銀座ミツバチ物語: 美味しい景観づくりのススメ

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  • 時事通信出版局
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788709553

作品紹介・あらすじ

「銀座で美味しいハチミツが本当に採れたら、おもしろいよね」奇想天外な好奇心が"小さな命"と巡り合い、大都会の真ん中を里山に変えた。都市、里山、奥山を結ぶサスティナブル(持続可能)な社会の実現を目指して今日も「銀ぱち」たちと奮闘中。

感想・レビュー・書評

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  • 一サラリーマンが銀座のど真ん中で養蜂をはじめて、
    蜂蜜がとれるようになった。
    そうしたら、あれよあれよと採蜜した「銀座のはちみつ」が、
    有名洋菓子店のお菓子になり、カクテルになり、蝋燭になり、
    銀座全体でサスティナブル=“持続可能な”
    活動へと発展しく過程を書いた本。
    もちろん現在進行形。

    全編通して蜜蜂と銀座の深い愛情を感じる。
    そして、何より活動をされる方が誰でも、
    とても楽しそうだし、誰より作者の想像力(妄想力)の逞しさは、
    まるで作家のよう!
    エピローグに書かれている「二〇一六年のミツバチの日にが
    まるで現実世界のお話のようだ。

    このプロジェクトの素晴らしいところは裾野の広さ。
    ただ養蜂をし、銀座全体の利益を上げるだけに留まらず、
    街の再開発、自然環境の共生、労働問題、
    食糧問題、果ては生涯学習にまで幅広い可能性を
    秘めているこの取り組み。
    なんでも受け入れる銀座の懐の広さは、
    間違いなく、長く培ってきた街の歴史を感じさせる。

    銀座近いし折を見て、実際の養蜂に触れてみたい。
    まずは、売っているうちに「銀座のはちみつ」買いに急がねば。

    そういえば、原宿のコロンバンの屋上でも養蜂やってる。
    明治神宮すぐ近くという立地は大きいでしょうね。

  • 良本。私的には今年上半期一のオススメ。この本を読むとミツバチがいかに大切で儚いかに気づく。一生が一ヶ月前後、うち蜜を取れるのは多くて2週間、その間全力で蜜をとっても一生で一匹が取れるのはティースプーン半分って、私パンケーキに沢山かけちゃってたよ、ごめんねですよ。敵から巣を守る時の針刺は自分の命と相殺。浜離宮のソメイヨシノ・西洋のオレンジなどの作物収穫量にも影響を与える。など、勉強になり応援したくなる一冊。昨日は実際に日本ミツバチに出会った♪(本のおかげで見分けがついたぞ!)出てくるカクテル飲みたいな♡

  • ”愉快な人”というのはこういう人を言うのだろう。情愛豊かで他者のために仕事を選ばず労を取り、なんにでも巻き込まれていって、あれ?何やってんだろう??自分…という状態になぜかなっている人だから魅力的なのである。
    プロジェクトマネジメントのヒントも多数。
    まー身内は大変だろうと思うが笑

    P63 自分自身も、銀座ミツバチプロジェクトも、いつも目の前に起こった事態だけを重視してなんとかこなしてきただけなんだから。だからこそ、次々とおもしろい場面、他ではちょっと味わえない経験に立ち会えたんだから。

    P90 残りのサラリーマン人生は借金返済だけを目標にとぼとぼと歩んで行くだけとなったのです。しかしだからと言っていつまでも落ち込んでいても仕方ない。せめて、少しでも多くの方々に来ていただけるような仕組みづくりをしてみようと、様々なコンテンツをもっている方々を呼び込み始めました。

    P94 銀座らしいものしか残らない。これは『街の記憶』がそうさせているのだと、私は勝手に思っているのです。

    P107 資産運用のために土地を買い、容積いっぱいに箱を作り、経費を差し引いて何年で回収・・・そんなサルでもできるシミュレーションは絵に描いた餅でしかないのです。

    P181 本来の林業(本業)だけでなく、山菜が取れたり冬にはイノシシやシカが取れる等、様々な自然の恵み「添え稼ぎ」が人の心を豊かにしてくれているそうです。だからこそ厳しい場所でも集落を維持できるとのこと。【中略】私たちのミツバチは、都会の中に添え稼ぎを見出してくれたのです。私たちの生活をイキイキさせてくれたのです。これがもしかしたら現代の『添え生きがい』なのかと思っています。

  • 2と読む順番が逆になってしまった。

    面白いが2の方がずっと面白い。

  • 「銀座でハチミツをとれたら面白そう」という大人たちの思いつきから始まったこのプロジェクト。けれど思いがけずミツバチたちにとって銀座は、農薬の心配がなく、天敵もいないという良い環境でした。銀座で地産地消しようという目標もさまざまな人の助けによって実現し、著者の夢が広がっていきます。

  • 銀座で養蜂…?都会のど真ん中で奇想天外なプロジェクトが実現した奮闘記。昆虫マニア以外の方にもビジネス的視点で読める一冊。

  • 銀座のビルの屋上でミツバチが飼われ、色々なビジネスに発展している「銀座ミツバチプロジェクト」をご存知でしょうか?プロジェクトの舞台裏を知ることが出来ると共に、自然環境や都市環境のあり方、ビジネスチャンスまでも考えることが出来る貴重な1冊です。

  • ふとしたことがきっかけで始めた養蜂が銀座の地場産業になった!?
    養蜂業を可能とする銀座の地理的、歴史説明、ミツバチから学ぶこと、ミツバチが架け橋となって始まったイベントなどなど話題盛りだくさん。
    養蜂業は都会における「添え稼ぎ」というのも頷けます。

  • ちょっとした思い付きで始めた、大都会銀座での養蜂。いろいろ偶然が重なって、とても大きなプロジェクトとして、さまざまな連鎖反応を起こしていく様子がとても面白い。無理なく楽しく気楽に、そして誰にでもわかりやすく…とっても具体的で素敵なエコ活動。ミツバチが教えてくれることって、深いんだなあと思いました。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。静岡大学農学部を卒業後、出版社、新聞社等を経て、フリーの森林ジャーナリストに。森と人の関係をテーマに執筆活動を続けている。主な著作に『虚構の森』『絶望の林業』『森は怪しいワンダーランド』(新泉社)、『獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち』 (イースト新書)、『森林異変』『森と日本人の1500年』(平凡社新書)、『樹木葬という選択』『鹿と日本人―野生との共生1000年の知恵』(築地書館)、『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』(ごきげんビジネス出版・電子書籍)など多数。ほかに監訳書『フィンランド 虚像の森』(新泉社)がある。

「2023年 『山林王』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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