心療内科医が教える本当の休み方

著者 :
  • アスコム
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776212584

感想・レビュー・書評

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  • ストレスと休み方を理論的に説明されてて、それは理解できたけれど、では具体的に…となるとなかなか上手くいかない。

    ストレス反応は「炎」と「氷」の2つがあって、今自分がどちらのモードかで休み方は変わる。
    回復のキーワードは「安全」と「安心」で、「心と身体の疲れ」が取れると想像以上に人は前向きになれる。
    重度の鬱の場合、また何かちょっと違う気がする。

  • 忙しい中で、どういう風に休むのがいいのかを知るべく手に取った。

    昔から、強いストレスを受けると、怒ったり感情的になるというよりは、頭がぼーっとして、頭の回転が如実に悪くなる感じがあった。

    この本によると、ストレスを受けた場合の反応は、自分は自律神経のうちの交感神経ではなく、副交感神経の一種の背側迷走神経が優位になった時のものと書いてあり、腑に落ちる説明だった。

    自律神経がどちらかに偏った状態が続くとよくないため、自分の場合は交感神経が活性化するような行動を取ることや、リラックスの効果のある腹側迷走神経を刺激することが効果的のよう。

    このことを念頭に置いて今後生活の中で試していきたいと思う。

  • ストレス系の本の中でも少し違ったアプローチが載っていた。
    ストレスには炎系と氷系の状態があり、それぞれ休み方が違う。
    怒り中心の炎の状態の時はゆっくりするタイプの休息を、ダウナーな氷の状態の時はアクティブな休息を。
    自分のストレス解消方法のタイプを論理的に分けて考え、精神の状態に合わせて解決策を考えておくのは今度やってみようと思う。
    優しいタイトルではあるが、これ系の本をあまり読まない人は樺沢紫苑氏の本から先に読んだほうがいいとは思った。

  • 「我慢して生きるほど人生は長くない」と両方読んだけへど、こっちの方が今の私には響いたし救われた。

    この本では過度な暴飲暴食、飲酒や自分を傷つけるような行為を"ただ「健康に悪いこと」とみなすのではなく、その人が生きるために、少しでも楽になるように必死で使ってい「力」なのであって、そこには「肯定的な側面がある」「力を発揮できている」ことをより積極的に認めていく"
    というBASIC Phの視点を紹介する文章がある。
    うつ病やPTSDを患っている私は、これまでやってきたことは無駄じゃなかったんだと泣きたくなってしまうほど救われた。
    自分で自分を傷つけてしまったり、時間を無駄にしてしまったことを後悔することが多かったけど、これは無駄じゃないんだと、少し勇気を貰った。
    他にも、はっと気付かされることが多かった。
    分かっているようで、分かっていない。
    基本的なこと、当たり前なことだけど、忘れがちなことをこの本は再確認させてくれる。
    著者の執筆も自分自身の経験を交えながら共感してくれるスタイルで、1人じゃないんだと思えるのもいい

  • ・きちんと休むは高度な技術


    ・休むためには3つのプロセスがある。
    1)休みが必要な状態だと自覚すること。
    2)休むことができる環境を確保すること。
    3)自分の状態にとって、適切な休養活動を選択すること。


    1)休みが必要な状態だと自覚すること。

    ・心にダメージを与える心理的ストレッサは主に2つある

    ①ライフイベント
    (人生において、大きな変化をもたらす出来事のこと。
    家族と死別、結婚、離婚、失業、引っ越しなど)

    ②デイリーハッスルズ
    (満員電車や、生活で、面倒な価値など、普段から経験するような日常な些細な出来事の事)

    →様々なストレス反応、ストレッサを知ることが休みが必要な状態だと自覚するのが大切


    2)休むことができる環境を確保すること。

    ・過剰適応…周りの環境に配慮し、他者に調和することを重視しすぎて常に気を張っている状態。精神的にとても消耗しやすい。
    自らのニーズよりも、他者のニーズを満たすことを重視しすぎて疲弊していること


    ・人は、傷つきの多い環境にいると、感情が動かなくなる

    他人が自分に向ける欲求からしっかり離れる必要がある

    他者のニーズに応えることが安心を得るための方法だと思い込んでいる。

    他人のニーズから一定の距離をおいて、はじめて自分のニーズに関心が向く

    動けていないことへの自分への怒りも休みを困難にする


    3)自分の状態にとって、適切な休養活動を選択すること。


    ・自らの体のニーズを把握して、それに応えることで、自分自身とのつながりを取り戻し、心身が安心、安全を感じられる状態にすること





    ・心も神経も自然に揺らいでいる位がちょうどいい


    ・ストレスや疲れを取るには、副交感神経を優位にし、心身をリラックさせるの休み方が必要


    ・ただしストレス反応は2種類あり
    交感神経系優位な状態(炎のモード)のときはアッパー系(怒り、パニック)のストレス反応
    背側迷走神経系が優位な状態(氷のモード)のときはダウナー系(フリーズ)のストレス反応が現れる
    ・内需要感覚が重要。
    内需要感覚は感情の根源にあるものであり、内臓感覚とも。人の幸福感や安心感に直結する感覚で、
    内需用感覚は適切に機能していないと、不安や抑うつ、様々なストレス感疾患や生活習慣病にかかりやすくなる。

    感じ方…心拍数を測る、
       身体は何を食べたいかを考え、食べる
       ゆっくり咀嚼する(自分の内面をスキャンする)



    ・つながるのは人じゃなくても良い。
    (故人、自然、ペットなどもあり)


    ・生きるのがつらいとき
     →自分が支えになったものを思い出す
    安心、安全を感じる神経がまた少しレベルアップ


    ・人とのつながりは必要不可欠で生来的なもの

    ・身体と調和する生き方を

  • 『心療内科医が教える本当の休み方』鈴木裕介さん

    読んで良かった!
    医学的に、自律神経のこととかも含めて教えてくれて納得した!

    ポリヴェーガル理論で、身体に起こる炎のモードと氷のモードとリラックスモード…
    私も氷のモードになると思った。

    BASIC Ph、私は人に話すこととか、本を読んで知るタイプだな〜
    色んなタイプがあって面白いし、隣り合うのをやってみたいと思った!

    心が落ち込んでる時に買った本で、買って良かった!

  • 似たようなタイトルの本を今迄に幾つか読んだが、これまでは"ふーん"で終わっていた。
    この本は、ポリヴェーガル理論/コーピング/BASIC Phなどの専門用語が、初心者にもわかりやすく記載されていたのが良かった。また、モードの切替方法やストレス対処法も具体的で試しやすいものであり実用的だと感じた。
    自身の経験や感覚とマッチしていて色々腑に落ちたことで、自分や周囲が救われた気がした。

    ◆ロジャーズ(カウンセリングの神様)
    『自分の実感以上に信頼できるものなどなく、
    それ以外は恐れるに足りない。
    学校や職場への「適応」など些細なことである』

    ◆「休む」ための3つのプロセス
    ①休みが必要な状態だと自覚する
    ・ストレス反応/要因を知る
    ・ストレスへの戦闘モードは概ね3か月は続く
    ・3ヶ月を超えると一度に疲労感や身体症状が出る
    ②休むことができる環境を確保する
    ・過剰適応が確保困難の要因
    ・他者への遠慮や罪悪感から休みにくい
    ・他者の要求から離れてはじめて、
     「自分の要求」に関心を向けられる
    ③自分の状態にあった休養活動を選択する
    ・頭でなく身体の要求を満たすことで、
     自分自身との繋がりを取り戻し、
     心身が安全・安心を感じられる状態にする

    ◆ポリヴェーガル理論
    ・自律神経には3つの種類がある
     ストレスなどで揺らぎのリズムが崩れると、
     心身の不調が現れる
     ①交感神経系(炎のモード)
     ②腹側迷走神経(リラックスモード)
     ③背側迷走神経(氷のモード)
    ・腹側は自律神経の調整役
     腹側は安全/安心を感じるときに働く
    ・思うように動けないのは"神経学的な防衛反応"
     背側の必要性を理解し、積極的に肯定する
    ・コミュニケーション・オーバー
     人と話したくない/引き篭もりたいは通常反応
     部屋に引き篭もりシャットダウンが最適解

    ◆コーピング(自分を助けて回復に導く行動)
    ①炎のモードのオフ
    ・ゆっくりした呼吸(呼気を長く)
    ・鎮静系のアロマ /ハーブティー/漢方薬
    ・心を落ち着かせる静かな曲
    ・湯船にゆっくりつかる
    ・部屋を暗くする(ブルーライトを見ない)
    ・心拍数を下げるボディワーク(合谷など)
    ②氷のモードのオフ
    ・早く浅い呼吸
    ・太陽の光を目にしっかり入れる
    ・覚醒系のアロマ/飲み物
    ・運動やゲームで心拍数を高める
    ・温度刺激(熱めのシャワーなど)
    ③腹側迷走神経のオン
    ・穏やかな表情を作ったり、首を傾げること
    ・よく噛んだり、ものを飲み込んだりすること
    ・歌を聴いたり、歌ったりすること
    ・抑揚をつけて、会話を楽しむこと
    ・オンにするエクササイズ/グラウディング

    ◆BASIC Ph(ストレス対処法の6種)
    ・複合もある、新規開拓も可能
    ・自分の傾向を知れば、回復しやすくなる
    ①Belief(信念/価値):宗教/使命感
    ②Affect(感情/情動):感情表現
    ③Social(社会的):集団意識/連携
    ④Imagination(想像力):空想/現実逃避
    ⑤Cognition(認知):情報収集/課題解決
    ⑥Physiology(身体):運動

    ◆その他
    生物としての先天的な「繋がりたい」と、
    傷つき体験などで後天的な防衛としての
    「繋がりたくない」の衝突が、
    現代の生きづらさの一つの形なのではないか

  • この手の本をひさしぶりに読んだけど、今まで知らなかった考え方や新しい視点に触れることができた。

  • 運動しなさい

  • 休職中に本屋で表紙買いしました。自分の症状に当てはまり、腑に落ちる部分が多かったです。
    社会で身動きが取りづらく、最近感情が乏しいな、生き生きしていないな…など感じる方に読んでほしいと思いました。

    傷つき逃げ場のない環境にいると、人は次第に感情が動かなくなりやる気や幸せを感じにくくなる。
    「気持ちの問題」だと思いがちだが、これは正しい身体の反応にすぎないため、決して自分を責めないこと。

    ストレス反応や合う対処法はその人によって様々なので、自分のニーズを満たすことができて初めて、本当の意味で心身を癒し休めることになる

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著者プロフィール

明星大学人文学部福祉実践学科准教授。社会福祉士。大正大学人間学部人間福祉学科社会福祉学専攻卒業、高知県立大学大学院人間生活学専攻博士後期課程修了。病院のソーシャルワーカー(MSW)、高知県立大学社会福祉学部社会福祉学科助教を経て現職。著書に『〈社会福祉〉実践と研究への新たな挑戦』(共著・新泉社)、『これならわかるスッキリ図解 障害者総合支援法』(共著・翔泳社)などがある。

「2023年 『障害福祉に関する法律・支援・サービスのすべて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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