サンマデモクラシー 復帰前の沖縄でオバーが起こしたビッグウェーブ
- イースト・プレス (2022年5月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781620787
感想・レビュー・書評
-
朝日新聞の土曜の書評に載っていて、近くのくまざわ書店に買いに行ったのですが、置いてなくて、仕方なくAmazonで注文して買いました。最近、書店の品揃えが悪いし遅いので、ますますAmazonで買う機会が増えているのは、個人的には残念でなりません...
内容は、たいへん面白く読みやすかったのですが...
失礼な言い方になるとは思いますが、軽い...(忘れるのも早い...)と思いました...
サンマは、いまでは高級魚で、絶滅危惧種だと思っています...詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サンマ と デモクラシー
その組み合わせの妙もさることながら
(取材の)足で その両者に結び付く
人たちを 丹念に取材していく
その熱意に圧倒される
「ラッパ」こと、下里恵良さん
「カメさん」こと、瀬長亀次郎さん
が 改めて かっこいい
そして このサンマ裁判に
つながるきっかけになった
玉城ウシさん も
また かっこいい
読み終わった時に
頭の中で
BIGINの「島人ぬ宝」が流れていました。 -
219-Y
閲覧 -
テンポよく読めて一気に読了。
ウシとラッパのサンマ裁判を追いかけていたら、「沖縄の近代史」を巡る旅をしていた。というエピのコメントがその通りで最高のストーリーだった。高等弁務官、密貿易、戦果、島ぐるみ闘争、亀次郎にタカトラ…戦後混乱期の沖縄面白すぎるやろ!と今なら笑って読めるが、生きるには相当過酷な時代で、その中を彼らのバイタリティがこんなに強靭で温かいストーリーを生んだのだろう。やっぱり沖縄、好きだ。
そしてラッパさんの言葉。
沖縄将来の幸不幸は、その所属によって決まるのではなく、沖縄人の心の動きとその気構えによって決まるのである。
そう生きよう。 -
ドキュメンタリーの映像作品から書籍へという流れが定着しつつあるように見受けられるが、その中でも読み物としての配慮が行き渡っている作品。取材者が登場する人物一人一人への思い入れを深めていく過程が自然に描かれている。
-
2022/10/11
ノンフィクションなのに、そして内容も決して軽くはないけれど、まるでテンポの良いコントを見ているような感じで読み進めることができた。
登場人物たちの豪傑ぶり、強烈なキャラとその執念が、著者の軽快な語り口で素直に入ってくる。
面白いと言っては当事者たちに失礼だろうけれど、アメリカ統治時代の高等弁務官・琉球政府とそれに立ち向かう沖縄の人々とのやり取りが痛快である。
戦後から統治下の混乱期に有って多少のドタバタもついて回ったけれど、アメリカという国に依存し自分たちの意志が通りにくい時代に、真っ向から声をあげた人々にはあっぱれという思いである。
そして何よりも考えや立場は全く異なってもずっと盟友であったラッパとカメジローの関係には心打たれるものが有った。
立ち位置や主義主張が異なると、互いをまるで別の国民のように敵視するような風潮が国内外を問わずあるが、人が二人いれば意見の違いは必ず出てしまう。
その違いを乗り越えて如何に良好な関係を築くかが大事という当たり前のことを改めて教えてもらった気がする。
爽快さと深い感動を同時に味わえた良い本だった。 -
終戦後まだ日本復帰していない沖縄でサンマに不当な税金が課せられたと裁判を起こしたおばあとその周囲の人の物語。著者の語りたい沖縄の話や主張が多々あるようで話がやや散逸的だったが、現状を思うと仕方ない。おばあが亡くなる直前まで、5歳でなくした娘のことを思い続けていたのは辛かった。どんなに明るく強く生きているように見えても人は様々な業を背負っているんだなと思った。
-
朝日新聞2022730掲載