- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787234759
作品紹介・あらすじ
現在のテレビ番組制作にはなくてはならない存在であるテレビリサーチャーは、情報バラエティー、教養、クイズ、ドラマ、ドキュメンタリーなど、さまざまな番組の制作者から依頼を受け、企画・取材・編集など、制作過程で必要となる多種多様なリサーチ(情報の収集・調査・確認)を担当している。
「裏取り」「ネタ出し」などの仕事の内実、会社所属とフリーの違い、やりがいや苦労、求められる資質、就職状況などを実例をもとに紹介して、第一線で活躍するリサーチャーへのインタビューから、テレビリサーチャーの歴史、仕事の重要性や幅広さを描き出す。
「デマの拡散」「炎上」「メディア不信」――情報の真偽への感度やフェイクニュースの見極めが必要とされるいま、「情報への信頼性」をファクトに基づいた取材で支える仕事の実態や社会的な意義を紹介する、高校生や大学生に向けた初めての入門書。
感想・レビュー・書評
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登録番号:0142534、請求記号:699.3/Ta33
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結構面白かった。ぱらっと見て面白そうだったので読んでみた。
テレビリサーチャーの意義のようなものは、本書的にはメインだが一旦それは脇においておいて。
そうでなくても、リサーチという意味ではなるほどなと思えることが多く参考になった。
特に気になったのは、
・リサーチに必要な発想力や思考力って何だろうか
・調べ物が好きかどうか(テレビが好きかどうかでなく)
・タイトな時間設定でネットで答えが出ないようなものに対する耐性(面白いと思うか、諦めるか)
・喜多あおいさんの本見てみる
など。
あとは基礎情報学も紹介されていて、そのあたり全然知らないのでいくつかさらに調べてみたいと思った。
リサーチという行為自体としては、わりと普遍的なことと思ってたけど、そこまで裏取り、資料あたりとか、一次にあたるとかってやはり訓練や仕事みたいなものかなあとも思ったりしつつ。
テレビリサーチャーになりたい人向けではあるし、そういうリサーチについて少しでも触れたい人向けではある。けども、リサーチってなんだろうかなというところで広げる意味でも十分楽しめた。 -
このような職業があることを初めて知りました。
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テレビ番組制作のため調べものをする職業「テレビリサーチャー」を紹介した本。
リサーチャーとは、番組制作にあたって必要な調査を行う人々。たとえば取材すべきテーマの下調べ、クイズの答えが正しいかのチェック等。著者の専門とは違うが、素人出演者等、人探し専門の会社もあるそうだ。
元はディレクターや放送作家が自分でやったりしていたのが、80年代頃から知的情報番組の増加につれて、専門のスタッフを置くようになった。
あくまで番組作りに必要な調査なので、学術研究とはまた趣が違う。期限までに、注文してきたディレクターのニーズに合わせて情報をまとめる。テレビとして見どころになるか、面白いかといった観点も重要だ。一方で番組になる時には、説明が面白さ重視のあまり正確さを失っていないか、誰かを傷つけないというコンプライアンスチェックも行う。
クイズ一つでも、元の設問と回答が適切であるかだけでなく、出演者が微妙な回答をした場合の正誤判断まで行わなくてはならない。自分が好きだったいくつかの番組について、そんな調査が裏でどれだけ必要だったか想像する。最近のテレビは、そういう部分にお金をかけられなくなってつまらなくなったのかもしれないと思う。
当初、調べ方のノウハウ的な内容を期待して手に取った。そういう情報も少しあるが、どちらかというとこの職を目指す若い人向けのお仕事紹介という感じ。ちなみに「テレビリサーチャー」という名称は著者のオリジナル。ただお仕事紹介としては、この職の人数や収入規模に触れていないのは物足りない気もする(p27-28)。
ノウハウ的な面では、本書に紹介されていたこの本が良さそう。これも同業の方[ https://booklog.jp/item/1/4396317417 ]。 -