教育委員会が本気出したらスゴかった。: コロナ禍に2週間でオンライン授業を実現した熊本市の奇跡
- 時事通信社 (2020年9月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784788717084
作品紹介・あらすじ
コロナ禍の2020年4月。日本中の学校が休校で「機能不全」に追い込まれる中、熊本市は約4万7000人もの児童生徒にオンライン授業を実現した。これほどまで大規模なオンライン授業は、国内の自治体では前例がなく、全国で「熊本市の奇跡」と驚きの声があがった。
しかし、実は熊本市は2017年までは「ICT後進自治体」で、学校のコンピュータ普及率は、政令指定都市で下から2番目という散々な有様だった。なぜ、そんな自治体が、短期間でオンライン授業に踏み出せたのか。きっかけは、熊本地震だった。復興を担う人材を育成するため、全国に先駆けICT教育の導入を決断。その取り組みは、「ゼロリスク症候群」に陥りがちな教育行政の常識を覆すようなものだった。
●セキュリティポリシーは作らない
●フィルタリングは最低限に
●アプリや動画視聴の制限も一切なし
●Wi-FiではなくLTEでネット接続
●「平等に」ではなく「できるところからやる」
端末の導入や環境の整備から、教員の研修・意識改革、保護者対応まで、教育委員会の鬼気迫るほどの本気の取り組みに迫る。行政・教育関係者はもちろん、ビジネスパーソンも必見の一冊!
感想・レビュー・書評
-
熊本市のICT普及がすごかった。
他の自治体もこのように動ければいいけど……
GIGAスクール、個別の学び
市長や教育長など上の方々の判断がすごいなと思った。
教員もiPadを使いこなしてオンライン授業をできるようにならないとなぁ
そのために熊本市のように、ICT教員を増員したり、研修をしたりスモールステップでできるようなものが普及してほしい詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
明日も明後日も同じ日が続く保証はない。
だからこそ変化を恐れず、良いと思うことには取り組んでいくべきなのだろう。熊本市はこれから教育に関して良くなっていくという確信を得た。というのが本書を読み終わって抱いた感想です。
それと、政策を決定する方や、こうして本を書いている方は機会があれば実際に教壇に立ってもらいたい、それが無理でも子供たちに指導をしてみてもらいたいなと常々思います。 -
これからの未来を担う子供たちに対しての熱い思いに感動しました。
先生の話を聞くだけの一方的な授業のやり方に疑問を感じていましたが、熊本市の取り組みのような子供たちと一緒に創意工夫していき課題を解決するやり方が今の時代には合っていて、子供たちの興味を引き出せると感じました。
コロナ禍で休校中課題を出して終わりだった地域とオンライン授業に切り替えた地域ではやはり教育格差が生まれ、中には学校へ行くことに抵抗を感じる子も出てきました。
また、多くの私立はオンライン授業へ切り替える中、公立では課題だけを出すというのもやはり問題だと思います。
激動の時代で、先が見えないからこそ子供たちへの教育は大切なことだと本書を読み、実感しました。
-
コロナ禍に2週間でオンライン事業を実現した熊本市のルポ。
それも、3年前まではICT後進だったといいます。
コロナ前の環境整備、コロナ後の決断、両方が本書には述べられており、読んでみると当たり前のことばかりしているようにも思えます。
しかし、組織でその当たり前を言うことが如何に難しいか、それをどう改革者がリードしていくのかに気づかされた本でした。 -
熊本市のオンライン授業は一斉休校の前から動き出していた!教育長、市長の考えが、教育委員会を動かし、子どもの学びの継続に繋がった!端末に制御を極力かけずに、脱ゼロリスクの信念でやり切っている自治体の強さを感じた。慧眼のあるトップの下で、スピード感をもって、信念をもって仕事をしたいと思えた一冊。
-
私の住む地域は2021年3月(コロナ禍に入って1年後)にようやく小中学校に1人1台のパソコンが用意された。ただし、学校でしか使えない。
それと比べると、本書のモデルとなっている熊本市の教育委員会がいかに優秀かが理解できる。
台数は足りなくとも、他の学年と交換で使うなど工夫し、家に持ち帰れるし、Wi-Fiでなくセルラーモデルでどこでも接続できるという柔軟な対応。
みんな平等に…ではなく「とにかくやってみよう」というスタイルが本当に素晴らしい。
他の地域の教育委員会も見習ってほしい。 -
教育委員会がこれだけ熱量を持って仕事できる場なら魅力的。トップダウンの経由地点になってしまうと、ちょっと…。