- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787234278
作品紹介・あらすじ
高度経済成長期に誕生したニュータウンは、新しいライフスタイルとして「あこがれ」の的になった。丘陵を切り開いて建設した東京・多摩ニュータウンや大阪・千里ニュータウンが代表する集合住宅は、都会で就職した地方出身者には誇らしい住空間だった。それとともに、私鉄は都心と直結することで交通網を整備した。2DK・3DKという間取りを生んだ住宅政策の原点でもある。
しかし、現在、日本各地のニュータウンで深刻な問題になっているのが、居住者の高齢化である。これは、同時期に同年代層が大量に入居し、また定住志向が強かったため、居住人口の中心年齢が固定化されたまま一気に押し上げられたためだ。
さらに、少子化に伴う学校の統廃合問題、建物の老朽化と建て替え問題、商店街の衰退など、現在のニュータウンではさまざまな問題が同時並行的に発生している。
もてはやされた時期から少子・高齢化が急速に進んでその対応策に苦慮している現在までの50年間をたどって、日本の縮図であるニュータウンを通じて社会の変貌を描き出す。
感想・レビュー・書評
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公的機関による悪辣な地上げハックの数々にビビる!
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金子淳著『ニュータウンの社会史(青弓社ライブラリー)』(青弓社)
2017.11発行
2018.2.3発行
ニュータウンと聞くと、私は集合団地が密集したゴーストタウンを思い起こすが、多摩ニュータウンは長期にわたって継続的に開発されたため、集合団地もあれば、低層住宅もあるらしい。いずれにせよ、都心の人口爆発を解消させるために実験的に作られた都市であることに変わりはなく、当時は、旧住民に対する土地の強制買収も行われたらしい。近隣住区論を理念にしながら、職住近接の理念を欠いた単なる郊外ベットタウンとして骨抜きにされる。人口急増によって後手に回るインフラ整備、財政赤字、無産業地帯のため、法人税収入も見込めない。
現在は施設の老朽化と高齢化の問題を抱えている。新住民はもはや憧れの対象ではなくなり、むしろ偏見の目にさらされている。私もこの本を読むまでそうだった。それは実験動物を見る目に似ているのかもしれない。筆者はニュータウンに住む住民の目からニュータウンの社会史を振り返る。ニュータウンはもはやニュータウンではなくなり、鷲田清一が唱える大木、宗教施設、場末を備えるようになって、他の古い街と同様の歴史を持つタウンとなった。ニュータウンは来るべき日本の少子高齢化社会の縮図でもある。「まえがき」で筆者が述べているように、ニュータウンを自文化の延長線上に位置づける視点が望まれる。
URL:https://id.ndl.go.jp/bib/028637703 -
多摩ニュータウンだ。
功利主義。最大多数の最大幸福。外れは仕方がない。ただ人生の大項目で仕方がないと言われたら恨みきれないだろうなと思う。誰一人取り残さない。日本は倫理学がかなり低レベルに感じる。本音と建前では無理があるのかもしれない。
2、3、4章
ゼネコン国土開発、土建デベロッパー。ハルマゲドンとその後の様子が理解できる。50年代の日本の夢。70年代に未来がやってきた。それをみてゆとり世代以降は夢をみた結果がこれではと何かに気づいたなんて誰もいっていないが、売り方を知っていると力が抜ける。これからの社会に必要になる世代間倫理。まずやってみればいいという発想を改めなければならない。未来からのフィードバックがないのだから。
1、5章
しつこく怨恨。信念の界隈が悪くなるときは、追い詰められた時。他が滅んでも自分達は生き残る理論が剥き出される。アイデンティティは歴史的に一貫したストーリーが発見されることと言え、出来事にストーリー上の意味が発見されて成り立つが、さすがに強引に思えた。開拓の歴史で、開発後に開発前の歴史が保たれていると言われたらそれは首を傾げる。一度足元を奪われた存在を、想う。
プロジェクトX
提供は「渋沢栄一」でした。
みたいな。
学問は、誰の味方もしないのが一番信用できる。 -
2020.02.17 多摩ニュータウンの歴史を俯瞰することができた。現在の問題には触れられていない。特に結論があるわけではないが、とても参考になった。ニュータウンを考える視点が広かったとも思える。
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この本は「ニュータウンの社会史」というより「多摩ニュータウンの歴史」だった。ほとんど多摩ニュータウンについてしか書かれていない。
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180120 中央図書館
多摩ニュータウンの話が中心。都市社会学の領域なのかな。 -
東2法経図・開架 361.78A/Ka53n//K