ボックス!

著者 :
  • 太田出版
4.03
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778311346

作品紹介・あらすじ

高校ボクシング部を舞台に、天才的ボクシングセンスの鏑矢、進学コースの秀才・木樽という二人の少年を軸に交錯する友情、闘い、挫折、そして栄光。二人を見守る英語教師・耀子、立ちはだかるライバルたち…様々な経験を経て二人が掴み取ったものは!?『永遠の0』で全国の読者を感涙の渦に巻き込んだ百田尚樹が移ろいやすい少年たちの心の成長を感動的に描き出す傑作青春小説。

感想・レビュー・書評

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  •  苛酷で危険で、純粋なスポーツ。ボクシング。

     アマチュアボクシングとプロボクシングがこんなに違うと知ってびっくり。RSC(レフェリー・ストップ・コンテスト)なんてルール、初めて知った。1ラウンドで2度のダウン、あるいは試合中に3度のダウンでRSC負け。倒れてなくてもダメージを受けているとみなされればスタンディングダウンを取られる。RSC負けすると、4週間は試合にでられないとか。へえーって思うことがいっぱい。

     パンチには、ジャブ、ストレート、フック、アッパーなどの種類があると知っていたけど、防御にもダッキング、スウェーバック、パリー、ブロックという種類があるということを知った。そして、「サイエンス」という言葉には、「ボクシングの攻防の技術」を言う意味があることも知った。深い!!

     天才的ボクシングセンスを持つ鏑矢、進学コースの秀才だけどスポーツ経験ゼロの木樽。
     鏑矢は天才だからいいんだけど、木樽こそがモンスター。一日左ジャブ4000回とか、毎日10kmロードとか、そんな身体に悪いことを毎日続けられるはずないのに。練習が楽しいと思えるその精神を持つことが、本当の天才なのかもしれないです。

     一戦一戦がものすごく丁寧に描き込まれていて、試合の状況が実に鮮やかに浮かんできた。
     練習して練習して、それでも階級ごとに優勝できる選手は一人だけ。あとの人たちは、文字通り叩きのめされる。
     それでも彼らは高みを目指す。何て素敵なんだ。ボクシングという競技は。

     レフェリーが発する「ボックス!」というコールを、生で聞きたいと、この作品を読んだ後、そう思うはず。そう思わせられる作品です。

    • フッタさん
      私も読んで今でも心に残っている事がayakoo80000さんの書かれている「練習を楽しいと思えるその精神を持つことが、本当の天才」というとこ...
      私も読んで今でも心に残っている事がayakoo80000さんの書かれている「練習を楽しいと思えるその精神を持つことが、本当の天才」というところでした。天職という言葉がありますが、ほんとうに好きな仕事なら苦労も楽しいという事なのだと思いました。
      2013/06/21
    • HNGSKさん
      フッタさん>>天職を見つけられることって、本当に幸運なことですよね。木樽くんを、うらやましいと思ってしまいます。極めつけは、検事になったとい...
      フッタさん>>天職を見つけられることって、本当に幸運なことですよね。木樽くんを、うらやましいと思ってしまいます。極めつけは、検事になったというところ!!まじで文武両道やなあって思ってしまいました!!
      2013/06/21
  • いやぁ、やられた!百田尚樹は感動させるのが本当に上手い。映画で観たものを原作で読むのはこれが初めてかもしれない。結果はわかっているのに夢中になって貪るように読んだ。かなりのボリュームだったが、このまま終わらないで欲しいと思いながら読んだ。
    内容としてはありきたりの青春小説なのだが、とにかくキャラクターが魅力的。とにかくカブ(鏑矢)が最高!チャランポランのようだが友達想い。そして滅法強い。
    そのいい加減な性格故、何度か敗北も喫してしまうが、それでもモンスター“稲村”を倒すのはやっぱりカブだよなぁ。と思ってしまう。

    稲村との試合の前にいてもたってもいられなくなった耀子先生が、ボクシングジムの曾我部の元に行き、鏑矢には才能があるのか?と聞いた時の答え。大笑いして
    「あいつは俺が見た最高の天才やで」
    鳥肌が立つほどシビれた。

    • chie0305さん
      ひとしさん、こんばんは!いいのか悪いのか、最近不眠なんです。BOX読んだんですね!私も、どんどん強くなる木樽に複雑で。
      ちょっと古いけど、...
      ひとしさん、こんばんは!いいのか悪いのか、最近不眠なんです。BOX読んだんですね!私も、どんどん強くなる木樽に複雑で。
      ちょっと古いけど、お蝶夫人と岡ひろみだとお蝶夫人派でした(分かりますか?)さて、今日はこれから読書します。何の本でしょうか?(笑)
      2017/10/25
    • chie0305さん
      え…!?なんで分かったんですか?
      ひとしさん、鋭すぎです…(呆然)
      え…!?なんで分かったんですか?
      ひとしさん、鋭すぎです…(呆然)
      2017/10/25
    • chie0305さん
      それが…あまりにもハードで、今ちょっと後悔してるところです。グロさで「カエル男」の上をいくかも…。とりあえず、読みます(涙)
      それが…あまりにもハードで、今ちょっと後悔してるところです。グロさで「カエル男」の上をいくかも…。とりあえず、読みます(涙)
      2017/10/25
  • 百田さん、こういう本もかかれるんだ~。高校ボクシング部を舞台にしての青春小説。何といっても、鏑矢が魅力的すぎる!天才ボクサー二人。しかし、才能はあってもあるラインを超えると、そこから先は血を吐くような努力と忍耐なしには強くなれない。本人の資質は勿論だが、素晴らしいライバル、素晴らしい指導者、そして何より一番に自分に打ち勝つ精神力…人間ってホントに弱いから逃げたくなる。
    自分自身にも覚えがあるから読んでいて辛かった。乗り越えられない人の方が多い。
    だから読者は木樽よりも鏑矢に感情移入して読んでしまうのではないかな。
    あと、鏑矢がめちゃくちゃピュア!あんな高校生いないかと。大阪弁のせい?
    笑いと涙と爽やかな、すがすがしい気持ちと共に読了。面白かった。

    • ひとしさん
      当たってましたか!(笑)
      アレックスを先に読んでしまったというレビューを読んだのでf^_^;
      実は私も3部作でアレックスしか読んでないん...
      当たってましたか!(笑)
      アレックスを先に読んでしまったというレビューを読んだのでf^_^;
      実は私も3部作でアレックスしか読んでないんですよねf^_^;
      アレックスをさらに深めてくださいませ(^_−)−☆
      2017/10/25
    • ひとしさん
      それはしょうがないですねf^_^;
      アレックス読んだんならやっぱり読んでおくべきでしょうね!
      私も後から続きます!
      それはしょうがないですねf^_^;
      アレックス読んだんならやっぱり読んでおくべきでしょうね!
      私も後から続きます!
      2017/10/26
    • kakaneさん
      こんばんは、chieさん
      角田光代の「空の拳」もおススメかも。
      こんばんは、chieさん
      角田光代の「空の拳」もおススメかも。
      2018/07/13
  • 高校ボクシングのお話で
    天才カブとビギナー木樽を中心にした
    「男の子」っていい! ってお話なんです
    ピュアでリアルな友情やボクシング自体も見事に描かれていて
    かなり引き込まれるいい作品です
    舞台は、ベタ大阪の下町
    梅田、新世界、玉造、天王寺、弁天町、淀川堤防
    半沢直樹以上にディープな大阪です(^o^)
    オープニング、ガラの悪い大阪の街でキッラーン☆
    とヒーロー登場的なお話で始まります
    コレ定番だけど、いいんだなぁ(^o^)
    エンディングも穏やかでいいんですが、要所要所でグッとくるほんとに良い作品でした
    百田尚樹さんってほんとに凄い!

    はっきり言って、映画見なきゃ良かった
    本のほうが断然いいです 私は
    ちなみに、「ボックス」って、「ボクシングをする」って動詞ネ

  • これもいいです。

  • たまに気が向いたとき格闘技を観る程度で、好んで見るほうではないので、ボックスを読むまでは、ボクシングの話を興味持って読めるか?不安半分、百田尚樹作に期待半分で読み始めました。
    最初からその不安は無用なものだと思い知り、余計な不安を持っていたことが恥ずかしくて笑ってしまうほどでした。
    作品にどっぷり入り込み、ボクシングの知識がなくても先の展開が知りたくなる語り、作品のスピード感、心が揺さぶられて涙を流した回数、全てにおいて最高得点を叩き出した作品でした!
    物語として大好きな作品に出会えました。

  • 私の大好きな青春物です。
    高校生の木樽くんと教師の高津耀子先生の二人の目線でかかれています
    ボクシングを全く知らない私でも充分楽しめました
    幼子のような鏑矢くんと優等生の木樽くんの関係が素敵です
    エピローグが良かったなぁ!

  • 高校ボクシング部の話。
    ボクシングについて全く知らない私でもとっつきやすい感じのストーリーでのめりこんだ。
    幼い頃から喧嘩も強く、ボクシング部で1年生でも秀でている鏑矢と、彼に守られてきた学業優秀な木樽。
    そんな木樽が鏑矢に誘われて「強くなりたい」とボクシング部に入部した。
    ヒョロヒョロでお勉強ばっかりしていそうな木樽だったが、そのストイックな体のつくり方と、監督に言われるままにボクシングの基礎をみっちりと練習し、頭の回転が速いことなどを総合して、どんどん強くなっていく様子がよかった。
    そして木樽は鏑矢に追いつき、自分のスタイルで鏑矢に勝つのか?!
    彼らの最大の強敵、他校の稲村には勝てるのか?!

    途中で登場した体の弱いマネージャー、丸野さんの一件では衝撃を受けて涙が出た。
    選手たちの心の葛藤が深く描かれていて、スポーツとしてのボクシング、深い!!と感じた作品だった。
    そして、顧問になった女性教師、燿子先生の心の動きも丁寧に描かれて読み応え満天だった。

  • 高校ボクシングのお話。
    突然ボクシング部の顧問になってしまった女性教師の目線で進行するので、ボクシングのことをまったく知らない人でもじゅうぶん楽しめる。
    ユウキがおっかなびっくりボクシングにのめりこんでいく姿は、バドミントンを始めた頃の自分の姿と重なった。

    THE青春!という感じ、私もこんなアツイ高校時代を過ごしてみたかったなぁ・・・

  • 永遠の0読んだので拡げてみたが、広がりが見えない・・・。

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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