- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781619910
感想・レビュー・書評
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書籍版『全裸監督』を執筆したノンフィクション作家で、テリー伊藤と旧知の仲でもある本橋信宏によるテリー伊藤伝。
読みやすく大変おもしろかった。著者自身がテリー伊藤の人となりや仕事ぶりを、駆け出しの頃からよく観ていたのだろう。関係者へのインタビューも多いし、丁寧に取材したであろうことが伺える。高く評価されるべき一冊だと思うけど、その割にはあまり話題にのぼっていない様子で意外。
人との縁は人生を大きく左右する。テリー伊藤がIVSに入社するいきさつや、採用する側になった時に友達多そうな奴を採用する、という下りを読んで改めてそう思った。
今となってはテリー伊藤はテレビに出る側の人間という印象があるが、ディレクター時代にどんな仕事をしてきたのかよく知らなかった。「たけしの元気が出るテレビ」や「ねるとん紅鯨団」はちょくちょく観ていたけど、それにテリー伊藤がどう関わっていたのか知らなかった。子供の頃に「びっくり日本新記録」をおもしろく観ていた記憶がうっすらあるけど、あれにも関わっていたとは知らなかった。
この本を読むと、日本のバラエティー番組に(海外の番組にまでも)テリー伊藤の演出が与えた影響がよくわかる。特に、テレビ番組で素人をどういじるか、という点について、テリー伊藤の影響を抜きにして語ることはできないだろう。
今のガバナンスやポリコレ、労働に対する基準とはかけ離れた部分も多そうだし、テリー伊藤本人もなかなか問題のある人物であることが伺えた。しかし、最後の斜視を治療した章にはぐっときた。左目が話しかけてきたのだ。「なんで放っておいたんだよ」テリー伊藤が答える。「ごめんごめん。もっと早く治せばよかったね」しかし、もし若い時に斜視を治していたら、よくも悪くも今のテリー伊藤はいただろうか? -
やっぱり文章だけだと熱量が伝わらないので、ここはひとつNETFLIXに映像化してもらわないと。その際は当時のテレビ画像をふんだんに使ってね。
ただノスタルジーは少なめで。