統合失調症がやってきた

  • イースト・プレス
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感想 : 152
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781608990

作品紹介・あらすじ

人気絶頂の最中、突如姿を消した一人の芸人-。統合失調症という病に襲われたハウス加賀谷の半生と、「松本ハウス」復活までの軌跡が、相方・松本キックの視点を交えて、いま明かされる。

感想・レビュー・書評

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  • 統合失調症。若い時期に発症することが多く、100人に一人くらいの割合になるようだ。

    • 借買無 乱読さん
      seiyan36さん

      いつも『いいね!』を付けていただき、ありがとうございます。
      拙い感想しか載せられませんが、今後もよろしくお願いします...
      seiyan36さん

      いつも『いいね!』を付けていただき、ありがとうございます。
      拙い感想しか載せられませんが、今後もよろしくお願いします。

      この作品は、以前図書館から借りて読みました。精神障害は、周りの理解と助けがないと本当に辛い一方です。

      当事者より周りの人たちに読んでもらいたい本ですね。
      2022/05/26
    • seiyan36さん
      借買無乱読さん

      こちらこそ、多くの「いいね」をありがとうございます。
      まだしばらくは、訪問させていただきます。
      どうぞ、よろしくお...
      借買無乱読さん

      こちらこそ、多くの「いいね」をありがとうございます。
      まだしばらくは、訪問させていただきます。
      どうぞ、よろしくお願いします。
      2022/05/27
  • この疾患は改めて周囲の理解が大事なのだなぁと思う。相方さんは本当に素晴らしいなと思った。最後のあとがき「社会の偏見は根深く、なかなかなくならない。だけど、ぼくは、偏見がなくなることを期待するより、自分がどう生きるかが大事だと考えてるんだ」が心に残った。

  • 統合失調症を少しでも知ってもらうのに多くの人に読んでもらいたい。ここまで書くのはさぞ辛かったろうと想像できたが、ほんとうに吐きながら紡ぎあげたらしい。感謝の気持ちでいっぱいになった。

  •  統合失調症というよく耳にする病名。かつては精神分裂病とも呼ばれたこの病であるが、その患者が直面する現実を知っている人はどれだけいるだろうか。本書では、まさに当事者であるハウス加賀谷により、統合失調症患者が直面する生活がありありと綴られている。幼少期から悩まされた幻聴、十代後半のグループホームでの生活、そして、松本ハウスの結成から解散まで淡々と情景が描写されているのだが、余りにも淡々とし過ぎているため、本書では省かれた著者の苦難を想像すると何も言葉が出なくなってしまう。

     一般的に、統合失調症を含めた精神疾患は当事者による病の受容が難しいとされることが多い。「私が精神疾患であるはずがない。」と誰もが信じたいし、その結果、多くの当事者が症状による健康被害とその受容の狭間で苦悩する。著者のように自身の症状を客観視できるまでには通常多くの時間と困難を要するため、当事者とその支援者が歩んできた並々ならぬ日々にはただただ頭が下がる思いだ。

     現在、国内には約70万人の統合失調症患者がいると言われる。閉鎖病棟への数十年もの入院を強いていた時代は終わり、著者のように地域で仕事に就く人も少数派ではなくなりつつある。そんな時代だからこそ、一人でも多くの人に本書のような当事者の声が届くことを願って止まない。

  • ろくに知りもしないナイーブな問題については私の軽々しく薄っぺらな意見を人目にさらせないので割愛。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    キックさん 男前やな~。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    あとがきにあったお母さんのことば
    「あなたが充実した毎日を送っているだなんて、そんな親孝行なことはありません。」
    加賀谷さんは親孝行のハードルを下げさせた って言ってるけどそれは親の本音。
    親孝行にハードルなんてないんだもん、きっと。

  • 『感想』
    〇人の苦しみを他人が全てわかるわけがない。感じている自分がうまく表現できないのに、他人にそのまま伝わること、ましてや察することなどできやしない。それでも周囲の人は助けてあげないといけない。

    〇本人もつらいが、周りの人間もつらい。ましてや家族なら他人ごとにできないし、切り捨てるわけにもいかない。自分が苦しみは自分でしか解決できない。それを他人がどう援助していくか。

    〇ハウス加賀谷さんは学校も接客業も肉体労働もうまくいかなかったようだが、漫才という自分に合うものがあってよかったね。一度はそれで体を壊したわけだが、それでもこの道でやろうと思えるんだから素晴らしい出会いなのではないか。

    〇周囲の評価と自分の評価が違うのは辛いな。考えようによっては自己嫌悪を解消するきっかけになるのだが、真面目に考えすぎるとそれができない。

    『フレーズ』
    ・大嫌いな自分を認めてほしいから頑張る。頑張ると評価され、認められていく。認められるほど、自己否定は強大になっていく。(p.102)

  • ボキャブラ天国大好きでいつも見ていました。今でも生き残っている人たちもいれば、長らく姿も見ていないのですっかり忘れてしまった人たちも沢山います。
    そんなすっかり忘れてしまった人たちの中に「松本ハウス」がいます。
    エキセントリックな動きとパツパツの格好、坊主頭で印象深かったハウス加賀谷は、当時統合失調症で幻聴や幻視に悩まされ、大量の薬を飲みながらスケジュールをこなしていたそうです。
    そして1999年活動を休止して治療に専念。10年後に再度「松本ハウス」として復活するまでの道を書いています。
    松本キックとの絆にぐっときますが、それ以上に統合失調症の凄まじさが分かる本です。
    クラスの皆が自分を臭いと言っているという幻聴が聞こえる。窓の外で、相方が自分を見張っている姿が見える。これが四六時中起こるわけですから神経が休まるときは無いでしょう。本当に気の毒だと思います。

  • 生い立ちから現在に至るまで、統合失調症と悩み、戦いながら生きていく日々のストーリーの記録。

    これぞ、本の醍醐味が味わえるという本。他人の人生を、文字上だけではあるものの、追体験できる。

    統合失調症というものがどういう病気なのか、どういう症状が現れるのか、どのように苦しいものなのか...少し理解を深めることができたように思う。

    誰にかは分からないが、突然訪れる病気。

    周囲からもなかなか理解してもらえず、自分さえもその病気なのかどうか、どこがどう悪いのかよく分からない。なんて大変な病気なんだろう。

    一時期は自殺を考えるほどに仕事に追い込まれたことも。

    どんなつらいことがあっても、病気にあっても、希望を捨てず、前向きに歩んでいきたい。統合失調症への理解が少し深まるだけでなく、そんな前向きなエネルギーももらうことのできる本だった。

  • レポートのために書いたけど、読みいってしまった。

    体験談だからこそ、幻覚の感じが生々しく伝わった。
    精神疾患を抱えながら夢を叶える、そして芸人に復活する著者は本当に強いと思った。
    母親に対して、親孝行のハードルを下げてくれたという言葉に親に対しての申し訳無さを感じるし印象的。
    相方や友人の一言や行動に込められた優しさが、考えるほどステキだった。出てきた人すべてに人間として尊敬する。

  • お笑いコンビ「松本ハウス」のハウス加賀谷さんの病気について、相方のキック松本さんが聞きとり綴ったもの。私は彼らを知らないので、統合失調症を理解するためだけに本著を手に取った。薬を常用しながら社会で生きていく姿を読みたかった。

    統合失調症という病気を扱っている本であるが、あえて重い本ではないと紹介したい。なぜなら相方キックさんをはじめ理解者に恵まれ、加賀谷さんは自分を生きているからだ。後半にかけて加賀谷さんと相方のキック松本さんの友情に泣きっぱなしだった。うらやましいほどの友情だ。
    これからも理解者が増えていくことを願っている。

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