少年は残酷な弓を射る 上

  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781607825

作品紹介・あらすじ

母さん、僕が怖い?16歳の誕生日の3日前、“事件”は起こった。異常なまでに母に執着する息子と、息子を愛せない母。二人が迎える衝撃の結末とは?

映画『少年は残酷な弓を射る』原作作品。

感想・レビュー・書評

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  • 映画がティルダとエズラミラーで観たらごくよかった。原作見つけて、表紙もどんぴしゃで、原作も最高だった。原作の方がわかりやすくていい。

  • 母親エヴァの視点で描かれているので、努力するが息子に意味なく憎まれる母親のように読み取れる。しかし、おそらく息子ケビンの視点から描いたら、たくさん瑕疵のある母親なんだろうなと思う。諦めきれない仕事や夫との関係補強のための出産。賢いケビンはすべて見抜き、義務や建前でなく愛して欲しかったんだろうなと思う。その手段である母親への攻撃が、いつの間にか目的に変わってしまったのだろう。刑務所で母親から何故憎むのかと聞かれ、分からないと答えたのにも、ここに理由がありそうに感じた。
    女性、特に母にまだなっていない女性に読んで欲しい秀作。

  • 「お腹を痛めて産んだ子なら可愛いと思うはず」とか、女性には母性が備わっている、なんていうのは嘘で、自分に懐かない、悪意ばかりをぶつけてくる子を可愛いと思うのは難しい。

    エヴァが子どもを持とうと思った動機は、不純なものであったかも知れないけれど、世の中の母親がすべて、崇高な意思で子供を持ったのかと問われれば、それはイエスとは言い難いのではないだろうか。

    ケヴィンは生まれてすぐから、育てにくい子だった。
    おっぱいを飲もうとしない。ミルクを飲ませても、エヴァが飲ませると飲まないのに、夫フランクリンが飲ませた時だけ飲む。
    エヴァはそれでも、彼女なりにケヴィンを頑張って育てた。
    愛情を持てなかったとしても、愛情を持って育てる事が出来なくても、少なくとも食事を与え、おむつを取り替えた。

    子供って、生まれた瞬間から可愛い訳では無くて、育てているうちに可愛いと思えるようになるものなんだ。
    もちろん、生まれた瞬間から可愛いと思える子供もいるけれど、可愛いと思う気持ちって、子供が手をきゅっと握ってくれたり、笑ってくれたり、「ママ」と呼んでくれたり、そういう仕草やなんやから少しづつ育っていく。

    だけど、ケヴィンは可愛くない子供だった。
    エヴァの夫フランクリンにとっては可愛い子供だったかも知れないけれど、少なくともエヴァに対してはいつも悪意、敵意を見せるような子供だった。
    そんな子供をどうやって愛する事ができると言うんだろう。

  • とりあえず上巻読み終わった。
    主人公にわりと共感。
    妊娠とか出産とかしたら自分も変わるかなとか…期待しちゃうのが。

    でも子供は基本憎たらしいし、母親にいたっては無条件で母性の塊なんて幻想を抱かない方がいい、理不尽だし、子供にだけフェアなわけじゃないのは普通に生活してても感じるけど、だから余計期待するのかしら?

    うちの母親は妊娠中は映画エイリアンの気分、最初から嬉しいわけないってよく子供の私に普通にいう人だったからそう思うの?

    で、下巻は明日読むー。
    又感想変わりそうだなあ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「最初から嬉しいわけないって」
      じゃぁどうして妊娠するんでしょうね?旦那様が望んだからかなぁ不思議ですね。←本と関係無い話でスミマセン。
      こ...
      「最初から嬉しいわけないって」
      じゃぁどうして妊娠するんでしょうね?旦那様が望んだからかなぁ不思議ですね。←本と関係無い話でスミマセン。
      この本は近々読む予定です。。。
      2012/12/19
  • 図書館で。
    重そうな話なので(プリズンブッククラブだったかで紹介されていたので簡単な内容は知っていた)借りたものの放置していたのをようやく手に取り、そして断念。今読みたい気分ではなかった…

    ノンフィクじゃなくてフィクションだったんですね。
    とりあえず主人公の女性のエゴが強すぎて、読んでいてしんどい。子供が出来て母親が子供にかまけすぎて嫉妬する父親という図は聞いたことあるけど反対って珍しいような。3ヶ月出張に行って帰ってきた途端、ダンナに息子ばかり構っていないで自分に注目してってのは…ちょっと精神的に幼すぎる気が。まずは動物でも飼ってみればよかったんじゃ無いかなぁ?生活に変化を求めたいだけならば。

    確かに動物も子供もこちらが思ったような反応は返してくれないし、可愛いだけじゃないし憎ったらしい時やもうホントこいつどうしてやろう?って時もあるけれども、可愛いし楽しいし面白いってのも同時にあると思うんだけどなぁ。自分の子を愛せない、憎いという文章はフィクションとわかっていても読んでいて辛いものがあるなぁ…と断念しました。

  • 家族という呪い。「しなければならない」という宣言は、それを当然に受け止められない人を蝕む。
    それが一般で、広汎で当前であればあるほど、呪いは解くことが難しくなる。だから家族の呪いはこの現代でも最も強く、おそろしい。そういう話。

  • ネットで見かけて。

    残酷な物語、ということで読み始めたけど、
    何が残酷なのか最後までわからなかった。

    もちろん、
    逃げ場のない体育館で失血死させるという殺し方、
    学校による表彰の準備をかたって呼び出したこと、
    父も妹も殺し母だけを残したこと、
    妹の眼を酸で焼いたこと、
    それらはとても酷いことだが、
    それだけでは「100万人が旋律した!」とは思えなかった。

    (下巻へ続く)

  • ・表紙画は諏訪敦。出典は画集とのことで本作のために描かれた画ではないが、雰囲気によく合っている。本を作った人がさぞや惚れ込んで選んだのだろうと推察。
    ・女性が産んだ子に愛情を持つことは自然と考えられている、が、実のところそうなる保証はどこにもない。前提とされる「自然な愛情」なるものが不在の場合、我が子との関係がどんなにグロテスクになりうるか。
    ・親が子に感じる恐怖は[ http://booklog.jp/item/1/4480429298 ]にも通じるが、こちらはオカルト的要素がない分より根源的な恐怖。愛していた生き方(仕事含む)を育児のために諦めた女性にとって、この暗い感情は大なり小なりリアルなものではないかと思う。
    ・[ http://booklog.jp/item/1/4167656094 ]を読んだ印象と通じるものがある。ということは、本作が小説としてリアルでよくできているということなのだろう。
    ・夫との関係のひとつの要素として、アメリカ的価値観への距離感や「アルメニア系」「イングランド系」という出自の違いが投射されているのがいかにもアメリカらしい。

  • エヴァの手記(手紙)という、一人称によるストーリー展開。また、その中で「現在のこと」と「過去のこと」が並行して進められている。

    正直、読みにくい。
    エヴァの自分勝手な偏見や思いの吐露を読んでいると、嫁さんの小言を聞いているようなwww.

    ただ、読み進めていくうちに、ただエヴァの愚痴や暴露を見ているだけでなく「女性」が思うような気持ち(内側からの叫び)を垣間見ているような感じがした。
    スクールシューティングという極端なストーリーではあるものの、エヴァの心境は決して遠いお話ではなく、案外身近なものなのかなと思わせられる。

    気軽な気持ちで読んでいた自分も、途中から真剣に読まざるを得ない気持ちにさせられた。

    「女性に読んで貰いたい」とレビューする人が多いけど、男性にも読んで頂きたいと思う。

    (今のところは。)

  • エヴァからの視点だけなのでもやもやする。
    でも、エヴァだけが悪いとは思わないかな。
    夫側もちょっと理想主義過ぎる気がする。

    ただケヴィンみたいな子共だと、
    どんな親でも無理かもしれない。
    何だかんだで下巻に期待。

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