今日が人生最後の日だと思って生きなさい

著者 :
  • アスコム
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本棚登録 : 750
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776208952

作品紹介・あらすじ

二八〇〇人を看取った医師が教える人生にとって大切なこととは。

感想・レビュー・書評

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  • 4年前に父親が亡くなるその瞬間に立ち会えた。その後、考えたくはないが母親や夫とのお別れや、もしかしたら自分が先にこの世から居なくなることも…と思った。

    「死が目前に迫り 意識がなくとも周りの声は届いている」私は、まさにこの通りの体験をした。父親は私の呼びかけに声はなくても反応はあった。ひたすら感謝のことばを伝えた。

    今の私は、日々悩み後悔することが多いけれど、今日が最後の日になると思って…の言葉を頭の片隅に置いて生きていけたら、と思う。

  • ホスピスと訪問診療で終末期医療に携わる医師が書いた本。2800人看取る中で学んだことが綴られる。

    ◯過去と未来がつながっているかが、その人の現在の生き方や自己肯定感を左右する。
    ◯1番大切なものを、大切だからこそ手放し、大切な人に任せよう。肉体がこの世から消えても、大切なものを大切に思う気持ち、大切な人との繋がりは残り続ける。
    ◯苦しみは決して悪ではない。「よく生きる」ためには苦しみも向き合い、そこから学ぶことが不可欠。
    ◯苦しみとは何か。希望と現実のギャップが苦しみを生む。

    死を迎える人は耐え難い悲しみをいだき、また大切な人を失う者も言葉では言い表せないほどの苦しみを味わう。
    絶対に苦しみから立ち直れないと思っていた。あれから3年。本書を読みながら、自分の前を去っていったたくさんの人たちに思いを馳せた(医療従事者です)。
    当時は只々何かを共有したくて、自分にできることは何か自問自答しながら彼らと時間を共にした。結果、何もできなかったが、時間が経つにつれたくさんの言葉をもらい、たくさんのことを学んだことに気づかされた。

    本書を読んで全くピンとこない人もいるだろう。でもまた別のタイミングで読んでみてほしい。読み手の心次第で、全く違った受け止めになるはず。
    混沌としていた苦しみのモヤを言語化してもらえたことで、少しだけ心が整理された気がする。


  • 亡くなっていく人の前ではみんな無力。
    でもその中でできることはあるよと教えてくれる本

  • 人生最後の日は、『自分の人生に納得する』ためにある と言う言葉が印象的だった。
    つまり、幸せな人生だったか に肯定できることだ。

    支えてくれた存在に気付け感謝できるか、果たした役割を伝えられたか、生き方を肯定し後世に生きる人の礎となることを喜べるか、 このあたりが大切と筆者は述べている。

    ■一言でまとめると
    人生最後の日(死)を思い浮かべ、大切なもの・支えに気づき日常に感謝し、使命感を持って日々生きることで幸せになれるのではないか

    ■なぜこの本を読んだか
    まだ死に直面していが故に気づいてからでは遅いことに後悔したくなかったから

    ■何を学んだか
    日常がいかに恵まれているか、常に感謝の気持ちを忘れずに過ごす
    死ぬ親が子供に望むものは、人格と人望(地位や名誉や財産ではない)
    使命感を持ち、自分の支えに気づき感謝する

    さらっと読めますがしっかりと自身と対話することが必要な良書です。

  • "当たり前に感謝"

    『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』小澤竹俊

    2021年1冊目✨

    【琴線に触れた言葉】
    「明日のことを語ることができる」というのは、それだけで大変な宝物を手にしているようなものなのです。
    (p.41)

    【感想】
    書店のメインコーナーで見つけて手に取りました。「看取り」を続けられてきたホスピス医小澤さんが書く言葉には、深みと重みがありました

  • 数々の患者を看取ったホスピスのお医者様が書かれた本。人を看取る経験からくる言葉に重みがあり、自分の人生最期のときは誰かを照らしてこの世を去りたいと思えた。

    以下、印象的な二文。
    ・自分はいったい、何に縛られているのか。本当は自分自身で「やらない」ことを選択しているのではないか。
    ・苦しみをいかに解決するか、乗り越えるか、ではなく、苦しみから何を学ぶか。それこそが人生において、もっとも重要なことではないかと、私は思います。

  • 「ライオンのおやつ」を読み、ホスピスに興味を持ち読んでみた。

    自分が死ぬと病気になる前からリアルに考えている人はどれくらいいるのだろうか。
    また、やりたいことや目標を全てやり遂げて死ぬ人はどれくらいいるのだろうか。

    6年ほど前か、末期がんが見つかりホスピスで残りの人生を過ごし亡くなった友人がいる。その友人は抗がん剤治療を選択しなかった。

    「もし自分が同じ立場であるならば抗がん剤治療をするか?」
    その時、私は自分自身に問いかけたが、まだ娘が小学生であり意地でも生きねばと思っている頃で迷いなく抗がん剤治療をすると思ったものだ。

    時が立ち娘も大きくなった。今ならば残りの人生を苦しまず笑顔で生きるという選択もありだと考える。

    そうか。それはイコール今のこの時間を大切に生きようということなのだろう。

    闘病するしないどちらを選択しようと、今を生きるという事実は変わらない。自分で選択し自分が満足するよう生きるのだ。生きるという権利は貴重なものなのだ。思考がぐるぐるしているうちにいつの間にかこの著者が伝えようとするメッセージと繋がった。

    おもしろく生きよう。おもしろいことをやろう。

  • 著者はホスピス医として、ホスピス病棟勤務や在宅クリニックの開業を通じ、人生の最終段階を迎えた患者への医療に携わりつづけています。

    2800人以上の患者を看取ってきた体験から感じた人生観と、「できるだけ穏やかな気持ちで日々を過ごし、最期を迎えてほしい」という思いが本作の中では語られています。


    余命が長くないと知らされた患者やその家族のショックは計り知れないものがあります。

    あるいは病気で体が不自由になり、食事やトイレもできなくなった患者から「人に迷惑をかけるくらいなら、早く死んでしましたい」と言われたことが何度もあるそうです。

    どうにかして患者の苦しみを和らげたい、と著者はいろいろな分野の勉強をされますが、実際の医療の現場ではすべてを解決することはできませんでした。


    そんな中、「医者である以上、患者の役に立たなければならない」という思いから「自分は無力である」と悩んでいたそうですが、あるとき「無力でもよいのだ」と気が付いたといいます。

    医者とはいえ生身の人間、
    できることには限りがあります。

    無力な自分を受け容れ、「患者の問題をすべて解決すること」ではなく「ひとりの人間として、患者に関わり続ける」ことが大切だと思い至ったそうです。

    そこから、「この世に生きているだけで意味があり、平凡で価値のない人などいない」と実感するようになったといいます。

    この考え方を大切にしながら、患者や家族に対して、その人にとって大切なものを見い出せるように関わります。

    はじめは治療を拒否して悩み苦しみを抱えていた患者も、著者の熱心な関わりに徐々に心を開いていきます。

    「自分の人生にはこんな価値があったんだ」
    「健康なときは気が付かなかったけど、自分を支えてくれるものがあったんだ」

    と自らを肯定できるようになり、穏やかで安心した気持ちで余生を過ごせるようになるのだそうです。


    死を目前にすると、人は自分にとって本当に大切なものが何なのかを真剣に考えます。

    本書のタイトルは、自分にとって大切なものに気が付いてほしい、という著者のメッセージの表れなのだと思います。

    本書を読み、医者という決して簡単ではない職業でご自身の使命を見い出し、周りの人に生きる気持ちを与え続ける著者の姿勢に、とても心を動かされました。

    必死に努力を続けるなかで、ときには理想と現実のギャップに悩まされることもあるかもしれません。

    そこで無力だと感じても、駄目だと思わずに「ありのまま」それでよいのだと受け容れるところから、急速に変化できるのだと学びました。

  • ホスピス医の本。
    3年前に講演を聞いた時に著者、小澤竹俊のことを知り、ぜひ本を読んでみたいと思い、手にした本。


    ディグニティセラピーの質問が特に参考になった。


    ・人生において特に記憶に残っていることや最も大切なことは?1番生き生きとしていたことは?

    ・大切な人に知っておいてほしいこと、憶えておいてもらいたい特別なことは?

    ・(家族、職業、地域活動などにおいて)人生において果たした役割のうち、最も大切なものは?
    また、どうして大切なのか、なぜ成し遂げたと思うのか?

    ・最も重要な達成は何か?何に1番誇りを感じているのか?

    ・大切な人に言っておかなければならないと未だに感じていることやもう一度話しておきたいことは?

    ・大切な人に対する希望や夢は?

    ・人生から学んで他の人に伝えておきたいことは?残したいアドバイス、導きの言葉は?

    ・将来、大切な人に役立つように残しておきたい言葉や指示などは?

    ・この永久記録を作るのにあたって、含めておきたいものが他にあるか?

  • いつか迎える自分の人生最後の日を、今までで一番リアルに想像しました。それだけで読んでみてよかったと思えました。

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著者プロフィール

小澤竹俊
1963年東京生まれ。87年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。
91年山形大学大学院医学研究科医学専攻博士課程修了。救命救急センター、農村医療に従事した後、94年より横浜甦生病院ホスピス病棟に務め、病棟長となる。
2006年めぐみ在宅クリニックを開院。これまでに3800人以上の患者さんを看取ってきた。
医療者や介護士の人材育成のために、2015年に一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会を設立。一人でも多くの人が、生きてきてよかったと思える最期を迎えられるよう、力を尽くしている。著書『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』、『もしあと1年で人生が終わるとたら?』(アスコム)がベストセラーとなる。

「2022年 『あなたの強さは、あなたの弱さから生まれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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