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- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784775402474
作品紹介・あらすじ
丘の上の新しい家での暮らしを詩情豊かに描いた名作『夕べの雲』から四十年。
なぜ庄野文学はささやかな日常生活を描いて、読者を惹きつけるのか。
家庭生活に潜む不安の影を象徴的に描いたとして高く評価された初期作品から、理想の生活、
幸福の文学と評されるに至った晩年の連作までを見据え、庄野文学の本質に迫る初の本格的作家論。
感想・レビュー・書評
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読んだのはこの本ではなく『親子の時間』なのだが、本棚登録できないため仮に登録しておく。
以下は『親子の時間』のレビュー。
タイトル通り家族・親子の関係に的を絞った短編集で、家族版私小説といった内容なのだが、描かれる風景は本当に日常の何気ない一コマ。会話も生のまま引用されてるようで時には流れが追えなくなってしまうほど。話の中身はサザエさんのようにほのぼのしていて事件らしい事件が起きるわけでもない。特に河上徹太郎との交流を描いた中編では、二十年に亘る毎年の互いの家庭の往来を食事のメニューから余興(何と子供参加の歌や劇まであり!)の演目まで事細かに再現されるのだが、最後の河上の死を除いて満たされた時間が毎年毎年延々と繰り返し続いていく。こういう本は、今一体自分は何を読んでいるのか、ふとわからなくなってしまう。
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