競争優位を実現するファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略

  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781609362

作品紹介・あらすじ

すべてのビジネスに関わる5つの要素、価格、サービス、アクセス、商品、経験価値。そのうち1つで市場支配(5点)を、別の1つで差別化(4点)を、残り3つで業界水準(3点)を達成すること。コモディティ化と資源の有限性という経営課題を解決し、競争優位に立つための理想のスコアは5・4・3・3・3。多くの優良企業が採用する実践的経営理論。

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  • - 価格・サービス・アクセス・商品・経験価値の5つの要素のうち、1つで市場支配し残りの1つで差別化し、残りは業界水準におく(5,4,3,3,3)
    - それぞれの要素に対し、消費者が企業を受け入れる→好む→選び出す、という段階を経ていく
    - いざというときに商品を思い出すのは、差別化されており、親近感を消費者との間で構築しているから
    - 選び出す状態とは、消費者の生き方に深く絡んでおり、絶対の選択肢となること
    - 理論を戦略に変えていくには、顧客・潜在顧客・経営陣や外部企業のステークホルダーにインタビューして、自社と競合サービスの市場のポジションを把握する
    - 全体感が得られたら、顧客に深くインタビューをして、さらにポジションを明確にする
    - パターンが見えたら、それを定量評価するために、多くの顧客にアンケートなどで検証する
    - その後、5つの要素のどれで市場を支配するのかを決定する

  • すべてのビジネスに関わる5つの要素 — 価格、サービス、アクセス、商品、経験価値 — 。そのうち1つで市場支配(5点)を、別の1つで差別化(4点)を、残り3つで業界水準(3点)を達成することをファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略という。本書では、コモディティ化と資源の有限性という経営課題を解決し、競争優位に立つことのできるこの理論について、既に実践している企業事例などを交えて解説する。

    CHAPTER1  今、消費者が企業に求めているものとは?
    CHAPTER2 ファイブ・ウェイ・ポジショニングという新たなビジネスモデル
    CHAPTER3 価格で市場を支配する
    CHAPTER4 サービスで市場を支配する
    CHAPTER5 アクセスで市場を支配する
    CHAPTER6 商品で市場を支配する
    CHAPTER7 経験価値で市場を支配する
    ケーススタディ1 キャンベル・ビューリー・グループ:本物のアイルランドを体験できる
    ケーススタディ2 グルメ・ガレージ:ロックンロールなスーパーマーケット
    CHAPTER8 ファイブ・ウェイ・ポジショニングを実践するには?
    CHAPTER9 供給プロセスの現実
    CHAPTER10 ファイブ・ウェイ・ポジショニングは未来にも通用するのか?

  • 「価格」「サービス」「アクセス」「商品」「経験価値」のうち、ひとつで市場支配を、別のひとつで差別化を、残り3つは業界水準にすればよいと、様々な事例を取り上げながら説く(アイルランドのスーパーなど、あまりなじみのないものもあるが説得力はある)。また、監修として星野リゾートの星野さんが終わりで語っていて、日本でも実践して実績があることも説得力になっている。実はこの本は、2001年に書かれたもので、インターネットは登場しているものの、ソーシャルなどはなく、iPhoneなどももちろんない。それでも、今の社会でも通じるということは、この理論の普遍性を感じる。

  • 翻訳による読みにくさは一部にあるものの、内容は簡潔で整理されており実践的と思われる。単純化するとこういうことかと思うし、実際のビジネスの中に当てはめて使っていきたい。

  • 勉強にはなったが、、、まったく知らない会社が事例としてよく出てきて、その事例についても特徴的なところもあまりない。また2000年前後の事例の為、かなり古い話になっている。

  • 星野リゾートの星野さんが番組の中で進めていたので読んでみた。日本では本書自体が星野さんによる監修という建て付けになっている。
    本書の主張は、商品、サービス、アクセス、価格、経験価値の5つのうち、二つの要素を選択し、うちひとつはマーケットの中で圧倒できるまで鍛えあげ、もうひとつは他社と比べて差別化したい/できている要素とする。その他の要素は業界水準を下回らない程度を維持する、というもの。
    本書で繰り返し主張されているように、企業は全方位に力を入れがちであり、結果として個性のない会社になる。社内の各部門の顔を立てた結果として個別最適になるのが実態。したがって、各部門2つの要素を選ぶこと、そして3つは捨てるわけでなく、平均を維持するという考えを経営陣のあいだで共有することは企業戦略上もっとも重要ということになる。
    実際には星野リゾートのような創業家が強い会社では導入できるのかもしれないけれど、大企業でサラリーマン社長の会社では相当に社長に胆力がないと難しいだろう。そういうことができる社長を選ぶということでしかないのではとも思う。
    というわけで、とても示唆深い本なのだけれど、アメリカのビジネス書にありがちな事例の多さにより、非常にページ数が多く分厚くなっているのがたまに傷。あと、最後の未来予想はむしろ気持ちが悪くあまりいい未来ではないなとも思った。

  • 企業の要素を価格、サービス、アクセス、商品、経験価値の5つとし、どれかが5でどれかが4、その他は3であれば良い。この考えは簡易的なものにも思えるが、実務的には活用しやすい。
    事例もアメリカやアイルランドのものだが詳しく書かれていて理解しやすい。
    サービスと経験価値の違いを今ひとつ理解しにくいが、星野社長が巻末で説明してくれるので助かる。

  • ホテル等サービス事業を考えるにあたり重要な概念であろうと思い、読書。

    メモ
    ・全てのビジネスに関わる5つの要素
     経験価値、商品、アクセス、サービス、価格
     5つの要素を通して、業界標準レベルから滑り落ちてはならない。
     2つ以上の要素で5点や4点を目指してははいけない。
     5.4.3.3.3が理想的なスコア

    ・5つの要素でどれを選ぶかはターゲット顧客が最も高く評価している要素

    ・成功のベースにはシンプルさと価値観

    ・価格で重要なのは公正で適切な価格であると顧客に信頼してもらえていること。必ずしも最低価格である必要はない。一貫性が重要。

    ・優れたサービスは優れた社員から生まれる。
     当たり前のことをきちんとやることがすごく重要。その上で顧客の期待以上のことをするとトップ水準がみえてくる。顧客の一人一人のニーズに応えてカスタマイズできているか。取引顧客に知識や情報を与えているか。羊の群れのように扱っていないか。

    ・アクセスについては物理的なもののみでなく心理的なアクセスも重要な要素。真の解決策を提示できているか。自社との取引がカスタマイズされた便利なものになっているか。欲しいものに簡単にアクセスできるようになっているか。

    ・商品について、しっかりと信頼されるものになっているか。顧客がワクワクできるものになっているか、価値を信用できるか。余計な商品を扱って共通価値、信頼関係を失うようなことになっていないか。

    ・体験価値について、顧客が敬意を払われていると感じることがまずはじめ。さらに親密性までつながるとこれは高まる。そのためには人材が最重要。他では得られない何かを提供できているか。購買活動以外の顧客の懸念を幅広くつかめているか。

  • 八方美人神話の崩壊

    企業の独りよがりはやめよう、全ての要素で競合を圧倒するのは不可、全ての要素で差別化できるというのは嘘。(経営資源に限界がある)
    何で戦う(どの要素に注力する)のかを決めることと、消費者を1人の人間として扱うことが大切。

    ■概要
    価格、サービス、商品、アクセス、経験価値の5要素で事業戦略を語れるとした内容。5要素はどんな時代も不変だが、各要素の定義は時代や業界、外部環境により変わるため、各々の企業で定義が必要。(星野リゾートの定義が分かりやすい)

    ■感想
    やや冗長で途中読むのに苦労した。冒頭と最後、特に星野リゾート社長のあとがきが読みやすい。あれもこれもの詰め込み理論より、5つのうち1つで業界制圧、1つで差別化、残り3つは業界水準で良いと明確に割り切っているのが良い。星野さんの言う様に投資判断のアンカー⚓️となる。
    ファイブ・ウェイ・ポジショニングは、サプライアーやチャネルともインテグリティを取らないと世界観が失われる。D2Cにも近い話がある。

  • 学生時代に読んだ本だが弊社の経営の基本となっている。
    ミッション、ビジョン、バリューも浸透させるのも大事だが基本的な競争理論を理解していてこそだと思う。

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