だらしない夫じゃなくて依存症でした

著者 :
  • 時事通信社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788716834

作品紹介・あらすじ

アルコール依存症の夫とその妻の苦悩と葛藤、そして回復の過程を描いた(取材に基づく)フィクション。アルコール、ギャンブル、薬物依存症のメカニズムと実態について、綿密な取材と事実を基に描いたオールカラーのコミックエッセイです。依存症当事者やその家族などから、また多くの読者から感動と共感の声が寄せられています。

感想・レビュー・書評

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  • 「依存症って風邪みたいなものだと言われていて、例えば【発熱】(ギャンブル)【咳】(アルコール)【のどの痛み】(薬物)だとして、咳だけとめても風邪は治らないですよね。根本の風邪自体を直さないと別の症状に移り変わる」

    依存症のことがよくわかる啓発マンガ。
    Amazonを散策していたらオススメされた。
    全く知らない漫画家さんで、絵柄も地味だが高評価なので気になり、図書館で借りてきた。
    まず、アルコール依存の疑いがある夫の妻を主人公にし、その後周りに元ギャンブル依存、元薬物依存の人物を配置し、「依存症とはどんなものか」という知識を読者に与えてから、それから夫の内面に迫っていく構成がうまいな、と思った。
    依存症が判ってからも、再発含む回復の過程まで、じっくりと描かれている。
    ラストはもう涙、涙だった。夫にも妻にも感情移入していたのだ。
    番外編では作者さんの思いきったエピソードも。
    巻末に全国の依存症相談窓口一覧がある。

    • 5552さん
      「心が骨になってる」って、言い得て妙です。
      骨粗鬆症みたいにスカスカになってる方もいるかもですね。

      オススメありがとうございます。
      ...
      「心が骨になってる」って、言い得て妙です。
      骨粗鬆症みたいにスカスカになってる方もいるかもですね。

      オススメありがとうございます。
      『叱る依存〜』は、驚きです。
      「叱る」が依存になるなんて!
      『だらしない夫~』の監修、松本俊彦先生推薦なので気になりますね。
      『セックス依存症〜』は、さすがに図書館になさそうですが、コメディタッチなんでしょうかね。
      2022/02/04
    • 夜型さん
      心がムキムキの人も居ますが、ガリガリで骨皮スジ衛門も居ると思います。
      清原和博さんはゴツイ身体ですが、心は骨と皮になってたと思いました。
      ...
      心がムキムキの人も居ますが、ガリガリで骨皮スジ衛門も居ると思います。
      清原和博さんはゴツイ身体ですが、心は骨と皮になってたと思いました。

      さっそく読んでくださってありがとう。
      2022/02/04
    • 5552さん
      清原さん、最近の顔を拝見してビックリしました。
      まるで憑き物が落ちたようなそんな穏やかな顔でした。
      前はずいぶん虚勢を張っていたんだなあ...
      清原さん、最近の顔を拝見してビックリしました。
      まるで憑き物が落ちたようなそんな穏やかな顔でした。
      前はずいぶん虚勢を張っていたんだなあ、と感じました。
      薬物使用が明るみに出たのは彼にとって良かったことなのかもしれません。

      『セックス依存症〜』のオススメをありがとうございました。



      2022/02/04
  • 依存症の目線 家族の目線

    友達や同僚の目線

    さらには巻末には 作者自身の

    依存の経験まで載っています



    改めて 依存症を書いたものを読んで

    確かに依存する人間には

    自分に空いた穴を埋めるために

    依存症になっていたという確信
    それを支えたいと思った家族の

    心の穴を 依存症の家族が開けてしまう

    という 非常に厳しい真実に気が付きます

    芋づる式に 苦しみを広げてしまう

    恐ろしいです

  • アルコール、ギャンブル、散財……完治なき病“依存症”と向き合うために 『だらしない夫じゃなくて依存症でした』が描く真実|Real Sound|リアルサウンド ブック
    https://realsound.jp/book/2020/04/post-546145.html

    だらしない夫じゃなくて依存症でした・第一話 アルコール依存症|三森みさ|note
    https://note.com/mimorimisa/n/n396ee8fd3891

    特集記事:インタビュー② 三森みさ(漫画家)|依存症の理解を深めよう。回復を応援し受け入れる社会へ
    https://www.izonsho.mhlw.go.jp/interview02.html

    だらしない夫じゃなくて依存症でした - 時事通信出版局
    https://bookpub.jiji.com/book/b496582.html

  • 依存症当事者と家族の心情を軸に、どう対処したら良いかが示されてるいる。

    圧巻の全編フルカラーだが優しい色合いでくどくなく読みやすい。

    制作秘話が思わぬところに隠してあったりと遊び心もある。

    巻末の依存症相談窓口一覧や参考文献は貴重な資料だ、困っている人には大いに力になるだろう。

    何度読んでも涙があふれてくる。背景の細かいところまで工夫して描き込んであるので繰り返し読んでも飽きない。

    これはオススメの良書である。

  • やっと、小学校でも買えるアルコール依存症のマンガが出ました。
    ホントは小学生には、アルコール依存症の親を持った子ども、の話を描いてもらいたいけど、でもこれでも充分役に立つと思います。
    ポイントは2つ。
    依存症は、脳の病気だ!
    根性がないからでも、本人が悪いわけでもない。
    インフルエンザや盲腸になるのはその人が根性がないからじゃないでしょう?
    というのと同じだと……。
    あとは、依存症は治るよ!
    適切なケアをすれば……。
    です。
    でもこれが難しい。
    なぜって、居場所があって、仲間がいて、があれば依存しなくなるようになりやすい、んですが(有名なネズミの実験がある)その周りの人、は医者ではなく、フツーの人、だからです。
    フツーの人、に医者なみ、とまではいかなくても、やっていいこととやっちゃいけないこと、依存症の仕組み、までは理解してもらえないと回復に結びつかない。
    まあ、たとえば腎臓病の人に、知らないで家族が塩味の濃いものをたべさせたりするのと同じですね。
    そうなると家族や友人は勉強して知識を得ないといけないわけでしょう?
    それと同じに依存症の周りの人は勉強して知識を得なくちゃならないわけですよ。
    で、この、依存症啓発マンガが作られた、というわけです。
    自分が当事者ではなくとも、家族、友人にはいるかもしれない。
    あれはいっちゃいけないことだったんだ、と、あとで後悔しないためにも、基礎的な知識は知っておいたほうがいいですよ。
    で、司書は、必読です。
    お客様(子どもたち)の家族に依存症のかたがいらっしゃる確率は高いですからね。

    2020/03/17 更新

  • 泣ける。
    失踪日記以来、久々の傑作依存症啓発本。
    これを採用した厚労省の英断にも星1つ差し上げたい。

  • これもすすめられて。
    アルコール依存を中心として、薬物・ギャンブルなどいろんな依存症を取り扱っていて、出てくる人の立場も様々で、幅広い読者層に訴えかけられるのはもちろん、依存症という病の本質をはっきり示そうとしているのが伝わってきた。
    作者自身がサバイバーでありながら、この漫画では家族を主人公として描いているところもバランスの良さに寄与しているだろう。
    単一の依存症を扱ったものと比べて読み応えがあるので、一気読みは大変かも。でも当事者、家族、支援者(やいずれそうなるかもしれない人)の入門として役に立つ一冊。

  • 2020.9 厚生労働省web版を読了
    2021.11 製本版を再読

    やはり一気に読んで泣いてしまった。
    家族に優しくある為に、たまに読み返したい。

    メインはアルコール依存の話で、薬物依存、ギャンブル依存、
    ゲーム、性、塩、カフェインetc
    「物質」依存「行為」依存の話が描かれているが

    全ての「人と人の関係」「孤独」「愛と憎しみ」に関係する話だと思う。
    例えば、引籠りに対する対処法もこの本を応用するといいと思う。

    我が家は機能不全家族で
    友人には「そんな家族早く離れなよ」って言われるけど
    今の私が私であれるのは、たまたま友に環境に恵まれいい出会いがあったから
    つまり、運が良かったからであり
    自分自身は、自分から外に出て、出会って、沢山失敗して学んで、
    自由になれたけど

    まだ自分から外に出る勇気を持てない、
    教え込まれたプライドだけで必死に武装して
    自分で自分の首を締め、家族を周囲を苦しめている
    そんな自分自身に一番苦しんでいる
    過去の私と似た人達を、
    誰が立ち直るきっかけを、外に出る勇気の手助けをするのだろうと
    思ってしまうので
    私が友からもらった優しさのバトンを、リレーしていけたらいいなと
    まだこの家にいるのです。

    でも本当に相手の問題を助長してしまう行為
    手助けし過ぎる、説教や小言を言ってしまう「イネイブリング」は
    避けなければ、気を抜くとすぐにやってしまうので頑張りたい。

    あと、私が自分の家を変える為にやり続けているのは
    「挨拶をする」「『ありがとう』を積極的に言う」
    ex)ゴミ出ししてくれてありがとう
    「思いやりのある言葉をかける」「相手の気持ちを代弁」
    「一緒にご飯を食べたり、お茶の時間を作って誘ったりする」
    等々、漫画を読みながら
    「あ、これやったやった」と同意する事しきり。
    漫画のように挨拶を返してくれたりはせず、
    無視され続けるしんどい期間が長くありました。
    それに自分の行動をイチイチチェックされ詰られる事等…
    いやぁ我ながらよく頑張った。
    そして私が頑張れたのは、友人や職場のおかげ。
    本当にありがとうございます。

    主語を「あなた」ではなく「私」にする、
    「わたしたち」も相手の精神状態を鑑みて使えない時がある、
    という事は常に意識したい。
    また、相手に関わる時間や相手の事を考える時間は一定以下にして、
    「自分自身の人生の楽しみ」の時間も忘れないよう気を付けたい。
    ついつい集中して、自分の精神も落ち込んでしまうので。

    精神福祉保健センターに相談できる、
    全国に自助会があり、会によるが匿名参加も可能、という情報ありがたい。

    金や地位やモノに依存する人が減れば
    もっと社会が良くなると思うので
    多くの人が自分の心の穴に気付いて、
    自分自身をしあわせにする道へと足を踏み出して欲しいなと、
    思わせてくれる良書でした。

    ==memo==

    ・依存症は脳の病気であり、回復できる

    物質依存:酒タバコ薬etc
    行為依存:ギャンブルスマホ買い物etc

    依存症
    ・自分や周りに損失がある
    ・自分でコントロールできない、「ほどほどに」ができない
    ・依存症の人の面倒を見る人(家族等)自身も影響され、
     依存症患者と適切な距離をとれなくなる、
     脳の病気になる可能性が高い

    脳の病気:脳の機能が変わりコントロールできなくなる
    依存物質/行為を行う事で、脳の報酬系が刺激される→
    脳が快感を記憶し、同じ行動を繰り返し行いたくなる→
    繰り返す内に更に強い刺激を求めるようになる→
    依存行動に関わる「何か」を見たり聞くだけでも行いたくなる

    家族等面倒を見る側の注意点:
    ・自分の時間、相手と接しない/相手の事を考えない時間(仕事等)をつくる
    ・「イネイブリング」を行わない
    イネイブリング:
     -世話や尻拭い
     -説教や小言を相手に言う

    依存症患者と向き合う
    ・「おはよう」「ただいま」「おやすみ」etc
     挨拶をする、優しい声掛け
    ・死なない程であれば世話はなるべくしない、
     放置し、本人にさせる
    ==対話する時
    ・シラフの時に対話する
    ・「私」を主語にして話す、「あなた」は厳禁&攻撃的
    ・具体的/完結に話す
    ・相手の気持ちを一言添える、思いやりのある発言を
    ・良い事も伝える、良い事を見つけ感謝や褒めを

    依存症専門病院では入院も可
    自助会や家族会は、「否定はしない」ルール「言いっぱなし・聞きっぱなし」
    自分の考えを整理し発言する事も自分にプラスだが
    同じ立場の人の発言で改めて自分の考えに気付く事も

  • ウェブにあるものとほぼ同じです。実際の苦悩のがかかれていますが、端的に纏まっているのがよくもあり悪くもあるかと思います。

  • 『だらしない夫じゃなくて依存症でした』三森みささん

    読んで良かった。軽い気持ちで読みじめたが、止まらず読み切るほど良かった。心に響く言葉が多く、私も心が楽になった。

    アルコール依存症の家族と本人の話がメインであり、家族からの立場、本人からの立場でストーリーは進む。
    その中で、アルコール以外の薬物やギャンブル依存症も出てくる。

    どの依存症でも、自助グループに関わり続けることが大切だと思った。
    依存症は完治する病気ではないが、回復する病気だと覚えておきたい。
    依存症は誰もがなる。だからこそ、悩んでいる家族や本人がいたらこの漫画をオススメし、少しでも解決の糸口になれたら良いなと思う。

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著者プロフィール

イラストレーター、デザイナー、漫画家。1992年生まれ、大阪府出身。高校で美術・デザインを、大学で染色を学ぶ。WEBで連載された依存症啓発漫画が話題となり、『だらしない夫じゃなくて依存症でした』(時事通信社)として書籍化される。Twitter @mimorimisa

「2022年 『母のお酒をやめさせたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三森みさの作品

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