ネットロア: ウェブ時代の「ハナシ」の伝承

著者 :
  • 青弓社
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本棚登録 : 97
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787233981

作品紹介・あらすじ

「くねくね」「八尺様」「南極のニンゲン」――都市伝説的な奇妙な「ハナシ」は、ネット時代にどう伝承されるのか。「ハナシ」がインターネット上で増殖していく仕組みと内容の変容を巨大掲示板やSNS、動画共有サイトを事例に解き明かす異色のネット研究書。

感想・レビュー・書評

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  • ネットを発祥とした怪談がどのように流布したかを考察する本。くねくねや八尺様などオカルト板で有名な箇所の考察は特に面白かった。後半は既存メディアからネットへと盛り上がりを見せたあまちゃんについても取り上げている。オカルト、メディア、民俗学が好きな方におすすめしたい本です。

  • ポップな表紙に反して、わかりやすくも専門的な民俗学の本。
    なぜ都市伝説とインターネットがこうも相性がいいのか?そもそも都市伝説とは何なのか?が少しわかったような気がする。

  • ネット上で話題になった怪談をテーマに取り扱った本。

    個人的には2ちゃんねるの話題が、懐かしく感じました。

  • ネットロア=電承。2ちゃんねる(本書で取り上げられていないが、おそらくパソコン通信から)を中心とした事例が、これまでの伝承とどのように異なるか。良い悪い、ではなく、民俗学的に分析・解体。特に「正解」も出さない。

  • ・「ネットロア」…インターネット上で流通している説話。

    ・「電承」…インターネット上の伝承

    ・口承、書承、電承

    ・「電承体」

    ・「情報縁」

    ・ロム組、透明な送り手

    ・テレビ経由とテレビ還流

    ・「地下」の「地上」化

    ・「ネットが口承・書承の場を維持させ、語り手/聞き手、書き手/読み手の身体にネットが染み込んでいく。口承と書承と電承のメディアが混交し、三位一体となった状態――これが二十一世紀の説話伝承の実態だろう」(p158)。

    ・「ネット時代の本当の「異郷」「秘境」とは、クリックしてもたどり着けない場所にあるのではないだろうか」(p158)。

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著者プロフィール

1972年、北海道生まれ。國學院大學文学部教授。専攻は伝承文学。著書に『江戸の俳諧説話』(翰林書房)、『ツチノコの民俗学――妖怪から未確認動物へ』『江戸幻獣博物誌――妖怪と未確認動物のはざまで』『ネットロア――ウェブ時代の「ハナシ」の伝承』『何かが後をついてくる――妖怪と身体感覚』(いずれも青弓社)、『怪談おくのほそ道――現代語訳『芭蕉翁行脚怪談袋』』(国書刊行会)、『ヌシ――神か妖怪か』(笠間書院)、共著に『現代台湾鬼譚――海を渡った「学校の怪談」』(青弓社)、『恋する赤い糸――日本と台湾の縁結び信仰』(三弥井書店)、編著に『福島県田村郡都路村説話集』(私家版)、共訳に尉天驄『棗と石榴』(国書刊行会)など。

「2023年 『怪談の仕掛け』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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