な性格です…^^;」
      いえいえ、私が参考文献オタクなので、、、次読む本のヒントを求めて彷徨っています。
      「『カラマー...
      「ここまで読まない大雑把な性格です…^^;」
      いえいえ、私が参考文献オタクなので、、、次読む本のヒントを求めて彷徨っています。
      「『カラマーゾフの兄弟』からの引用」
      芥川を貶める訳ではありませんが、古典から題材を得るコトが多いので、ひょっとしたらひょっとしますね。。。
      「「マッチ売りの少女」は好きです。」
      アンデルセンの中では「旅の道ずれ」と言う話が好きです。機会があれば是非。。。
      2012/07/26
    • MOTOさん
      nyancomaruさんへ

      参考文献オタクって面白いですね♪

      お陰で『カラマーゾフの兄弟』をいよいよ開いてみる勇気が湧いてきました♪
      (...
      nyancomaruさんへ

      参考文献オタクって面白いですね♪

      お陰で『カラマーゾフの兄弟』をいよいよ開いてみる勇気が湧いてきました♪
      (買って、読む準備だけは相当前から…^^;)

      アンデルセンもグリムも絵本化されないけど面白い物語がたくさんありますよね!
      「旅の道連れ」はい!記憶にインプットしておきます♪
      2012/07/27
  • 世界の伝説・寓話・物語。

    面白い話もあるが、それぞれの国の歴史や文化背景を知らないとわかりづらいものもありそう。

  • 私たちが知っているような有名な話もいくつか出てくる。

  • なじ■
    読んでる最中幾度となく胸を打たれ続け心洗われまくり、
    読み終わった時には深くため息が出るような
    尊さの詰まった本でした。
    幸せとか、善く生きるとはどういうことかとか、
    世界中のそういうお話。
    元のお話に加え、編者さんの文章も凄く素晴らしいと思います。

    半年に一度はこの本を読んで
    己の心を清めたい…

  • 心に響く物語がたくさんです

  • 分類=伝説・寓話。05年11月。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1923年、東京に生まれる。東京大学西洋史学科卒業。翻訳家。『シェルシーカーズ」上・下『九月に』上・下(朔北社)『懐かしいラブ・ストーリーズ』(平凡社)、ハヤカワ文庫のクリスティー文庫(早川書房)、『子どものための美しい国』(晶文社)など児童書から推理小説まで幅広いジャンルの本を多数翻訳している。

「2022年 『ロザムンドおばさんの花束』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中村妙子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×