図解でわかる 14歳からのプラスチックと環境問題

  • 太田出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778316877

感想・レビュー・書評

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  • 「14歳からの〜」が冠に付くYA書籍は多い。しかし、これらは大人にも役に立つ。特に団塊の世代とジュニアたちは、大量に生まれてきて十分に教育を受けた人もそうでない人もいる。実際、私がそうだと感じている。今からでも遅くない。子や孫と一緒に学ぶべきではなかろうか。

  • タイトルは14歳からのだけど、大人が読んでも勉強になる本。

    プラスチックは食品、医療といった人々の暮らしに多大なる恩恵を与えた一方で、自然下では分解されず、残り続け問題となっている。
    特に、海に流れたプラスチックが海の生物に危険を及ぼしている。

    なんであれ作ってはい終わりじゃなくてその後の流れまでをひっくるめてエコシステムとして作り上げていくのが理想だと思った。難しいけど。

    日本のプラごみ有効利用率は86%と高めだが、実際の中身は焼却によるエネルギー変換らしい。
    つまりプラごみ自体は炭になってるようなもん、、、

    4Rの4番目Refuse. プラスチックをそもそも使わない。たしかに駄菓子なんかのプラ包装は過度な気もする。

    プラモデル好きなんだよなー笑

    これが難しいのはプラスチックは環境に悪影響を及ぼす。だからダメだよねって一概には言えないこと。先にも書いたけどプラスチックのおかげで救われていることもある。
    (タバコは健康に悪いから無くそうと同じような感じ。)

    自分に出来ることはゴミはちゃんと持ち帰ることや分別をしっかりと行うことかなと思った。

  • 今使っている身のまわりのプラスチック製品、消耗品や買い替えどきなら見直すのわかるけど、ケースとかリサイクルできていない今替えたら、ただいたずらにゴミを増やすだけでは?
    替えればいいってもんじゃないでしょ。
    すでにあって定着してるのであれば、今持っているものを使い続ける方がいいこともあると思います。

    世界的にはレジ袋製造販売使用禁止してる国も結構あるんですね。知らなかった。
    アフリカとかオーストラリアなど自然が多い所に集中しているが、ゴミ処理場の整備が不十分で、空き地に投げ捨てるだけのオープンダンプ方式が多いことによる。
    ごみのもとをつくらないという判断は途上国ならでは。

    ポリ塩化ビニルPVC 燃えにくく丈夫
    消しゴム、レコード、サッシ

    ハイポリHDPE 衝撃や薬品に強い
    レジ袋、ポリバケツ、ボトル容器

    ローポリLDPE 水より軽く柔らかい
    ジッパー袋、透明ポリ袋、マヨネーズ容器、紙パック

    ポリプロピレンPP つやがあり燃えにくい
    食品容器、食品包装フィルム、ペットボトルキャップ、風呂用具

    ポリスチレンPS 衛生的で水に強い
    発泡スチロール、テレビやパソコンの外側、家の壁の断熱材

    ポリエチレンテレフタラートPET 透明で丈夫
    ペットボトル、フリース、手袋、毛布、卵パック

    プラスチックは有機物
    炭素・水素
    炭素化合物=有機化合物
    ナフサ分解→プラスチック原料
    エチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレン

    plastikos ギリシャ語由来 形をつくることができる

    熱可塑性プラスチック チョコタイプ
    ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンなど

    熱硬化性プラスチック クッキータイプ
    フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂など
    リサイクルできない

    ポリマー 重合体、付加重合、高分子化合物
    ポリ=たくさん
    タンパク質やDNAも高分子

    水素の手1 酸素の手2 炭素の手4

    ダイオキシン発生に繋がるのは塩素を含むもの

    合成繊維を洗濯するとプラスチック繊維が流出
    歯磨きや洗顔フォームからマイクロビーズ流出
    ポリエチレン、ポリプロピレン、メラミンスポンジの削りかすなど
    プラスチック破片は海水中の有害化学物質を濃縮する(石油に汚染物質吸着)
    カネミ油症事件 PCBポリ塩化ビフェニル 絶縁油、熱交換器、ノンカーボン紙
    DDTジクロロジフェニルトリクロロエタン 殺虫剤
    ダイオキシン

    有害化学物質
    ポリカーボネートやエポキシ樹脂の原料 ピスフェノールA BPA
    環境ホルモンの疑い 内分泌撹乱物質
    代替物のピスフェノールSも安全性に疑いあり
    フタル酸エステル ポリ塩化ビニルPVCの可塑剤
    生殖毒性、発がん性の疑い
    三酸化アンチモン ペットボトル製造の触媒 発がん性の疑い
    ノニルフェノールNP プラスチック製容器 環境ホルモン
    PFOS PFOA フライパン焦げ付き防止加工有機フッ素化合物 有害性国連禁止

    日本
    マテリアルリサイクル 23.4%物理的再資源化
    ケミカルリサイクル 4.4%化学処理再資源化
    サーマルリサイクル 58%焼却エネルギー利用

    スウェーデン1904年からごみ発電で地域暖房などまかなう
    ヨーロッパ諸国、韓国はリサイクル率が高い

    ドイツ デポジット制回収
    ベルリン オリギナルウンフェアパックト 食品個別包装廃止 持参容器に量り売り
    スウェーデン 街中のリサイクルステーション
    ペットボトルなどはデポジット制
    暖房用エネルギー20%がごみ発電
    フランス リサイクルステーション 使い捨てプラスチック禁止
    再生されない包装材使う商品は罰金
    インド 廃プラで高速道路建設
    インドネシア海藻でつくった食べられるプラスチックEvoware 温水で溶ける代替品

    東レ、東洋紡STC、ユニチカトレーディング
    自社製品リサイクルする日本の繊維メーカー

    プラスチック食べる酵素イデオネラ・サカイエンシス
    PETase

    ドイツBASF
    完全生分解性発泡プラスチックecovio
    ポリ乳酸+コポリエステル

    カネカ生分解性ポリマーPHBH ストロー

    日本 容器包装リサイクル法
    1995制定2008一部改正
    プラ容器包装は実のところ多くが燃やされている
    容器包装の定義がわかりにくい
    自治体の負担大 不純物取り除き運びやすいよう圧縮し一定量保管 全国年間約2,500億円、企業負担委託金は約380億円のみ
    負担金払わないただ乗り企業も相当数存在
    企業負担が軽すぎる

    容器包装製造利用販売企業はリサイクル取りまとめる協会に委託金支払う
    消費者ゴミ分別
    自治体収集選別してリサイクル業者に引き渡す
    リサイクル業者には協会からリサイクル費用支払われる
    企業は製品全体ではなくリサイクルされた量に対してしか支払い義務がない

    全世界のプラスチックリサイクル率9%

    4R
    リフューズ 断る、使わない
    リデュース 減らす
    リユース 再利用 繰り返し使う
    リサイクル 再生利用

    生分解 微生物による分解
    生分解性プラスチック
    トウモロコシ原料ポリ乳酸からつくられるバイオプラスチック 最終的には二酸化炭素と水に
    生分解されるということは長持ちしない
    環境によって生息する微生物が異なるため、速度も変わってくる
    ポリ乳酸 高温多湿は分解、土や水の中では分解されにくい

    バイオマス 再生可能な天然由来の材料
    バイオマスプラスチック 石油由来材料限定的使用や生分解性を持たないものもある
    バイオマスプラスチックは普通のプラスチックや添加剤と混合が多い
    生分解性有無にかかわらずバイオプラスチックをの普及には、普通のプラスチックとは別に回収してリサイクルするシステムが必要

    ゼロ・ウェイスト ごみゼロ
    徳島県上勝町 生ゴミの堆肥化、45種類の分別など 2016年には約81%リサイクル率
    アメリカサンフランシスコ 約80%資源化

    4L ゼロウェイストの基本
    local 地域主導
    low cost 低コスト
    low impact 低環境負荷
    low tech 最新技術に頼らない

    アップサイクル
    不要になったものをよりよいものにつくりかえ、付加価値を高める
    スイス フライターグ
    フィンランド グローブホープ
    ファッションブランド 古着やシートベルト、工事用ビニールシートなど廃材からデザイン性高いバッグや雑貨へ
    アディダスやプラダ 海で回収したプラごみをアップサイクルして製品開発
    アクアフィル社漁網など再生し開発エコニールで新コレクション

    プレシャスプラスチック
    オランダ個人発
    プラごみを集め手づくり加工、カラフルタイルや小物にアップサイクル

    ダウンサイクル
    ペットボトル→運搬用パレットや植木鉢など低価格製品に

    ポリエチレン、ポリプロピレンは比較的安全
    ポリカーボネートの哺乳瓶はNG

    防水の紙袋も生分解性ってことかな?

    第二次世界大戦がプラスチックを制した連合軍が勝ったという視点は初めてでした。

  • ニュースでプラスチックの問題が話題に上がっているのを聞いて具体的に何が問題なのかを知ろうとして読みました。
    100ページほどでビジュアル重視の本なので概観が掴めます。14歳からとありますが、大人にとっても勉強になります。

    昨今のGenerative AIのごとく、プラスチックは汎用性が高く、加工がしやすく、しかも安価なのでこれだけプラスチックが溢れてきた理由がよくわかりました。

    勝手に日本はリサイクル大国だと思っていましたが、プラスティックリサイクルにおいて、燃やしたエネルギーを利用するサーマルリサイクルが過半数を占めているのも驚きです(世界的にはサーマルリサイクルはリサイクルと認められていない)。

    色々と考えさせられました。

  • 入門書として良いのではないでしょうか。

    但し、ある1側面からの説明であり、全体最適を見ているかは疑問。

  • ざっと通読。「14歳から」となっているため、大人からみると少し抵抗があるかもしれないが、内容はよくまとまっており、プラスチック問題について勉強する際は、まずこの本を読んでほしい。

    プラスチックが流通し始めた経緯や各国のプラスチック製品規制がまとめられており、今の状況を俯瞰することができた。

    脱プラスチックの動きはここ5年くらいで一気に加速しており、状況はどんどん変化している。今後の動向を注視しておきたい。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPAC↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/646532

  •  「#マイクロプラスチック」「#海洋プラスチック」が気になるなら読んだ方が良い。
     こういう書籍で大事なのは「難しいからといって内容を省かないこと」だと思う。プラスチックについて高校の「化学」で学んだ(はずの)こと出てくるが、ちゃんと思い出せた。この本をきっかけに「化学」を学ぶ(学び直す)人も出てくるかもしれない。あるテーマに絞ることで学校ではバラバラに学んだことが集約されることがある。「知」や「人のつながり」を生む「場」になる可能性がある。
     「導電性ポリマー」がポリアセチレンの合成に研究生が失敗し通常粉末になるものが黒い膜になったことがきっかけというところが絵になっている訳だが、筆者の情報収集能力の高さが垣間見える。神は細部に宿るのの好例ではないのか。

  • プラスチックとは。
    プラスチックにまつわる諸問題。
    そして、プラスチックが生まれた背景や、人々が依存するようになった理由。等について、以前より理解できました。

    プラスチックが問題だとは分かっていても、なかなか行動に移せなかったり、プラスチックが避けられない生活に嫌気がさしたり、そんな気持ちがあっても、この本を読むことで前向きに変わっていけるような気がします。


    14歳からの〜という通り、大人にとっても明解で、環境問題に興味を持ち始めた私のような者にぴったりの一冊でした。

    学校の教科書になってほしいくらい、日本人の全員に知って欲しい内容です。
    文が少なく、図解で分かりやすくなっています。


    図書館本で読んだけれど、古本で見つけたら購入したい。

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著者プロフィール

インフォビジュアル研究所(インフォビジュアルケンキュウショ)
ビジュアルクリエーター
2007年より代表の大嶋賢洋を中心に、新しいビジュアル・コンテンツの開発を目指し、編集者、グラフィックデザイナー、CGクリエイター数名により活動を開始する。2007年より『週刊ポスト』誌上で、ヒット商品の開発の背景と戦略をマーケティングの視点から解説する「だから売れた」の連載を2年弱続ける。以後、『家族を守る!! 放射性物質を除く食事』(綜合図書)など各種単行本や雑誌に、インフォビジュアル・コンテンツの提供を続ける。企画・執筆・制作などに携わった単行本に『だから売れた!』(東京書籍)、『超図解でよくわかる! 現代のミサイル』(綜合図書)、『イラスト図解 戦闘機』、『イラスト図解 イスラム世界』(いずれも日東書院)、『超図解 ニッポン産業をつくった8人のカリスマ経営者』(ファミマ・ドット・コム)がある。
http://inforvisual.information.jp


「2016年 『超図解 一番わかりやすいキリスト教入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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